AppleがiOSでもmacOSでも動作するユニバーサルアプリの提供を計画中


Appleはアプリケーション配信プラットフォームのApp Storeを作ることで、iPhoneやiPad向けの洗練されたアプリケーションを手軽にユーザーに提供するための「場所」を構築することに成功しました。一方で、Mac向けには「Mac App Store」を提供していますが、App Storeと同じような成功を収めているとは言い難い状況。すべてのユーザーがMac App Store経由でアプリケーションをインストールしているわけではなく、デベロッパー側も配信したアプリケーションの更新を何か月も行わないことがザラにあります。そんな状況のMac App Storeをより活性化させるためか、AppleはiPhone・iPad・Macで提供するアプリケーションをユニバーサルアプリ化することを計画しているとBloombergが報じています。

Apple Plans Combined iPhone, iPad & Mac Apps to Create One User Experience - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-12-20/apple-is-said-to-have-plan-to-combine-iphone-ipad-and-mac-apps

Apple has a plan for universal apps across iOS and macOS, report says | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2017/12/apple-has-a-plan-for-universal-apps-across-ios-and-macos-report-says/

Appleによるアプリケーションのユニバーサルアプリ化は、2018年から始まる見込み。それに伴い、デベロッパーはひとつのアプリケーションをタッチスクリーンだけでなくマウスやトラックパッドでも動作するように設計できるようになると、Bloombergに情報を提供した人物は語っています。

現時点ではデベロッパーはiOS向けアプリケーションとmacOS向けアプリケーションを別々に設計する必要があります。しかし、アプリケーションがユニバーサルアプリ化すれば、ひとつのアプリケーションを作成しただけで2つのプラットフォーム向けに配信できるようになるため、必要な作業工程は格段に減ります。また、一部のmacOS向けアプリケーションは短期間で更新されなくなってしまうという問題も指摘されていました。例えば、iOS向けのTwitterアプリは定期的に更新を繰り返して機能改善やセキュリティ面の修正を行っていますが、macOS向けのTwitterアプリは全く更新されていないことが問題視されていたというわけ。しかし、ユニバーサルアプリとなればiPhone・iPad・Macというあらゆる端末向けに単一のアプリケーションを提供することが可能になるため、デベロッパーは開発コストの削減や収益拡大の機会を得ることができ、ユーザーは常に更新されるアプリが使えるようになります。

by William Iven

アプリケーションのユニバーサルアプリ化について、「iOSが導入されて以来、Appleのソフトウェアプラットフォームにとって最大の変化となるだろう」と語ったのは、Appleデバイス向けに長年アプリケーションを開発してきたデベロッパーのスティーブン・トラウトン・スミスさん。

情報筋によると、Appleはユニバーサルアプリ化をiOSとmacOSのアップデートの一部として計画しているとのこと。ユニバーサルアプリ化計画はコードネーム「Marzipan」という秘密のプロジェクトとして進められており、2018年早々に本格的に動き始め、夏の開発者向け会議であるWWDCの中で発表される見込みです。ただし、情報筋によると計画は依然として流動的であり、実施時期が変わったりプロジェクトが頓挫する可能性も示唆されています。

MicrosoftのWindows 10はスマホ・Xbox One・IoTなどでもWindows 10のアプリケーションがそのまま動くように「One Windows」プラットフォーム構想を打ち出しており、GoogleのAndroidアプリケーションはChrome OS上でも動作可能となっているように、他のOSでもユニバーサルアプリ化の流れは既に起こっています。

by Thomas William

ユニバーサルアプリ化に伴い、macOSとiOSを統合する計画が存在するのかどうかは不明ですが、数年前からAppleはiPhone向けに独自のプロセッサを開発するようになっており、iMac Proにも独自開発の「T2」チップを導入しています。ユニバーサルアプリ化もスタートすれば、iOSとmacOSという2つのOSの垣根はさらになくなることとなりますが、Appleのティム・クックCEOは過去に「iOSとmacOSを統合するとその経験が低下する」と主張しており、ソフトウェア関連の責任者であるクレイグ・フェデリギ氏もiOSとmacOSの統合を「妥協」と切り捨てているので、OS自体が統合される可能性は少ないものとみられます。

なお、Appleはこの件についてのコメントを拒否しています。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii