アート

レコードのジャケットに登場する場所が数十年後にどう変化したのかがわかる写真が公開中


CDなどのジャケット写真で後ろに風景が写っていると「どこで写真を撮ったのだろう?」と気になったことがある人は多いはず。写真家のアレックス・バーチ氏もその一人で、レゲエ好きな彼は、リリースから数十年経過した有名なレゲエソングレコードのジャケット写真の撮影場所を訪れました。そして、レコードのジャケット写真と実際の撮影場所を重ね合わせることで、数十年の変化を比較した写真の撮影を行っています。この写真はバーチ氏のInstagramおよび世界中のアートなどを紹介するサイトDemilkedで公開されています。

Alex Bartschさん(@alex.bartsch) • Instagram写真と動画
https://www.instagram.com/alex.bartsch/

Photographer Spends 10 Years Tracking Down The Original Locations Of Vinyl Covers
https://www.demilked.com/photography-reggae-vinyl-covers-original-locations-alex-bartsch/

1枚目は、1971年にリリースされたブルース・ラフィンの「Rain」。現地の写真は2015年に撮影されたもので、44年の月日が経過してもジャケット写真撮影時の天候以外に違いはなく、ほとんど変化はありませんでした。


2枚目は、1978年に登場したマイティ・スパロウの「Only A Fool」。このジャケット写真も2015年時点の現地と比べて、変化はないようです。


次はフレディ・マクレガーの「Big Ship」です。レコードは1982年にリリースされたもので、33年後の2015年に撮影された写真と比較すると、船舶の形に変化はありませんが、塗装などが若干変わっているように見えます。


2000年にリリースされたジュラシック5の「QUALITY CONTROL」。2017年に撮影された実際の風景と比較すると、木がなくなっていたり横断歩道が追加されていたりなどの小さな変化はあるものの、風景が一変するような大きな変化はありませんでした。


1966年に登場したゼムの「THEM AGAIN」。51年の月日が経過した2017年の風景と比べても、変化はなく時が止まっているかのように見えます。


次はジャッキー・エドワーズの「Sincerely Jackie Edwards」です。1978年にリリースされた作品で、37年後の2015年に撮影された風景と比較すると、ジャケット内では小さかった植物が、大きな木に変わっているのが印象的。


1984年にリリースされたスマイリー・カルチャーの「Police Officer」。2015年に撮った写真とほとんど変わっていないように見えますが、ジャケット写真の手すりが黒だったのに対し、31年後は青に変わっています。


1969年に登場したダンディー・リビングストーンの「Your Musical Doctor」。ジャケット写真撮影当時は、柵の上に座れるほどの厚みがあったようですが、2015年には柵の形状が細くなり座りづらい大きさになっています。


次は、Kamanchi Slyの「Prodigal Son EP」です。この作品は2004年に販売された作品でジャケット写真は、タワーブリッジの真下で撮影されているのが特徴です。12年後の2016年に同じ場所で撮影されたものと比較してもほとんど変化はありませんでした。


1971年にリリースされたアブドゥル・ハリム・ハーフェズの「Mawood」。一見すると、ジャケット内の写真と2017年に撮影された風景に大きな違いはないように見えます。ジャケット写真をよく見ると、奥には車が走っていますが2017年には走っておらず、手前の地面も階段に変わっていることがわかります。


Super Diamonoの「Cheikh Anta Diop」です。この作品は1988年にリリースされたもので、ジャケット内の写真と2016年に撮影された風景を比較すると、構造物の変化はありません。しかし、橋に落書きが存在していることから、28年間でこの地域の治安が少し変わったのかもしれません。


1981年にリリースされたキャロル・トンプソンの「Hopelessly In Love」です。34年たった2015年の風景と比較しても、レンガ造りの住宅や歩道、道路に変化がないことがわかります。


ムーディの「Early Years」です。このレコードは1974年にリリースされており、ジャケット写真と2015年の風景を比較すると、柵の色だけが水色から黒に変化しています。


1990年にリリースされたアイス・キューブの「AmeriKKKa's Most Wanted」。2017年の風景と比較すると、ジャケット写真の左側にある建物の色が変わっていますが、道路の形状が変わるなどの大きな変化はないようでした。


次は、コンピレーション作品の「Hot Numbers Volume Two」です。この作品は1971年にリリースされた作品で、2015年の風景と比べてみると、44年たったとは思えないほど変化がなく、後ろの樹木も葉の付き方以外に変化はありませんでした。


1976年にリリースされたジョン・ホルトの「Before the Next Teardrop」。40年後の2016年の風景と比べてみても、特に変化はありませんでした。先ほどの「Hot Numbers Volume Two」のように公園や広場のような敷地で管理が行き届いていれば、長い年月が経過しても大きな変化はないのかもしれません。


次もジョン・ホルトの作品で「Just A Country Boy」です。この作品は1978年にリリースされており、2015年の風景と比較すると、ジャケット写真内にあった道路と歩道を分ける柵が37年後にはなくなり、道路の本数も増えていることがわかります。


最後は、1995年にリリースされたHigh-Tec Roots Dynamicsの「Berlin Dub」です。ジャケットの写真には、1989年のベルリンの壁崩壊時のブランデンブルク門が使われています。ベルリンの壁崩壊から29年後の2018年の風景と比較してみると、ジャケット写真が白黒のため、色の変化はわかりませんが、建物の形状に違いはありませんでした。


また、アレックス・バーチ氏が撮影した写真は1冊の本にまとめられており、Amazonでは税込4005円で販売されていました。

Amazon | Covers: Retracing Reggae Record Sleeves in London | Noel Hawks, Al 'Fingers' Newman, Michael Hernan, Alex Bartsch | Reggae

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in アート, Posted by darkhorse_log

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