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メモ

高齢ユーザーに求人広告を配信しないFacebookの運営が差別的で違法ではないかとの議論


Facebookはユーザーの年齢要素をフィルタリングに利用することで、高齢のユーザーには配信されない求人広告を取り扱っています。この行為が、年齢による差別を禁じる法律に違反しているのではないか、違法行為を助長しているのではないかという議論がアメリカで起こっています。

Dozens of Companies Are Using Facebook to Exclude Older Workers From Job Ads — ProPublica
https://www.propublica.org/article/facebook-ads-age-discrimination-targeting

Facebookは年齢・性別・居住地域などのユーザー属性だけでなく趣味や好みなどのユーザーの個人情報を把握して、商品やサービスにぴったりのターゲットユーザーに向けた広告を出せることを武器に、広告収益を上げています。ターゲット広告の高い精度ゆえに効率的なPR活動ができ、費用対効果に優れているため広告主にとってはありがたいFacebook広告ですが、求人広告を巡って法令違反を助長しているという指摘があります。


The New York TimesとProPublicaによると、携帯電話会社のVerizonが金融アナリストを募集する求人広告を2017年11月にFacebookに出稿しました。この広告は、25歳から36歳のFacebookユーザーのフィードにのみ表示されるよう設定されていました。つまり、Verizonは25歳から36歳を対象に広告を出しており、この範囲を外れる何億人ものユーザーには広告が表示されないようになっていたというわけです。

なお、年齢によってターゲットユーザーを絞った求人広告を出しているのはVerizonだけでなく、Amazon、Goldman Sachs、Targetなどの大手企業も同様の広告をFacebook上で出していたことがThe New York TimesとProPublicaの調査から明らかになっています。

これらの年齢層を限定した広告は、ほとんどの場合で比較的若いユーザーを対象にしているという特徴があります。逆に言えば、高年齢層のユーザーの目には求人広告が入らないようになっていたということです。そのため、1967年に連邦政府が制定した「Age Discrimination in Employment Act(雇用における年齢差別禁止法)」に準拠していないのではないかという疑問の声が、専門家から挙がっています。ワシントン州で活動する弁護士のデブラ・カッツ氏は、「まったくもって違法だ」とFacebookの運用を批判しています。


もっとも、雇用における年齢差別禁止法が差別的な取り扱いを禁止しているのは雇用主であり、Facebookなどの広告媒体は直接的な規制対象ではありません。そこで、法的には違法な差別的な取り扱いを助長する「幇助(ほうじょ)」として、Facebookなどの責任を追及するしかありません。

ProPublicaによると、40歳以上のユーザーを対象から除外した求人広告を提供するのはFacebookだけでなくGoogleやLinkedInも行っているとのこと。ProPublicaからの問い合わせを受けて、Googleは「広告主がユーザーの年齢に基づいて広告表示することを妨げない」と回答し、LinkedInは広告表示のシステムの変更を行ったとのことで、対応は分かれているそうです。

求人サービスのSourceConの調査によると、ビジネスでの利用が前提のサービスであるLinkedInのユーザー数は5億3000万人であるのに対して、Facebookが抱える月間アクティブユーザー数は20億人であり、ターゲットユーザーの多様性は比ぶべくもないとのこと。そのため、求人広告を出す広告主にすれば、LinkedInなどでは得られないユーザーにアプローチできる魅力がFacebook広告にはあるそうです。例えば、病院が看護師を求めている場合、看護師がLinkedInを利用している可能性はほとんどありません。これに対して、看護師の大半を占める女性にはFacebook利用者が多いため、Facebook広告の方がより広告主である病院の求める対象にリーチできるというわけです。


年齢を絞ったターゲット広告が差別的な取り扱いにあたり違法ではないかという議論は、デジタルコンテンツにおける広告戦略において、圧倒的多数のユーザーを抱えるFacebookの影響力の大きさゆえに持ち上がっているという側面がありそうです。Facebookに関しては、いわゆるフェイクニュースやロシア発のプロパガンダが大統領選挙に大きな影響を与えたことが指摘されており、巨人Facebookの責任に対する世間の目は、法的な観点からだけでなく倫理的な観点からも厳しくならざるを得ないようです。

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