メモ

人はいくらお金を稼げば幸福を買えるのか?

by The Toad

「幸福はお金で買えない」という言葉を耳にすることがありますが、幸福とお金に関わる最近の研究結果によると、ある程度のお金を稼ぐことが人生における達成感や満足感に影響するそうです。

Happiness, income satiation and turning points around the world | Nature Human Behaviour
https://www.nature.com/articles/s41562-017-0277-0

Does money buy happiness? Yes, up to a point. — Quartz
https://qz.com/1211957/how-much-money-do-people-need-to-be-happy/

This is how much money you need to earn to be happy, according to new study | The Independent
http://www.independent.co.uk/life-style/money-happiness-how-much-earnings-income-needed-study-perdue-university-indiana-gallup-world-poll-a8218086.html

パデュー大学の研究チームは、アメリカ世論調査研究所が行った「人生満足度に関する世論調査」のデータをもとに、個人の購買力と感じる幸福についての回答を分析しました。調査では全世界の100万人以上を対象に、自分の人生を0~10の11段階で評価してもらったとのこと。調査では幸福度「0」が「考えられる限り最悪の人生」で、幸福度10「考えられる限る最高の人生」という基準を設けていました。

回答してもらった個人の幸福度と年収の間には、「所得が多いほうが幸福である」という関連性が見られたそうです。これは国や地域・男女を考慮して分析した場合にも同様で、基本的には全世界的に収入の多さがそのまま幸福につながっていたとのこと。

しかし、収入が多ければ多いほどより幸福度が増すわけではなく、ある一定の収入を超えると「幸福度の頭打ち」が見られたそうです。これは全世界で同じ収入額というわけではなく、また男女の間でも違いが見られました。


国別に見るとオーストラリアとニュージーランドが最も「幸福が頭打ちになる年収額」が高く、いずれも12万5000ドル(約1400万円)。地域別に見ると中東と北アフリカが最も高く11万5000ドル(約1300万円)で、東アジアは11万ドル(約1200万円)、北アメリカは10万5000ドル(約1150万円)となっています。逆に「幸福が頭打ちになる年収額」が低い地域を見ると、サハラ砂漠以南のアフリカが4万ドル(約440万円)、ラテンアメリカとカリブ海周辺が3万5000ドル(約390万円)という結果。

全世界の平均が9万5000ドル(約1050万円)で、女性のほうが男性より「幸福が頭打ちになる収入額」が高く、平均が10万ドル(約1100万円)。男性はそれより少し低く9万ドル(約1000万円)となっています。研究チームは男性のほうが女性よりも収入に興味がない理由として、「男性のほうが成果や社会的地位を認められることが多いため、女性よりも少ない年収でも満足感が得られるのではないか」としています。

研究結果からは、幸福と年収額には明確に関連があるものの、最大の幸福感を得られる金額については地域や社会による影響もあると考えられます。

by Tax Credits

パデュー大学の研究チーム以前にも、幸福とお金の関係についての研究は行われています。2010年にアンガス・ディートン氏とダニエル・カーネマン氏が発表した研究結果では、アメリカの家庭における「幸福が頭打ちになる年収額」は約7万5000ドル(約830万円)とされました。今回の研究は、データの対象がアメリカ国内のみならず全世界から収集されていること、また世帯内の人数などの個人的なデータも解析していることなどから、ディートン氏とカーネマン氏の研究をさらに改善したものといえます。

一方で、インディアナ大学のダン・サックス助教授は今回の研究について、「画期的な研究だが、これだけで幸福と年収の関わりについて判断できるほど決定的とはいえない」としています。その理由は、収入の申告が完全に自己申告制であること、そして幸福感という尺度が非常に個人的なものであるということです。「本当に15万ドル(約1700万円)の年収を得ている人が10万ドル(約1100万円)の年収を得ている人よりも幸福でないと、正直言って私には納得できかねます。なぜなら、年収が高い人ほど自分の幸せを過小評価する傾向にあるからです。また、私は今日の時点で幸福度を尋ねられたら『私の幸福度は8です』と答えるでしょうが、明日もう一度同じ質問をされたときに『幸福度は7です』と答えないと断言できません」とサックス氏は述べています。

by 401(K) 2012

研究チームは、頭打ちの結果、高収入な人が低収入な人よりも満足感を得づらくなる理由を「高収入な人ほど拘束時間が長かったりストレスフルだったりする仕事に従事しているため、趣味や余暇の過ごし方で得られる幸福が少ないのではないか」と分析しています。

「幸福はお金で買える」と断言することまではできませんが、少なくとも一定の関係性があることが今回の研究結果から示唆されています。

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in メモ, Posted by log1h_ik