ハードウェア

最大150万円超となるApple史上最強スペックの「iMac Pro」がついに発売


プロセッサに最大18コアのXeonプロセッサを搭載したり、グラフィックスにRadeon Pro Vega 64を搭載したりすることができるApple史上最強のモンスターデスクトップ「iMac Pro」が、2017年12月14日に発売となりました。価格は税別55万8800円からで、プロセッサ・メモリ・ストレージ・グラフィックスを最もハイスペックなものにすると販売価格は税別146万800円となり、これにMagic Mouse 2とMagic Trackpad 2のセットやVESAマウントアダプタキットなどのオプションと、Final Cut Pro XとLogic Pro Xというプロ向けの映像・音響編集アプリケーションをプリインストールした状態で購入しようとすると、価格は最大税別153万9659円まで跳ね上がります。

iMac Pro - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/imac-pro/

Apple details iMac Pro's T2 chip, which handles secure boot, system management, ISP, more
http://appleinsider.com/articles/17/12/14/apple-details-imac-pros-t2-chip-which-handles-secure-boot-system-management-isp-more

iMac Proは2017年6月に開催されたWWDC 2017で発表されました。発売時期は「2017年12月」とだけされていたのですが、12月に入って突如12月14日の発売がアナウンスされ、とうとう発売となりました。iMac Proの外観がどのようなデザインになっており、モンスターマシンと呼ぶにふさわしいスペックがどんな具合になっているのかは以下の記事をチェックするとわかります。

販売価格55万円からのApple史上最強のデスクトップ「iMac Pro」が登場、最大18コアのXeonプロセッサ&Radeon Vega搭載のモンスターマシン - GIGAZINE


iMac Proのスペックは以下の通り。標準構成で購入した場合の価格は税別55万8800円です。

◆プロセッサ
・3.2GHz 8コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.2GHz):標準構成
・3.0GHz 10コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.5GHz):+税別8万8000円
・2.5GHz 14コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.3GHz):+税別17万6000円
・2.3GHz 18コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.3GHz):+税別26万4000円

iMac ProのプロセッサはすべてTurbo Boost、Hyper-Threading、4チャンネルの高速な2666MHz DDR4 ECCメモリ、大容量のL2およびL3パフォーマンスキャッシュ、AVX-512ベクトル命令を採用しています。標準の8コアXeonプロセッサでもゲーム開発やムービー編集といったマシンパワーを必要とするタスクをこなすのに十分なパワーを発揮しますが、同時に複数のアプリケーションを実行したりより高いパフォーマンスが必要な場合は10コアXeonプロセッサが理想的とのこと。14コアおよび18コアのXeonプロセッサについては、「極めて高度なマルチスレッディングを活用するプロ向けアプリケーションを複数同時に実行できるように設計されています」とのことで、CPUレンダリングや大規模プロジェクトのコンパイル、複数の仮想マシンの実行、CPUバウンドな演算処理を行う場合に適切なプロセッサになります。

◆メモリ
・32GB 2666MHz DDR4 ECCメモリ:標準構成
・64GB 2666MHz DDR4 ECCメモリ:+税別8万8000円
・128GB 2666MHz DDR4 ECCメモリ:+税別26万4000円

◆ストレージ
・1TB SSD:標準構成
・2TB SSD:+税別8万8000円
・4TB SSD:+税別30万8000円

SSDは最大4TBで、3.3GB/sの書き込み速度、2.8GB/sの読み取り速度を実現。

◆グラフィックス
・Radeon Pro Vega 56(8GB HBM2メモリ搭載):標準構成
・Radeon Pro Vega 64(16GB HBM2メモリ搭載):+税別6万6000円

iMac ProのRadeon Pro Vegaは、最大11テラフロップスの単精度と最大22テラフロップスの半精度の演算能力を誇り、400GB/sを超えるメモリ帯域幅を実現する第2世代の高帯域幅メモリのHBM2を採用しています。高帯域幅メモリはiMacのGPUの最大2倍、Mac ProのGPUの最大3倍となります。

iMac Proのモンスターっぷりは公式サイト上で数値で紹介されています。例えば3DCG制作ソフトのAutodesk Maya 2018の場合、プロセッサごとのパフォーマンスの差は以下の通り。4コアのiMacと比べると18コアの最高スペックiMac Proは3.4倍も高速にレンダリング可能となります。


Maxon Cinema 4D


ビルド時間


OsiriX MD


Wolfram Mathematica


Adobe Photoshop CC


Pixelmator Pro


Logic Pro X


Final Cut Pro X


Compressor


なお、iMac Proのプロセッサ・メモリ・ストレージ・グラフィックスを最もハイスペックな構成にすると、販売価格は税別146万800円となります。

iMac Proをカスタマイズ - Apple(日本)


さらに、発売に合わせてApple公式のiMac Proのページが更新され、次世代Mac用カスタムシリコンのT2チップの詳細も明らかになっています。iMac ProはMacBook Proに搭載されているMac用カスタムシリコンであるT1チップの、後継モデルともいえるT2チップを搭載しています。

T2チップはシステム管理コントローラ、画像信号プロセッサ、オーディオコントローラ、SSDコントローラなど、様々なコントローラを再設計して統合したチップで、これにより操作上の自由度が増し、セキュリティ面とシステム性能の向上が実現できるとのこと。また、T2チップにはSecure Enclaveコプロセッサおよびハードウェア暗号化エンジンが組み込まれているので、チップ上で強力な暗号化が可能になります。


さらに、SSDのデータは専用のAESハードウェアを用いて暗号化するので、Xeonプロセッサは完全に他のタスクの処理に専念できるようになっています。つまり、セキュリティのためにSSDの暗号化を行うのは専用ハードウェアなので、暗号化がiMac Proのパフォーマンスに影響を与えることはありません。加えて、セキュアブートにより最下位レベルのソフトウェアが改ざんされることを防ぐことも可能で、起動時にAppleが信頼するOSのソフトウェアのみが読み込まれるようにすることもできます。

また、macOS・iOS向けのアプリケーション開発を行うPanicの共同設立者であるCabel Sasser氏によると、T2チップのセキュリティ機能を用いた新しいツールも導入されているそうです。例えば、オールインワンに特化した新しい「スタートアップセキュリティユーティリティ」は、ユーザーがファームウェアパスワードをオンにしていると、Macがパスワードなしで別のHDDやCD、DVDからは起動できないようにすることが可能です。また、セキュアブートと呼ばれる機能では、フルセキュリティからミディアムセキュリティまで、セキュリティレベルを選択可能とのこと。

⑤ Security. This new chip means storage encryption keys pass from the secure enclave to the hardware encryption engine in-chip — your key never leaves the chip. And, they it allows for hardware verification of OS, kernel, boot loader, firmware, etc. (This can be disabled…) pic.twitter.com/qKJ6bHdtr8

— Cabel Sasser (@cabel)


なお、記事作成時点ではiMac Proの出荷は構成によってまちまちとなっており、標準構成ならば2017年12月25日から2018年1月1日までの間となっていますが、18コアIntel Xeon Wプロセッサを選択すると注文後6~8週間での出荷となります。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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