取材

群馬発祥のコンビニ「セーブオン」が消える前に買い物してきた


その昔、あのダイエーがなくなることになるなんて誰が思ったでしょうが。盛者必衰、未来へと留まることを知らない時間の流れは、ときに私たちが大事にしていたものを奪います。いつか消えゆく運命だとして、何もせずにその時を待つのは寂しすぎます。だから、最後の思い出を作りたくなるのです。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。かつて自転車で日本一周もしていたので、日本のコンビニにもただならぬ思い入れがあります。北海道にあるセイコーマートのポイントカードだって持ってます。だからこそ、群馬発祥のコンビニ「セーブオン」が消えると知って、居ても立ってもいられませんでした。

◆コンビニ業界再編
名古屋にセブンイレブンがやってくる」という名古屋出身の旅人の話を覚えています。2002年、私が自転車で日本一周をしていたころの話です。「愛知のコンビニ」といえばサークルKでした。愛知発祥のスーパーであるユニーがライセンスを受けて展開していたコンビニ事業です。今となっては嘘みたいな話ですが、当時、名古屋にセブンイレブンはありませんでした。愛知県内にもほぼありませんでした。

セブン-イレブン 名古屋市・岡崎市への初出店に関するお知らせ~愛知県内への本格出店開始!!平成15年2月までに80店舗オープン~
(PDFファイル)http://www.sej.co.jp/mngdbps/_material_/localhost/pdf/2002/120301.pdf


セブン-イレブン/愛知県へ初出店 | LNEWSバックナンバー
https://lnews.jp/backnumber/2002/07/7387.html

愛知・岐阜・三重にセブンイレブンがないのは何故? -関東から東海へ移- スーパー・コンビニ | 教えて!goo
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/140134.html

そのサークルKは、もともと長崎屋傘下だったサンクスと2001年に経営統合して「サークルKサンクス」となり、さらに親会社であるユニーがファミリーマート傘下となったことで、2018年には完全にすべての店舗が「ファミリーマート」へと転換されることになっています。


同じように、愛知発祥のココストアもファミリーマートに吸収されました。写真は沖縄の店舗。


日本の小売業は全国チェーンだけでなく地方チェーンにも力があります。鹿児島の「タイヨー」、広島の「イズミ(ゆめタウン)」、愛媛の「フジ」、和歌山の「オークワ」のようなスーパーの事例は分かりやすいです。その県ならたいていの市や町にお店がありました。海外には全国チェーンしかみかけない国もありましたので、日本の地方経済の強さには目をみはるものがあります。

私の地元福岡だと、スーパーは「西鉄ストア」「マルキョウ」「ハローデイ」、ディスカウントストアは「ミスターマックス」、ホームセンターは「グッデイ」「ナフコ」、ファミレスは「ジョイフル」といった感じで、九州地盤のお店ばかりが目につくでしょう。

コンビニも同じでした。セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンといった全国チェーンとは別に、地方に強いコンビニがありました。しかし、各社の激しいシェア争いの結果、近年、地方のコンビニが消滅しつつあります。

広島発祥で中国地方でよく見かけたポプラは、ローソンと業務提携しています。山陰地区では「ローソン・ポプラ」というダブルブランドの店舗を展開。写真は東京の店舗。


神奈川発祥のスリーエフは単独店舗が消滅。「ローソン・スリーエフ」というダブルブランドの店舗に切り替わっています。



そして、群馬発祥のセーブオンも同じくローソンに吸収されます。セーブオンは群馬に本社を置くスーパー「ベイシア」のコンビニ事業でした。こちらも店舗の切り替えが進んでいます。

セーブオン、ローソンへの転換を本格化  :日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFB30H8X_Q7A630C1L60000/

「セーブオン」が全店「ローソン」に変わる群馬県民の衝撃 消える看板 どうなる「焼きまんじゅう」? (1/4ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
https://www.sankeibiz.jp/business/news/170226/bsd1702261308001-n1.htm

◆もう群馬にしかない
セーブオンも日本一周した際に思い出が残るコンビニでした。だからこそ、消滅するのであれば最後にもう一度買い物をしておきたいという使命感に燃えました。すでに、セーブオンの店舗が残っているのは群馬県のみです。

いいこと、いいものセーブオン
https://www.saveon.co.jp/

公式サイトの店舗検索もこのように、地図上で色が塗られているのは群馬県だけ。


山形、福島、新潟、茨城、埼玉、千葉、栃木にあった店舗はすでにローソンに切り替わっています。コンビニコーヒーのマスコット「エブリ」がツイッターでお別れの挨拶をしていました。





◆いざセーブオンへ
前橋市や高崎市といった群馬の中心都市ならセーブオンへも簡単に訪問できたのでしょうが、前橋や高崎に行く用事がありませんでした。そこで、ぶんぶく茶釜の舞台ともいわれる茂林寺へ観光に行ったついでにセーブオンへ行くことにしました。

しかし、茂林寺のある群馬県館林市にもセーブオンはあるのですが、駅からのアクセスが悪かったのでそこは諦め、東武小泉線の本中野駅の近くにある「セーブオン邑楽光善寺店」を目指すことにしました。


「邑楽町(おうらまち)」という町名は初めてだと読めません。「YOUは何しに邑楽町へ?」「セーブオンで買い物に」とひとりノリツッコミではしゃぎます。2両編成の列車が本中野駅に到着。降りる人も乗る人も少ない田舎の駅でした。通せんぼするような自動改札ではなく、ICカード読み取り端末が突っ立っていたのは新鮮。

駅のすぐ西にある大通りを南に向かって歩きます。のどかな住宅街といった場所でした。


信号のある大きな交差点を渡って少し歩いたところにセーブオンがありました。大きな駐車場を備えた店舗です。


遠くからでも店舗ロゴが分かるサインポール。ちょっと低いかも。


店舗全景。この写真が欲しかったのです。


壁に描かれた店舗ロゴ。赤色が目立つデザイン。


実はこれは旧デザインの店舗だそうで、新デザインの店舗はもっとシックで落ち着いた雰囲気になっています。外観のトレードマークの赤とオレンジのボーダーの幅も狭く、店舗ロゴの背景も赤地ではなく白地になります。

由緒正しい店舗だったとは……。


お店の中自体はそれほど変わっているわけではありません。事前にネットで予習して、いくつか「らしい」ものを購入してみました。以下、価格は税込表記です。

人気の39円アイスは値上がりして48円でした。それでも安い。


128円のカルボナーラと150円の焼きうどん。このお値段でこのボリュームはうれしいところ。


大手チェーンのおにぎりとサンドイッチは、賞味期限が来るとそのまま入れ替えて廃棄されている印象ですが、セーブオンではスーパーなどと同じようにまずは半額シールが貼られていました。


シュークリームは特価で78円。


「ぐんまちゃん」というご当地マスコットを使った地元メーカーのカップ麺とカップ焼きそばも置いてありました。


なんとか、健在なうちにセーブオンでもう一度買い物をすることができ、胸のつかえが下りました。満たされました。

皆さんも、その時が来る前に一度買い物に行ってみませんか。報道によれば、2018年8月までに全店が閉店してローソンに転換されるとのことです。

◆チャリダーマンからのお知らせ
イベント開催が明日となったので、最後のお知らせです。群馬ネタを続けてきましたが、群馬ではなく北九州市の門司港にあるINFO SHOP大都会門司港というショップでトークライブを行います。料金はカンパ制・1ドリンク別で、16時から18時です。興味のある方は、ぜひお越し下さい。


(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
Facebookページ https://www.facebook.com/chariderman/
DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)

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in 取材,   , Posted by logc_nt