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Wikipediaで自分の記事を削除された人が実体験をもとに語る「削除されないようにするための有効な方法」

By Giulia Forsythe

オンライン百科事典のWikipediaは、誰でも内容を追加・編集・監視を行えることから「オープンソース」なコンテンツであるといわれています。しかし実際には、一部の勢力のようなものによって特定のコンテンツが削除されてしまうこともあるとのこと。実際に自身についてのページが削除されてしまったAmy Osmond Cookさんは、自らの経験とその後の取材をもとに「荒らし」によってページが影響を受けている状況を明らかにし、「自分のページを削除されないためには」という6つのポイントを挙げています。

What I Learned When a Wikipedia Troll Deleted My Page
https://www.entrepreneur.com/article/283848

「私のWikipediaのページは、荒らし(トロール)によって破壊されてしまいました」との書き出しでブログをつづっているCookさんは、マーケティング会社Osmond Marketingを設立した人物です。かつて、Wikipediaに記事があった時期もあるのですが、記事が書かれて数カ月後、Wikipediaの編集者によって「ページを削除すべき」との判断を受けました。

その後、ページでは活発な議論が数週間にわたって交わされ、「彼女のGoogle検索結果は7ページもある!」といった意見から「私の削除要請をもっと評価してくれ!」という意見などさまざまな声が寄せられた後に、Cookさんのページは削除されることになったとのこと。英語版Wikipediaには、そんな様子を伺わせるページの痕跡が残されており、「彼女には特筆性はない。しかし彼女の父親にはある。彼女が出版した本を所蔵する図書館は50館ほどで、大したものではない。彼女の会社にも特筆性はない」という辛らつな内容などが残されています。

Wikipedia:Articles for deletion/Amy Osmond Cook - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:Articles_for_deletion/Amy_Osmond_Cook


Cookさんは「Wikipediaは、論理に基づいた議論と民主的な考え方で管理されているオンライン百科事典プラットフォームとして運営されていますが、現実は特定の関心事やeコマースの原理がこのサイバー世界を支配しています」と、自身の見解を示します。そんなWikipediaの実態を詳細に把握すべく、CookさんはWikipediaの実態調査に乗り出しました。調査の中でCookさんはWikipediaの法務担当者やメディアディレクターに話を聞き、そこで得られた答えは「私たちはコンテンツに対してコントロールする方法を持っていない」という答えだったとのこと。

次にCookさんは、実際にWikipediaに書き込みを行っている編集者に取材を行っています。その中で実際のプレーヤーが目の当たりにしていることを知ったCookさんは、「Wikipediaのページを削除されないための方法」として次の6つのポイントを説明しています。少し「大丈夫?」と思ってしまうものもありますが、そのまま並べるとこんな感じ。

◆1.Wikipediaが得意な編集者を雇うこと
Wikipediaのガイドラインでは、「特筆性はページの構造によって影響を受けることはない」とされていますが、これは真実とは異なるとCookさんは指摘。Wikipediaの編集者は、ソースが十分でないことや正確に構築されてないことでページを削除すると述べています。

しかし、ネット上にはWikipediaのページをうまく構成できるライターが存在します。TIME誌に寄稿しているBrad Tuttle氏は「このようなライターにお金を払って書いてもらう価値があるのは、彼らがクライアントの要望にそった形でギリギリのラインをかすめながら内容を書くことができるからです」と記事の中で述べています

Cookさんは「もし自分のページやビジネスのためのページを作るのならば、専門の編集者を雇ってください。プロの編集者はWikipediaのページの作り方に精通しているので、活用しない手はありません。もし自分で同じことをやろうとしたら、きっと即座に目を付けられて利益相反行為とみなされるでしょう」とアドバイス(?)しています。

◆2.編集者を雇ったら決して誰にもそのことを教えてはいけない
優秀な編集者は、クラウドソーシングサービスのUpworkなどで見つかります。仕事を依頼する準備が整ったら、自分の名前が出ないダミーアカウントで求人を出すこと。これは重要で、Wikipediaで荒らしを行っている人物はいつもUpworkで仕事を探しており、別の人物に仕事を取られた場合にはそのページを見つけ出し、削除するために働きかけることがあるから、とのこと。

