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高層ビルの屋上から街を監視し特定の個人を見つけ出すことも可能なスパイカメラ「Mantis」が中国で開発中



高性能な19台のカメラを統合することで100メガピクセルのムービーを撮影できるカメラ「Mantis」が中国で開発されています。Mantisは高層ビルの上からはるか遠くにいる特定の個人を認識することが可能であり、監視社会である中国での活躍が見込まれています。

How a Powerful Spy Camera Invented at Duke Ended Up in China’s Hands - WSJ
https://www.wsj.com/articles/how-a-powerful-spy-camera-invented-at-duke-ended-up-in-chinas-hands-1528714895

デューク大学の研究チームが開発した「Mantis」は、「最高のカメラ19台から作った1つのカメラ」のようなもので、世界で最もパワフルなカメラの1つと呼ばれています。


研究者らは開発の場をアメリカから中国に移しており、Mantisは中国で活躍中。ビルの屋上に1台設置すると……


街の隅々までもを見渡すことができます。


Mantisを開発したのはDavid Bradyさんが創業したAqueti China Technologyという企業。Bradyさんはもともとデューク大学の研究者でしたが、2016年に中国に移り、ビジネスを開始しました。


Mantisは19台のカメラが捉えた映像を統合することで、100メガピクセルのムービーを作り出すことが可能。「街でだれかがくしゃみしたら、そのくしゃみの様子を映し出すことができます」とのこと。


公園でたたずむ男性は、技術者のMinghao Huさん。


Mantisはビルの屋上からHuさんを探します。


「あれかな?」とつぶやきながら、PCの映像からHuさんの姿を探そうとするBradyさんは、Mantisの研究に20年の月日をさき、2300万ドル(25億円)を費やしてきたとのこと。


カメラの映像をズームすると、はるか遠くの様子までを把握可能。


どんどん近づいていくと……


Huさんの居場所を確認できました。


中国は国家による世界最大の監視カメラネットワークを所有する国。


そのため、Bradyさんにとって、中国は巨大な市場になりうるのです。


事件が起こった場合に警察は監視カメラの映像を見ることになりますが、一般的に、画質はそれほど良いものではありません。


Mantisは遠いところから全体を把握しつつ……


見たいところにズームして、ピンポイントで映像を見ることができます。


多くの人が訪れる広大なスタジアムでも……


特定の個人がどこにいるのかを見つけ出すことが可能。事件が起こった場合にも、誰が、どのような流れの中で、行動を起こしたのかを把握できるわけです。


Aqueti China Technology本社は、中国の崑山市にあります。


GoProなどのカメラが製造されていることからもわかるように、中国はカメラ製造に向いてる場所。Bradyさんが中国を拠点としたのも製造を視野にいれてのことです。


Mantisは19台のカメラで捉えた映像を1つに統合しますが、スーパーコンピューターを搭載しているためにリアルタイムの映像分析が可能になるとのこと。


カメラの内部を見てみます。


基板には5台のコンピューターが搭載されています。


映画「ブレードランナー」では、カメラが1箇所をズームして人物を確認するシーンがあります。映画が公開された当時は「コンピューターに話しかけてどんどんズームする」というシーンは見ている人の目に奇妙に写りましたが、2018年では現実のものとなっているのです。


カメラの進化はとどまるところを知らず、3~4年先の未来では、ギガピクセルの性能を持つGoProのようなキューブ型カメラが実現されているだろうとBradyさんは予測しました。

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in ハードウェア, Posted by logq_fa