葉物野菜を多く取る人ほど加齢による記憶力低下が緩やかになっている実態が判明


健康な体を保つためには、バランスのよい健康的な食生活を送る必要があることは既に多くの人に理解されています。これと同じように、健康な記憶力が保たれることと食生活の間にも一定の相関関係があり、ほうれん草やケールといった葉物野菜を多く食べている人は加齢による記憶力低下の割合がより低いという実態が、研究の結果によって明らかになっています。

Nutrients and bioactives in green leafy vegetables and cognitive decline: Prospective study. - PubMed - NCBI
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29263222

Diet Rich In Greens Linked To Less Age-Related Memory Loss : Shots - Health News : NPR
https://www.npr.org/sections/health-shots/2018/02/05/582715067/eating-leafy-greens-daily-may-help-keep-minds-sharp

この研究を行ったのは、イリノイ州シカゴにあるラッシュ医科大学の教授で理学博士のMartha Clare Morris氏らによる研究チーム。Morris氏は、加齢と記憶力の実態を調査するプロジェクト「Memory and Aging Project」に参加する人の中から960人を選び、記憶力と生活習慣に関するデータを用いることで、食べものと記憶力の関係性を調査しました。選ばれた被験者の平均年齢は81歳で、一年に一度、記憶力に関する詳細な検査と、食生活や生活習慣に関する記録が残されています。また、いずれも認知症を発症している人はいないとのこと。

葉物野菜と記憶力の変化の関係を調べるために、研究チームは960人のデータを「野菜を食べている量」に応じて5つのグループに分類しました。最も多く野菜を採っている最上位グループに属する人は、平均して1日当たり1.3人分に相当する野菜を採っていた一方で、最も下位のグループに属する人は、野菜をごくわずかにとるか、または全く採っていない人たちとなっています。


5年間分のデータを検証した結果、研究チームは葉物野菜摂取量と記憶力の変化との間に明確な関連性があることを見いだしています。Morris氏はその結果について、「最上位のグループに属する人が示した記憶力低下のスピードは、最も低いグループに属する人に対しておよそ半分程度でした」と述べています。

研究に参加した女性の一人であるCandace Bishopさんは、「私は毎日、大きめのサラダを食べることを日課にしていました。毎日、濃い色の葉物野菜が入ったミックスサラダの袋を買っていました」と語っています。そんなBishopさんは自分の記憶力について、「私の頭はまだしっかりしてると思うわよ」と、楽しげに答えたそうです。

ただ、葉物野菜が自分の頭脳明晰度に与えた因果関係については「よくわからない」と考えているそうで、「原因の多くは、私の遺伝子にあるんじゃないかしら。ま、運が良かったのかも知れないわね」とも語っているとも。Bishopさんは野菜多めの食生活の他にも、高齢者を対象にしたエクササイズ教室に参加したり、地域の委員会活動にも参加しているといいます。

この結果からは判明したことは、「記憶力の変化と、葉物野菜の摂取量の間には、一定の関係がある」ということのみであり、決して「葉物野菜を多く食べる事で記憶力の減退を遅めさせることができる」ということではありません。加齢による変化は食生活だけでなく、さまざまな要因が複合的に絡み合うことで、目に見える変化として現れてきます。Morris氏はそのことを踏まえた上で、生活習慣や教育、全般的な健康状態などの要因を加味しても、「葉物野菜と認知力の低下の関連は、すべての要素を上回る強さがあります」と述べています。


ここで大きな役割を果たしているのは、ビタミンEやビタミンK、ルテイン、ベータカロチン、葉酸などの要素であると考えられているとのこと。Morris氏はこれについて「それぞれの要素がそれぞれの役目と生物学的メカニズムで脳を守る役割を果たしています」と述べ、それぞれがどのような仕組みで脳に作用しているのかをさらに研究する必要性を示しています。

一方で、これらの栄養素の摂取が「少なすぎる」ことで起こる悪影響については、いくつかが判明しているとのこと。例えば、葉酸の摂取量が不十分な人は血中ホモシステイン値が低くなり、動脈硬化を引き起こして心臓発作で命を落とすリスクが高まることが知られています。逆に、ビタミンEを食事から十分に摂取している人は細胞のダメージを防止でき、認知力テストで良い結果を出す傾向があることが判明しているとのこと。Morris氏は、「多くの葉物野菜を食べることで、多くの種類の栄養素をとることができます。そしてそれらが総合されて健康に良い影響を与えます」と述べています。

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