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ヨーロッパに割り当てられていたIPv4アドレスがついに枯渇

By thierry ehrmann

インターネットを行う上で不可欠なIPアドレス。最も普及しているIPv4アドレスは32ビットで表され、約43億個のアドレスを作ることができるのですが、実はヨーロッパでこのIPv4アドレスが枯渇する問題が起こっています。ヨーロッパや中東、中央アジア地域にIPアドレスを分配するRIPE NCCによると、IANAから割り当てられた最後のIPアドレスを使い果たしてしまったとのことです。

RIPE NCC IPv4 Available Pool - Graph — RIPE Network Coordination Centre
https://www.ripe.net/publications/ipv6-info-centre/about-ipv6/ipv4-exhaustion/ipv4-available-pool-graph

OK, this time it's for real: The last available IPv4 address block has gone • The Register
https://www.theregister.co.uk/2018/04/18/llast_ipv4_address

IPv4アドレスはIANAが統括的に管理しており、そのIPv4アドレスをアジア、ヨーロッパ、北米地域などのアドレス管理団体を通じて分配していました。しかし、2011年2月にIANAで管理していたIPv4アドレスが枯渇し、同年後半に東アジア、南アジア・太平洋エリアにアドレスを分配するAPNICで未割当のIPアドレスがなくなりました。続いて2012年9月には、RIPE NCCの未割当のIPアドレスが枯渇。その後、2014年6月にラテンアメリカ・カリブ海沿岸地域を管理するLACNIC、さらに2015年9月には北米地域を管理するARINのIPv4アドレスが枯渇するなど、世界中のアドレス管理団体でIPv4アドレスが次々に使い果たされてきました。

IPv4アドレスの枯渇後も各団体は未使用となったIPアドレスを使い回すことで対応してきましたが、RIPE NCCでは2018年4月7日の週にIANAから受け取った最後のIPv4アドレス(185.0.0.0/8)がついに使い果たされる段階に達しました。以下のグラフは、RIPE NCCの割り当て可能なIPアドレスの推移を表しており、最後にIANAから割り当てられたIPアドレス(185.0.0.0/8)の推移が濃緑のグラフで示されています。


アドレスの枯渇後は、使用されなくなったIPv4アドレス(上記グラフの緑色部分)の再分配が積極的に行われるようになります。しかし、上記グラフの傾向からは2020年頃に利用可能なIPv4アドレスがなくなることが予想されています。

IPv4アドレスの枯渇問題を回避する手段として、以前からIPv6アドレスへの移行が促されています。IPv6アドレスは128ビットで表されるため、約340澗(かん)個という膨大なアドレスが使用可能になり、枯渇問題を事実上解決することが可能です。

2018年現在は、世界のアクセス数上位1000のウェブサイトのうち約26.3%がIPv6に移行しており、着実に普及の波が進行している状況。このペースで進めば、2021年5月に全ての大手ウェブサイトがIPv6に移行することになるとみられています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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