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「週末の寝だめは死亡リスクを下げる」という研究結果が発表される

by RichardAlan

「平日は仕事や学校で忙しく、どうしても十分な睡眠時間がとれない」という人も多いはず。「睡眠不足によって人間の認知能力が下がる」「睡眠不足は死亡リスクの上昇と関連している」といった研究結果が出ており、睡眠不足は人間の活動に大きな悪影響を与えることがわかっています。平日に寝られない人が休日に平日の分まで眠る「寝だめ」は、そんな睡眠不足による死亡リスクを下げるという研究結果が発表されました。

Sleep duration and mortality – Does weekend sleep matter? - Åkerstedt - - Journal of Sleep Research - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jsr.12712

Sleeping in on weekends may be healthy for you, study suggests - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/news/speaking-of-science/wp/2018/05/23/people-who-sleep-in-on-weekends-avoid-dying-young-study-suggests/

ストックホルム大学のストレス研究所に在籍する心理学者であるトービョン・オーカスタット氏らの研究チームは、スウェーデンで13年以上にわたって3万8000人もの被験者を追跡して、平日と週末の睡眠時間に着目した研究を行ったとのこと。

オーカスタット氏は人々の睡眠時間を平日と休日に分けて類別し、「平日も休日も短時間睡眠のグループ」「平日は短時間睡眠で、休日は長時間睡眠のグループ」「平日も休日も中時間睡眠のグループ」「平日も休日も長時間睡眠のグループ」といったグループ分けを行いました。また、対象となった人々を「65歳未満」「65歳以上」に分類し、被験者の年齢でもグループ分けを行って死亡リスクとの関連を分析しました。

研究の結果、65歳未満の人のうち1週間続けて睡眠時間が5時間未満という「平日も休日も短時間睡眠のグループ」は、1週間続けて7時間ほど眠っていた人に比べて、死亡リスクが52%も高いことが判明しました。しかし、平日は少ない睡眠時間で過ごしているものの、休日に長時間眠って「寝だめ」をする「平日は短時間睡眠で、休日は長時間睡眠のグループ」は、死亡リスクが1週間続けて7時間眠っている「平日も休日も中時間睡眠のグループ」と同程度にとどまっていたそうです。また、毎日9時間以上眠る「平日も休日も長時間睡眠のグループ」についても、短時間睡眠を続けるグループと同様に死亡リスクが高かったとのこと。平日と休日の睡眠時間差は、10~20代の若年層で大きくなる傾向にあり、平均して平日に7時間、休日に8.5時間の睡眠をとっていました。

by Vic

一方でスウェーデンにおいて退職している人が多い65歳以上の高齢者では、平日と休日における睡眠時間の差がほとんどなく、平日も休日も7時間以下の短い睡眠を続ける傾向にあったそうです。同時に睡眠時間と死亡リスクとの関連も発見されず、「65歳以上の高齢者になると体が必要とする睡眠時間が減る」とされている従来の説と、今回の研究結果は合致するとのこと。

今回の研究結果はあくまでも被験者の自己申告にもとづいたものであり、「昼寝を何時間したのかという聞き取りが含まれておらず、完璧な実験だったとは言い切れない」という指摘もされています。アリゾナ大学のマイケル・グランナー准教授はオーカスタット氏の研究結果について、「人間は自分自身が何時間眠っていたのか、正確な時間を知ることは難しく、自己申告による研究には限界があります」と語りました。

オーカスタット氏は今回の研究結果を受けて、「週末の寝だめは一定の効果があると考えられますが、あくまでも暫定的な結論です」と述べており、「寝だめをすれば平日が睡眠不足でも問題ない」と言い切ることはできないとしています。グランナー氏は、睡眠は金融取引のように週末にため込んだ睡眠を平日に引き出すようなことはできないとして、「週末の寝だめは平日に不健康な食事をしている人が週末になると一念発起してサラダを食べるようなもので、健康にある程度役立つものの、確実に一定のダメージを受けます」と述べています。

by planetchopstick

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in メモ, Posted by log1h_ik