サイエンス

「甘み・苦み・塩み・酸っぱさ・うまみ」に次ぐ「第6の味」が存在する可能性が判明


人が舌で感じることができる味覚には、古くから「甘味・苦味・塩味・酸味」の4つが数えられ、2000年ごろからは世界的に「うまみ(旨味)」が認知されるようになり、今では5つの味が存在すると考えられています。しかしこれらに次ぐ第6の味覚として、「カルシウム味」という新しい味覚が多くの動物に備わっている可能性が研究によって明らかになっています。

The Sixth Taste? | The UCSB Current
http://www.news.ucsb.edu/2017/018600/sixth-taste

Scientists May Have Discovered A Sixth Taste | IFLScience
http://www.iflscience.com/plants-and-animals/scientists-may-have-discovered-a-sixth-taste/

この研究はカリフォルニア大学サンタバーバラ校などの研究チームによって進められたもので、科学誌「Neuron」に掲載されたもの。ハエの一種に備わっている味覚を遺伝子を操作することで消し去ることで生じる変化を観察することで、新たな味を感じ取る感覚の存在が浮き彫りになっています。

Calcium Taste Avoidance in Drosophila: Neuron
http://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(17)31091-7


カルシウムは生き物にとって重要なミネラルの一つで、ヒトの体では骨や歯を作るために欠かせないものです。しかし、カルシウムの採りすぎは一方で生き物にとって害を与えることとなり、過剰摂取によって健康を害して死に至ってしまうケースもあるとのこと。

そのため、生き物にはちょうどよいカルシウムの量を知るために、カルシウムに反応する味覚が存在すると考えられています。研究チームはハエの一種であるキイロショウジョウバエを使った研究で、その感覚の存在を明らかにしています。キイロショウジョウバエもカルシウムを採り過ぎることで死に至ってしまう生き物です。

研究チームは、キイロショウジョウバエに備わっている味覚受容体に関する「味覚受容体遺伝子」に着目しました。そしてキイロショウジョウバエの遺伝子操作を行うことで、その成長過程でカルシウムに反応する味覚が備わらないようにした個体を作り出しました。次に、遺伝子操作を行った個体と通常の個体を用意し、2つのペトリ皿の上にエサとなる砂糖を入れて両者に与えます。この時、一方のペトリ皿には、砂糖に多量のカルシウムを混ぜたエサが入れられています。

By Melissa Wiese

すると、通常の味覚を持つ個体は明確にカルシウムが混ぜられたエサを避ける行動を見せたのに対し、遺伝子操作によってカルシウムに対する味覚を失った個体は、どちらのエサにも同じように食いついたとのこと。そしてやがて、カルシウムの入った砂糖を多く食べた遺伝子組み換え済キイロショウジョウバエは健康を害し、やがて多くが死んでしまったとのことです。

研究チームを率いたクレイグ・モンデル教授は「キイロショウジョウバエには、カルシウムの不足を感じ取る感覚はない一方で、カルシウムを取り過ぎることを阻止する感覚が存在していることが明らかになりました」と述べています。また、この研究からは「驚いたことに、カルシウムを避けるメカニズムには2つの仕組みがあることがわかりました。一つは、特定の味覚受容体遺伝子の活性化に伴うもので、これは「苦味」を感じて食欲を抑制する仕組みとは異なるもの。そしてもう一方は、砂糖によって活性化する味覚受容体遺伝子の働きをカルシウムが阻害するというものです」ということがわかったことを述べています。

モンデル氏によると、この遺伝子は人間を含む多くの動物に備わっているとのこと。ちなみに「カルシウム味」は、苦味と酸味が少しずつ混じった味に感じられるそうです。

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in サイエンス,   , Posted by logx_tm