ハードウェア

皮膚に電子回路を印刷できる3Dプリンター技術が登場、戦場での兵士強化が可能に


ミネソタ大学の研究者が電子回路を皮膚に直接プリントできる3Dプリンター技術を開発しました。この技術によって、戦場で兵士に化学センサーを取り付けたり、充電用の太陽光パネルを取り付けたりなど軍事技術への応用が検討されています。

3D Printed Functional and Biological Materials on Moving Freeform Surfaces - Zhu - - Advanced Materials - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adma.201707495

3-D print electronics and cells printed directly on skin: Groundbreaking technology could help soldiers on the battlefield and people with skin disorders -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/04/180425131914.htm

皮膚にLEDライトを点灯させる電子回路を印刷する様子は以下のムービーで確認できます。

3D printing electronics on a moving hand - YouTube


ミネソタ大学で電子回路を皮膚に印刷できる3Dプリント技術が開発されました。実際にLEDライトを手に搭載してみます。まずは、手の甲にLEDライトのモジュールを置きます。


次に、回路を設置する場所を調整する目安となる3DマーカーをLEDライトの周りに配置。


LEDライト、マーカーを設置した状態で、手の甲を3Dスキャンします。


最初にレイヤー1で回路をプリンティング。従来の3Dプリンターでは樹脂や金属を高温で溶かしていましたが、新開発された銀フレーク入りのペーストは融点が比較的低くかつ常温で硬化するタイプのものなので、プリントしても皮膚に火傷は生じません。


さらに、3Dプリンターはマーカーをたよりに印刷対象物の動きを検出して、それに合わせてプリント位置を調整できる機能を搭載しています。これによって、人間の手などを固定できない場所でも電子回路をプリントできるようになっています。


LEDライトを取り囲むように回路が印刷されました。


さらに回路の保護膜となるレイヤー2を印刷。


レイヤー3を印刷して完成。「→」部分で回路が閉じられた模様。


手の甲にワイヤレス給電用のコイルを近づけると……


LEDライトが点灯。見事に電子機器を手の甲にプリントすることに成功しています。


この3Dプリント技術を開発したミネソタ大学のベンジャミン・メイホー准教授によると、3Dプリンター自体は400ドル(約4万3000円)未満の比較的安価なものでも十分な精度が出せるとのこと。コンパクトな3Dプリンターを戦場に持ち込み、戦況に応じて化学センサーなどの電子機器を印刷でき、使い終わればプリントした基板は水で洗い流して容易に剥がし取ることができるそうです。皮膚への電子回路の3Dプリント技術は軍事技術としての利用だけでなく、皮膚疾患のモニタリングなど医学療法への応用も期待されています。

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