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ポルノの主戦場が雑誌・DVDからオンラインへと進化することよって環境負荷が上がっている可能性


「ポルノ」の媒体は雑誌からビデオテープ・DVDへと進化してきましたが、近年ではオンラインでのストリーミングムービーサービスが急成長しており、代表的なポルノ媒体として機能し始めています。しかし、ストリーミング・ポルノが盛んになると、環境負荷が従来よりも高まるのではないかという懸念の声が上がっています。

The Environmental Cost of Internet Porn - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/technology/archive/2017/12/the-environmental-cost-of-internet-porn/548210/

オンラインでのストリーミングミュージックの登場で、CDの製作、パッケージの印刷、包装のためのフィルム、梱包箱、輸送のための燃料など物理的にかかるコストが排除され、ミュージックコンテンツの消費において40%以上も二酸化炭素排出量の削減に成功できたという試算(PDFファイル)が出されています。音楽と同じことがムービーストリーミングでも当てはまると考えられますが、インターネットへの環境影響度を分析した専門化によると、メディアのネットへの進出で二酸化炭素輩出量が減少する中での大きな例外が「ポルノ」だとのこと。

ポルノ業界では2000年代に2度、急上昇期を迎えました。最初は2000年代初頭のブロードバンドが普及したタイミング。ダウンロード速度がアップしたことで、ポルノムービーの視聴が快適になり、ポルノコンテンツが急速に消費され始めました。そして、第2のタイミングは、いわゆる「Tube系サイト」の出現期。YouTubeに代表されるムービーストリーミングサイトの登場によって、ムービーコンテンツの消費が爆発的に伸び、ポルノもその恩恵を受けたというわけです。ポルノ制作会社Evil Angelのアダム・グレイソンCEOは、2008年を「ポルノ爆発の年」と呼んでいます。


ポルノ媒体のメインストリームがストリーミングムービーに移行したことは、音楽CDの場合と同様にコンテンツ再生ごとの二酸化炭素排出量を削減する効果があることは間違いのないところです。しかし、雑誌やビデオテープ・DVD時代と違い、ストリーミングムービー時代ではコンテンツの全体的な消費量が増加していると指摘されています。ポルノ業界はストリーミングコンテンツの消費に関する細かな統計データを提供していないため正確な数値は明らかではありませんが、ポルノ業界全体では「視聴率が上がっている」と言われています。唯一、定期的にWebトラフィックレポートを提供する最大手のPornhubによると、2013年にサイトに訪れたユーザー数は147億人だったのに対して、2016年は約230億人がサービスを利用したとのこと。そして、ユーザーのポルノ総視聴時間はPornhubサイトだけで45.9億時間に到達しているそうです。

個々のコンテンツ消費自体が省エネ化されたにもかかわらず、消費量自体が大幅に伸びたせいでトータルでは環境負荷が高まっているのが現状だというわけです。インディアナ大学のネーサン・エンスメンジャー教授は、2015年にNetflixがブログで公表した公式を当てはめてPornhubでユーザーがポルノを視聴することで使ったエネルギーを59億6700万kWhだと試算しており、これは1万1000個の電球を1年間点灯させるのと同じエネルギーだと述べています。なお、Netflixは効率性が高くなるように最適化された優秀なサービスであることから、Pornhubでのエネルギー消費量は、試算以上であることは確実です。


ポルノを研究する社会学者のゲイル・ダインズ博士は、オンラインポルノに関する正確な数字がわからないという前提にたった上で、ポルノの消費量の増大による環境負荷の増大はゆゆしきことだと批判しています。ダインズ博士によると、ポルノ大成長に「3Aの法則」と名付けられた原因が見えてくるとのこと。それは、「Affordability(手ごろな価格)」「Accessibility(アクセス性)」「Anonymity(匿名性)」という3つの原因だとのこと。

それまではプロのポルノ俳優によって作成されていたポルノは、デジタル時代の到来で素人による投稿などの急増で質・量ともに高まり、オンラインでの販売手法も相まって、ポルノコンテンツの価格破壊とも言える低価格化が実現しました。また、かつてのポルノ劇場、VHSやDVDなどの再生機に比べると、スマートフォンで再生できるようになったオンラインポルノコンテンツは、高いアクセス性を持ちました。そして、会員登録すら不要なポルノストリーミングサービスの登場は、ポルノというセンシティブなコンテンツで求められる匿名性を提供することになりました。これらの3つの原因によって、ポルノの消費量は飛躍的に上昇したというわけです。このような状況の中、ポルノコンテンツの消費量増大によって問題となってきた「環境負荷」は、ダインズ博士のようなポルノ反対論者に対してポルノの有害性を示す格好の材料を提供しているようです。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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