サイエンス

眼球からレーザーを放つコンタクトの開発に研究者らが成功

by Chris Devers

眼球に装着しレーザーを発射できるという、まるでヒーローが持つスーパーパワーのような技能を一般人でも身につけることができる「コンタクト型レーザー」の開発に研究者たちが成功しました。

Flexible and ultra-lightweight polymer membrane lasers | Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-018-03874-w

These Contacts Let You Shoot Lasers From Your Eyes
https://www.popularmechanics.com/technology/a20670955/scientists-mounted-laser-shooting-contacts-lenses-to-cow-eyeballs/

自然界に存在しないレーザー光は、精密な計測器や医療機器などに使用されていますが、従来のレーザー光を放出する装置は硬い支持基盤を必要とし、柔らかい物体の上に取り付けることは困難とされてきました。そこで、セント・アンドルーズ大学のマルテ・ギャザー教授らの研究チームは、厚さ200ナノメートル(約0.0002ミリメートル)の超薄型レーザーを開発する研究をスタートしたとのこと。

「膜状の超薄型レーザーを開発することで、ステッカーのように湾曲した物体上や、柔らかく繊細な物体上に固定できます」とギャザー教授は述べており、研究チームはガラス基板の上で作成した有機半導体とDFB共振器のみで構成された超薄型レーザーを開発しました。超薄型のレーザーは完成後にガラス基板を除去することで膜状となり、コンタクトレンズに貼り付けることで、人間と同じ構造を持つ牛の眼球に装着することができたそうです。

超薄型のレーザーは強い光に反応してレーザー光を発射するとのことで、研究チームは生体に害のない光量の青い光を、牛の眼球に装着したレーザーに照射しました。すると、レーザーはその光に反応して「緑色のレーザー光」を照射。レーザーに照射される青色光だけでなく、レーザー自体から照射される緑色の光も人体に無害な量であったとのこと。また、レーザーの持つ光学的特性は数カ月間にわたって持続するということも示されています。

by Gisela Giardino

超薄型のレーザーをコンタクトに装着したのがaの写真。それをbの写真で牛の眼球に装着して、青い光を照射すると緑色の光が放出されているのが、c・dの写真でわかります。gのように爪に装着して使用することも可能です(画像をクリックすると眼球のモザイクが外れます)。


超薄型のレーザーは材料を変更することでレーザー光の特性を変化させることが可能で、眼球や指先に装着すれば個人を識別するIDタグとして、あるいは紙幣などに装着すればセキュリティタグとして使用できるそうです。また、「膜状レーザーの材料を変更し、レーザーの持つ格子構造を変更することで、0と1のパターンを表すデジタルバーコードとすることも可能だ」と研究チームは述べており、レーザー自体に情報を持たせられる可能性についても示しています。

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1h_ik