ソフトウェア

フライトシミュレーターメーカーが海賊版対策として「マルウェア」をインストーラーに同梱

by sergey Svechnikov

PC向けソフトウェアのメーカーは海賊版への対策にいろいろと頭を悩ませています。フライトシミュレーターを作っているFlight Sim Labsでもこの問題を何とかすべく頭を捻り、その結果、海賊版として流通しているシリアルナンバーが入力された際に情報を記録するための実行ファイルをインストーラーに同梱することにしました。ユーザーの間で、これがマルウェアではないかと話題になった結果、この実行ファイルを抜いたバージョンのインストーラーが新たに配布されています。

Flight Sim Company Embeds Malware to Steal Pirates' Passwords - TorrentFreak
https://torrentfreak.com/flight-sim-company-embeds-malware-to-steal-pirates-passwords-180219/


インストーラーに「Test.exe」というファイルが加わっていることに気付いたのはRedditユーザーのcrankyrecursion氏。独自に調べた結果、Chromeで消してしまったウェブサイトのパスワードを復活させるツールとして使われているファイルであることがわかり、なぜこんなものがインストーラーに含まれているのか、意見を募りました。

FSLabs' A320 installer seems to include a Chrome password extraction tool : flightsim
https://www.reddit.com/r/flightsim/comments/7yh4zu/fslabs_a320_installer_seems_to_include_a_chrome/


議論が行われる中、公式サイトのフォーラムにFlight Sim Labsのレフテリス・カラマラス氏が登場します。

A320-X DRM clarification - Flight Sim Labs Forums
https://forums.flightsimlabs.com/index.php?/announcement/10-a320-x-drm-clarification/


カラマラス氏は、「Test.exe」はデジタル著作権管理(DRM)の一環で、入力されたシリアルナンバーがブラックリストに登録されているものと一致した場合に限り海賊版利用者との法廷闘争の中で必要になる情報を記録するものであり、一般購入者に対して害をなそうとしたものではないと説明しました。

しかし、そもそも正規利用者も利用するインストーラーに「マルウェア」に該当するものが同梱されているという事実はユーザーの動揺・反発を招くことになったようで、先ほどのフォーラムの書き込みから2日後、「Test.exe」の入っていないインストーラーが公開されました。


新たな書き込みの中で、カラマラス氏は、Flight Sim Labsとしては製品を購入してくれているユーザーの信頼を破るようなことはなにもするつもりはなく、海賊版との戦いも厳しいものであることを理解してもらっているところであるものの、一部ユーザーに不快感を与えるものであったため、新たなインストーラーを公開したと説明を行いました。

海賊版対策としてはコピーガードも利用されていますが、2017年2月に最強のコピーガード技術「Denuvo」が5日で破られ「バイオハザード7」の海賊版が登場するなど、コピーガードの進化に合わせてガード破りも進化するといういたちごっこが続いており、Flight Sim Labsが今回、この手段を採ったのも、窮してのことだったと考えられます。

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in ソフトウェア, Posted by logc_nt

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