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1台のクルマが移動・物流・物販などの用途に変化する多目的自動運転EV「e-Palette Concept」をトヨタが発表


2018年1月9日~12日にネバダ州ラスベガスで開催される「2018 International CES」においてトヨタ自動車が、移動、物流、物販など多目的に活用できるモビリティサービス(MaaS)専用次世代電気自動車(EV)、「e-Palette Concept」を出展することが発表されました。

トヨタ自動車、モビリティサービス専用EV “e-Palette Concept”をCESで発表 | CORPORATE | トヨタグローバルニュースルーム
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/20508200.html

e-Palette Conceptは、低床・箱型デザインによる広大な室内空間を持つ車両で、用途に応じた車内設備を搭載することでさまざまな使い方が可能になります。考えられている用途としては、移動型店舗、移動オフィス、ピザショップ、輸送用車両などさまざまで、この他にもライドシェアリング仕様やホテル仕様など、まさに用途は無限に考えられそう。


e-Palette Conceptで実現を目指す機能やサービスについて、トヨタはプレスリリースの中で次のように述べています。

e-Palette Conceptは、電動化、コネクティッド、自動運転技術を活用したMaaS専用次世代EVです。移動や物流、物販など様々なサービスに対応し、人々の暮らしを支える「新たなモビリティ」を提供したいと考えています。将来は、複数のサービス事業者による1台の車両の相互利用や、複数のサイズバリエーションをもつ車両による効率的かつ一貫した輸送システムといったサービスの最適化を目指しています。また、サービス事業者のニーズに対応した内装を設定することで、例えば移動中にサービスを提供し、より有意義な移動時間へ変化させるなど、e-Palette Conceptが新たなモビリティサービスの創出に貢献することを想定しています。


用途に応じて、車両は全長4メートルからメートル程度の3つのサイズを用意。CES2018には、全長4800mm×全幅2000mm×全高2250mmのコンセプトモデルが展示されるとのこと。


室内の装備をユニット式にすることで、複数の用途に対応することができます。


「eコマース仕様」の場合、車内に商品を展示し、そのまま試着を行うことも可能。


試着して気に入った商品があったら、そのままキャッシュレス決済で購入して持ち帰ることができます。


「FABLAB仕様」だと、車内に加工機などを搭載してものづくりを行うことが可能。


「モバイルホテル仕様」であれば、ゆったりとしたベッドに寝たまま目的地へと移動することが可能になりそう。


その他、「レストラン仕様」や……


「ピザショップ仕様」なども。ピザ窯を搭載した車両を使うことで、あらゆる場所がピザショップになり、焼き上がりたてのピザを宅配してもらうことも可能になりそう。


また、自律運転によってフリーマーケットに出品したい人の家を回って商品を搭載し、そのままフリマ会場でお店をオープンする「フリーマーケット仕様」なども。


そして、広い室内に荷物を満載して輸送する「ロジスティクス仕様」の用途にも対応が可能。


さまざまな仕様に対応することで、1台の車両をいろいろな使い道に活用することが可能。朝の通勤時には人々を乗せて移動する「ライドシェアリング」に使い……


通勤が落ち着いた頃には、病院のシャトルバスとして活用するなどの「使い回し」ができるのが特徴です。。


トヨタでは、より実用性の高い車両仕様の検討や、e-Palette Conceptを活用した新たなモビリティサービスを実現するモビリティサービスプラットフォーム(MSPF)の構築を推進するため、初期パートナーとして有力企業とアライアンスを締結。モビリティサービスパートナーとして、Amazon.com, Inc.、Didi Chuxing、Pizza Hut, LLC、Uber Technologies, Inc.が、そして技術パートナーとしてDidi Chuxing、マツダ株式会社、Uber Technologies, Inc.が参加しているとのこと。アライアンスパートナーには、サービスの企画段階から参画させることで、実験車両による実証事業をともに進めていく予定。

この中でトヨタは、同社が開発してきた「車両制御インターフェース」を自動運転キット開発会社に開示。自動運転キット開発会社は、開発に必要な車両状態や車両制御等を、MSPF上で公開されたAPIから取得することができ、自動運転制御ソフトウェアやカメラ・センサーなど、開発した自動運転キットをルーフトップなどに搭載することが可能となります。また、車両制御インターフェースは、外部からのサイバーセキュリティ対策に加え、自動運転キットからの車両制御指令コマンドの安全性を一定のルールに基づき確認するガーディアン機能を備えています。さらに、MSPF上に整備されたOTA(Over the Air)環境を用い、自動運転キット上のソフトウェアを常に最新の状態に更新することができます。


車両情報は、車両に搭載されたDCM(データコミュニケーションモジュール)から収集し、グローバル通信プラットフォームを介して、TBDC (TOYOTA Big Data Center)に蓄積。その車両情報に基づき、車両をリースや保険等の各種ファイナンス、販売店と連携した高度な車両メンテナンスなどとあわせて提供するとともに、MSPF上で、車両状態や動態管理など、サービス事業者が必要とするAPIを公開し、モビリティサービスに活用することが可能。また、自動運転キット開発会社が、自動運転キットの利用やソフトウェアのメンテナンス更新といった自動運転に関するモビリティサービスをMSPF上で提供することで、サービス事業者は安全なモビリティを利用することができ、自ら自動運転キットを選ぶこともできます。


トヨタはこの車両を含めたシステムを、2020年代前半にはアメリカを始めとした様々な地域でのサービス実証を目指すとともに、2020年には一部機能を搭載した車両で東京オリンピック・パラリンピックのモビリティとして大会の成功に貢献したいと狙いを述べています。


トヨタがe-Palette Conceptが目指している将来のモビリティの姿は、以下のムービーでも見ることができます。

基本機能説明映像 - YouTube

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in ハードウェア,   乗り物,   動画,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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