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◆3.良い内容を書くこと
特にWikipediaにおいては、誰も広告とわかる内容を読みたくありません。また、仮にそのようなページがあるとすれば、削除の対象になります。そのため、「特筆性があることを強調しつつ、ページの内容を情報にあふれ、偏りがなく、教育性もある、という百科事典としてふさわしい内容にすべき」とのこと。「Wikipediaのエントリーの書き方」という記事を執筆したSarah Hartshorn氏はその中で「記事を書くときは、本文中に別のページへのリンクを入れること。こうすることであなたのページを具体化することができ、別のWikipediaのマテリアルとのつながりも生まれます」と記しています。

◆4.ページを書いてもらうために誰かに金を払ったことを公表してはいけない
Wikipediaでは、金銭を受け取ってページを執筆した編集者はその事実を開示することを求めています。Cookさんによると「Wikipediaの荒らしは、この方針に沿っていない編集者を見つけ出して告発している」とのこと。Cookさんがある編集者に話を聞いたところ、「ガイドラインで金銭を受け取ったことを開示しなければならないと決められていることは把握していますが、もしそうすると、他の編集者が割り込んできてページを削除しようとするんです。それが実際の姿です」と話したそうです。

By 401(K) 2012

◆5.多重アカウントを持って書き込む「ソックパペット」になってはいけない
もし自分のページが「活発な議論が行われています」という状態になって削除が検討されるようになった場合は、他の誰かに協力してもらって事態の改善を図りたくなることもあるでしょう。Wikipediaが方針を定めているように、ページ削除の議論は投票や多数決で決められるのではなく、論理的な議論によって行われるべきです。しかし実際の姿はまったく別ものなので、協力者が必要になるとCookさんは述べています。

自身のページが議論の対象になったとき、Cookさんは数人の同僚に助けを求めました。同僚たちはWikipediaの編集者となり、ページを存続させるべきという意見を理論的に書き込んだそうですが、そのような対応を取ったのは数名の同僚だけであとの人物は単に「削除」と投票する人ばかりだったとのこと。同僚たちは自らが関係者であることを明かした上で書き込みを行っていましたが、「荒らしはそこに噛みついてきて『複数アカウントを作成したなりすましによるソックパペットだ』と攻撃してきた」そうです。

また、他の人物も多重アカウントを作成することでソックパペット、つまり自作自演を行って議論を有利に進めようとしたとのこと。しかしこれは、編集者のIPアドレスを監視しているWikipediaによって禁止されており、明るみになった場合は永久追放の措置を受けることもあるので要注意、と述べています。

◆6.もしページが削除されたら、しばらくは黙ってじっとしているべき
先述のHartshorn氏は、「Wikipediaのページを作ったにも関わらずそれが削除されてしまった時に、同じページに修正を加えて再掲載されることを狙っていると、その行為によりWikipediaからアカウントを停止されてブラックリストにのせられるリスクがあります」と述べています。Hartshorn氏は、同じミスを繰り返すのではなく、他のページを見ることでガイドラインをより良く理解することが重要、と対策をアドバイスしています。

・Cookさんによるまとめ
これらを総合してCookさんは「現実社会と同じようにWikipediaには良い人がたくさんおり、楽しみのために誰かのページを削除するよりも良いことを行っています。なにより、きちんとして自分が『荒らし』にはならないことを心がけましょう。もしWikipediaのページが削除されたとしたら、それは不当なことである可能性があります。でもそれが現実です。Wikipediaの貢献者であるSal Partoviさんは『記事は、決して一人の人物によってコントロールされるのではありません。そこにはあなたも含まれます』と述べています」と締めくくっています。

Cookさんが挙げた方法にはちょっと心配になる部分もありますが、実際にこのようなことが少なくともアメリカのWikipediaでは起こっている、ということは良くわかる一件です。

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