サイエンス

一度彫ったタトゥーが消えない理由が細胞レベルで明らかに

By Lindsay

皮膚は毎日のように新しくなりますが、一度彫ったタトゥーは消えることはありません。消えない理由としてこれまで「タトゥーは生まれ変わる皮膚よりも奥に存在する真皮部分に絵を描くため、それを傷として認識したマクロファージが色素ごと吸収し、永久に生き続けているからだ」とされており、色素を吸収したマクロファージが残留し続けるかぎり消えることはないと考えられていました。しかし研究によると、マクロファージは永久に生き続けているわけではなく、死んでしまったとしても別のマクロファージに色素を引き継いでいたことが明らかになったとのことです。

Unveiling skin macrophage dynamics explains both tattoo persistence and strenuous removal | JEM
http://jem.rupress.org/content/early/2018/03/05/jem.20171608?PR=

New insight into what makes tattoos last forever could improve laser removal techniques
https://www.zmescience.com/science/news-science/tattoo-last-forever-macrophages-0432423/

マルセイユ・リュミニー免疫学センターのサンドリーヌ・アンリ氏とベルナー・マリッセン氏によると「これまでタトゥーが生涯にわたって残り続ける理由は、マクロファージが色素を保持したまま永久に生き続けていたためだと考えられてきました。しかし、実際にはマクロファージにも数年程度の寿命があり、たとえ死んでしまっても保持していたタトゥーの色素を他のマクロファージに渡していることがわかりました」と語っており、マクロファージが死んでも、新しいマクロファージに色素が受け継がれるメカニズムが判明したそうです。

研究では、まず左の画像のようにマウスの尻尾にタトゥーを施した後、遺伝子操作を行って尻尾部分に存在するマクロファージを破壊。すると数週間後に、新しいマクロファージが尻尾の真皮部分に移動したことを確認したものの、右側の画像が示すとおり尻尾に存在していた色素にはほとんど変化がないことがわかりました。


細胞レベルで詳細に分析を行ってみると、左の画像のように緑色の色素を保持しているマクロファージは、死んでしまうと色素を放出します(中央)。その後、新しいマクロファージが右側の画像のように緑色の色素をかき集め、元の状態に戻るというメカニズムを確認したとのことです。


このメカニズムの発見は、効率的なタトゥー除去手術につながる可能性があると考えられています。タトゥーの除去にはレーザーによる手術が一般的ですが、何度も手術を受けなければならないことと、完全に除去することができないという問題点がありました。

マリッセン氏によると「既存のレーザー手術とタトゥーの領域に存在するマクロファージを一時的に除去する施術を組み合わせることで、効果的なタトゥーの除去が行える可能性があります」と語っています。タトゥーの領域に存在するマクロファージを除去すると、しばらく復活しないため、その間にタトゥーの顔料成分をレーザーで破壊すればリンパ管を通して色素が排出される可能性があるとのことです。

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