広告ブロック機能を搭載してChromeより高速化したオープンソースのウェブブラウザ「Brave」を使ってみた
「Brave」はオープンソースのウェブブラウザで、ページ内に存在する広告を自動ブロックすることで、ページの表示負荷を軽減し、高速化も可能になったとのこと。実際の使い勝手はどんな感じなのか、ダウンロードして試してみました。
Join Brave and change the web together | Brave. Changing the world, one browser at a time.
https://brave.com/
◆特徴
「Brave」はデフォルトで広告ブロック機能を有していて、余計なダウンロードをなくすことで、より高速にウェブページの表示ができるとのこと。アメリカの大手ニュースサイトを表示する場合、スマートフォンアプリのChromeやSafariと比較して2~8倍高速で、PC版の「Brave」でもChromeと比較して、2倍速くなったようです。
スマートフォンでウェブブラウジングするとき、広告表示にかかるアメリカでのデータ通信量が月平均23ドル(約2500円)かかっているとのこと。
当然、既存のウェブブラウザでも広告ブロック機能を有する拡張機能(アドオン)を利用することができます。しかし、アドオンという立場上、ブラウザ開発元によるテストは行われず、ウェブページを表示するときに、ブラウザの内部処理とアドオンの処理が競合して、遅くなる問題があるとのこと。また、広告ブロックのアドオンであっても、アドオン開発元のスポンサー企業の広告はブロックされませんが、「Brave」であれば、広告を選定せずデフォルトで機械的にカットしていて、無駄なダウンロードを抑えられるようにしているそうです。
◆使ってみる
「Brave」はPCとスマートフォンで利用可能です。PC版は、Windows(Windows 7以上)、macOS(10.9以上)、Linux(64bit版)で利用可能です。スマートフォン向けアプリはGoogle Play、App Store、Amazon Appstoreよりダウンロードして使うことができます。今回は、PC版とAndroid版で使ってみます。
・PC版のセットアップ
以下のURLにアクセス後、「Download Brave」をクリックして、インストーラーをダウンロードします。
Join Brave and change the web together | Brave. Changing the world, one browser at a time.
https://brave.com/
ダウンロードしたファイルを右クリックして、「開く」をクリック。
インストールが始まり……
「Brave」が起動します。「Braveをデフォルトブラウザにしますか?」と表示されますが、お試しでの利用のため「Not Now」をクリックします。
このままでは英語表記で使いづらいので、メニューボタンをクリックし、「Settings」をクリック。
「設定画面」が開いたら、下にスクロールして……
「Language」のプルダウンボックスから、「Japanese」をクリックします。
「ブラウザを再起動しますか?」と表示されるので「Yes」をクリック。
「Brave」が終了し、すぐに再起動します。すると、画面が日本語表記になります。
・PC版を使ってみる
ロケーションバーに「gigazine.net」と入力して、Enterキーを押し、GIGAZINEにアクセスしてみると……
広告表示がないGIGAZINEのトップページが表示されます。
ロケーションバーの右端にページの表示にかかった時間と、ライオンのアイコンの右下にブロックした広告の数が表示されます。
ライオンのアイコンをクリックすると、広告ブロック機能がデフォルトで有効になっていることがわかります。
広告のコントロールのラジオボタンをクリックし、「広告とトラッキングを許可」をクリックすると……
広告が表示されます。表示させても良い広告入りウェブページや、広告をブロックしたせいでレイアウトが崩れてしまった場合は、手動で広告ブロック機能をオフにできます。また、広告ブロックを解除しても、全ウェブページに対して解除されるのではなく、指定したページのみに反映されるので安心です。
広告ブロック設定状況を確認するには、「共通の保護設定」をクリックして……
表示される設定画面の下部で設定状況を確認できます。
次に、広告がある状態とない状態で、どの程度速くなるのか編集部の環境で試してみます。まず広告ブロックのない状態で、GIGAZINEのトップページにアクセスすると、2.78秒。
広告ブロックが有効の状態でアクセスすると、0.91秒と約3倍高速化できていることがわかります。広告ブロックの有無だけで、大きな効果が生まれていることが、結果からもわかります。
「Brave」は、アドオンがデフォルトで9個搭載されていて、うちPDFビューアである「PDF Viewer」とBitTorrentを使ったファイルダウンロードを行うための「Torrent Viewer」が有効になっています。事実上、アドオンはこの9個しか存在しておらず、これ以外に欲しいアドオンがある場合には、開発コミュニティーにリクエストを送る必要があります。アドオンをたくさん入れて使う人には、やや使いづらいブラウザかも知れません。
・Android版を使ってみる
以下のURLにアクセス。
Brave Browser: ファーストAdBlocker - Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.brave.browser
「インストール」をタップ。
インストールが完了したら「開く」をタップします。
アプリ版の「Brave」が起動するので、「同意して続行」をタップ。
「Brave」のブラウザ画面が開きます。
GIGAZINEのトップページにアクセスし、ライオンマークをタップすると、PC版と同様に広告ブロックの画面が表示されます。
「シールド」をタップして無効にすると、広告ブロックが解除されます。この操作はPC版と全く同じです。
「Brave」自体はAndroid版Chromeとほぼ同じユーザインタフェースで、メニューの内容も「Chrome」と遜色ありません。普段スマートフォンでChromeを使っていて、広告にイライラしている人であれば「Brave」を使ってみるのもアリかもしれません。
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