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地表からも肉眼で見ることができる巨大なミラーボール「Humanity Star」が打ち上げられて地球を周回中


ロケット開発企業Rocket Labがニュージーランドから打ち上げたロケットに搭載されていた、直径1メートルほどの巨大なミラーボールが地球を周回する軌道に投入されたことが発表されました。このミラーボール「Humanity Star」は地球を90分で一周するスピードで飛んでおり、夜には太陽の光を反射してまぶしく光ることで地表から肉眼で観察することもできるそうです。

The Humanity Star
http://www.thehumanitystar.com/

Rocket Lab Electron put their own "Humanity Star" into orbit — Quartz
https://qz.com/1187991/rocket-lab-electron-private-rocketeers-put-their-own-humanity-star-into-orbit/

Rocket Labが打ち上げたのが、65枚の鏡でできた直径1メートルほどのミラーボール「Humanity Star」です。素材はカーボンファイバーでできており、表面の鏡で太陽光を反射することで宇宙空間で明るく輝くことができるように作られています。


Rocket Labはニュージーランド出身のピーター・ベック氏がアメリカ・ロサンゼルスに設立した企業。2018年1月21日には同社で初となるエレクトロン・ロケットの打ち上げをニュージーランドで実施し、成功させています。このロケットには複数の人工衛星が搭載されていたのですが、実はその中にコッソリと搭載されていたのがHumanity Starで、他の人工衛星とともに国際宇宙ステーションなどと同じ地球低軌道へと投入されました。

Liftoff from Rocket Lab Launch Complex 1. Space is open for business. #StillTesting pic.twitter.com/BwXqrxa6Y6

— Rocket Lab (@RocketLab)


Humanity Starを製作したRocket Labのベック氏は「私にとって、人々が宇宙の中で自分の住んでいる場所を理解していないことが不満でした。私たちは大きな岩の上に住んでいる一つの種なのです。Humanity Starは、身の回りだけの小さい視点ではなく『一つの種としてともに暮らしている』ということを思い出してもらうためのものです」と語っています。


Rocket Labのウェブサイトでは、Humanity Starが飛行する軌跡予想図とリアルタイムの位置を見ることが可能。地球の昼夜や太陽との位置関係で常に視認できるわけではありませんが、地図では実際にHumanity Starを見られる可能性がある地点が実線で示されています。


予想によると、Humanity Starが日本上空に飛来して、しかも光っている様子を見ることができるのは、東京近辺だと記事を作成している2018年1月26日の41日後、つまり3月8日ごろということになる模様。この日の夜に空が晴れていれば見られるチャンスがありそうですが、Humanity Starは夜空をわずか1分30秒ほどで飛び去ってしまうので、当日はマップを念入りに監視しつつ飛来を待ち構える必要がありそうです。


Humanity Starは事前の通知なしに打ち上げられた人工衛星、つまりはコッソリと打ち上げられたものなので、管轄する当局の許可は全く受けられていない状態である模様。また、Humanity Starは地球を90分で周回していますが、今後は次第に速度と高度を下げていく見こみとなっており、軌道投入の約9か月後には大気圏に再突入して燃え尽きてしまう予定になっているそうです。

ちなみに、Rocket Labは2017年5月にロケットの打ち上げ試験を成功させていました。3Dプリンターで出力した部品も投入されたというロケットの様子は以下の記事で見ることができます。

エンジンを3Dプリンターで出力した小型・軽量ロケットの打ち上げ試験に民間ロケット会社「Rocket Lab」が成功 - GIGAZINE

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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