メモ

どうしてもクリエイターにお金を払わず仕事させたい人々が言いそうなことアレコレ

by Tim Gouw

TwitterやInstagramなどのSNSが流行する現代では、気軽に自分が作成したイラストや写真、デザイン、ムービーなどを世界中の人々に見てもらうことができます。クリエイターにとって、SNSは自身のスキルを宣伝する格好の場となり、実際に知人や見ず知らずの人から「ちょっと絵を描いてよ」など仕事を依頼されることもあります。そういったクリエイターへの仕事の依頼には、金銭の支払いを想定したものから、無料でちょっと何か作ってもらおうというものまでさまざまです。中でもクリエイターにどうしても金銭を支払いたくない、タダで絵を描いたり動画を作ったりといった仕事をこなしてほしいと考える人は世界中どの国にもいるようで、クリエイターのブライアン・ラフキンさんがそういった「無償でクリエイティブな仕事をせびってくる輩」の事例と対処方法を挙げています。

BBC - Capital - Dealing with clients who expect you to work for free
http://www.bbc.com/capital/story/20180411-dealing-with-clients-who-expect-you-to-work-for-free


「こんにちはブライアン。私のためにちょっと絵を描いてもらえない?」といったリクエストを知人からしばしば受けるというブライアン・ラフキンさん。そんな時、ラフキンさんは友人や家族の場合は喜んで手伝いをするそうです。しかし、そういった要求が完全に見知らぬ人から来ることもあります。クリエイティブ業界で働く人々にとってそういった仕事の要求はよくあることだそうで、クライアントは「クリエイターが作れるもの」には興味を持っているケースが多いそうですが、仕事の対価として金銭を支払うことには興味を持っていないケースが多いとのこと。

そういったクリエイターを軽視する風潮に異議を唱えるため、韓国の漫画家であるRyan Estrada氏が行動を起こしています。2013年、Estrada氏はこういったクリエイターを軽視する状況を広めるために、Twitter上に@forexposure_txtというアカウントを作成。アカウント上では「クリエイターにお金を払いたくない人々」がクリエイターに向けて投げかける言葉や、実際のやり取りなどを公開しています。

例えば、クリエイターにお金を払いたくない人々による常套句として挙げられているのが、「芸術を愛している人々が芸術を行うべきだ。もしもあなたがお金のために芸術を行っているなら、すぐに辞めて何か他のことをしてください」という言葉。

"people are doing art for the love of it if you are doing art for money please quit and do something else"

— For Exposure (@forexposure_txt)


@forexposure_txtではフォロワーから送られてきた、「体験した心ない対応」をスクリーンショットで紹介することもあります。以下のスクリーンショットでは、「MarvyanakaP」という黄色の文字のユーザーが仕事を依頼されたので「別の依頼で忙しいので今は受け付けていません」と断ったところ、「ファックユー」「カネが欲しいんだろ!」とストレートに罵られています。

pic.twitter.com/5PWhTP8yMo

— For Exposure (@forexposure_txt)


「なぜあなたへの仕事の依頼料はこんなに高いの?????」

"why are your commissions SO overpriced????? noah fence but that's way too much."

— For Exposure (@forexposure_txt)


「あなたに金銭を支払わなくても良いという部分に夢があると感じたんだ。だから僕は『良いアイデアだね!』と君に声をかけようと思ったんだよ」

“I had a dream where I didn’t pay you. It felt good, so I thought “hey! What a great idea!” via @clientsfh

— For Exposure (@forexposure_txt)


「アートの盗用?これが違法であるかどうかは無関係です。重要なのはあなたが裁判所を介して主張できるかどうかです。あなたはどうせできないでしょ」

"Art theft? Again whether or not it's illegal is irrelevent. What matters is if you can enforce it, via court. You can not."

— For Exposure (@forexposure_txt)


そんな@forexposure_txtで取り上げられたクリエイターにお金を払いたくない人々からの心ない言葉の数々を、トロントに拠点を置くアーティストツムラ・エミさんがイラスト化したのが以下の画像です。ツムラさんはデートサービスのOkCupidで空気の読めないメッセージを女性に送る男性をイラスト化する「OK Cucumber」というアートプロジェクトを推進している人物。

「今のポジションではあまり多くのお金をアーティストたちに費やすことができないんだ。日本へ旅行に行くためにお金を貯めているところだからね」


「(クリエイターに依頼した仕事のために)十分なお金を持っているなら、我々は本物のアーティストに仕事を依頼するわ……本物のキャンパスに絵を描くね。デジタル上に偽物の絵を描くあなたのような人ではなく」


「君の請求書には驚かされたよ。なんせ僕はメールにたくさんのスマイルを入れたので、僕たちはもう友達で、君が金銭を請求してくるとは思ってなかったからね」


「我々と一緒に行った仕事は全てプロのビジネスの場で使われることになるので、君の個人的なポートフォリオを作るには素晴らしい方法だと思うよ」


「先月、僕はLSDをやって突然ウェブサイトを構築しなければいけないと思っただけなんだ。だから君に金銭を支払うことはできないよ」


@forexposure_txtのツイートは世界中のクリエイターから共感を得ており、アカウント開設から5年ほどで16万7000人以上のフォロワーを得ています。

クリエイターの仕事は彼らの持つ情熱によって加速されますが、その度に仕事場に長時間拘束されることとなります。また、仕事をこなすために高価な機材などを揃える必要性もあります。そういった仕事をこなすことで犠牲になる部分をクリエイターにお金を支払いたくない人々は理解していない、とEstrada氏。


さらに、Estrada氏は「人々は芸術は単なる楽しい趣味程度にしか捉えていないんです。これは週末にブラウニーを作ることと、レストランのシェフとして働くことの違いのようなものです。週末に趣味で料理を作るという人であっても、見知らぬ人のために料理を作っていれば、自分のために料理を作る時間さえなくなってしまうのは明らかです。多くの企業はこんな単純なことでさえ理解していないんです」と語っています。

ツムラさんはクリエイティブの力を用いて自身の経験を共有する行為を「グラフィック・サーベイ」と呼んでおり、「人々が経験したことを冗談めかして作ることは楽しい」と語っています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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