レビュー

簡単操作でウェブ上にデータベースを作成して視覚的に操作もできる「Airtable」を使ってみた


大きなチームで作業をするときなど、データベースを使った作業管理が必須になることは多いものです。大きなチームの中には小さなチームが存在することがありますが、小さいチームにとっては、チーム全体で使うデータベースとは別に、もっと簡易的な内容で管理したいものです。しかし、小さなチームのために、グループウェアを導入したり、チーム用にデータベースを使ったシステムを作るのはコストも高く、現実的ではありません。実際はExcelやスプレッドシートでデータベースのようなものを作り、管理することになりますが、メンバーにとっては視覚的に見づらく、結局使いづらいものになってしまうことが多いです。「Airtable」では、簡単操作でデータベースを作ることができ、作ったデータベースを視覚的にわかりやすい形にできるとのことなので、使ってみました。

Airtable
https://airtable.com/

◆登録
「Airtable」にアクセスし、「Enter your email」にメールアドレスを入力し、「Sign up for free」をクリック。


「First name」に名前と「Last name」に名字、「Create a password」にパスワードを入力し、「Sign up for free」をクリックします。


チームのセットアップ画面が表示されるので、「What's the name of your team?」にチーム名を入力し、「Now let's add some teammates!」にデータベースの参照を可能にしたいチームメートが2人いることとして、2人のメールアドレスを入力後、「Create team」をクリックして、登録とチームの設定が完了です。


・招待を受けた場合
なお、招待されると以下のようなメールが送られてくるので、「Accept invitation」をクリックして……


「First name」に名前と「Last name」に名字、「Create a password」にパスワードを入力し、「Sign up for free」をクリックして、登録が完了です。


◆使ってみる
ここでは、ウェブサイトを作成するチームの「タスク割当てと進捗管理を統合したデータベース」を作ってみます。「Airtable」では既に作成済みのデータベースを読み込むことができますが、ここでは新規作成を前提にします。

・データベース作成
まず、「New Base」をクリック。


「Import a spreadsheet」をクリックします。


「Import a spreadsheet」が表示されたら……


あらかじめExcelで作っていた「データベースで管理したい項目」をコピーします。


「Or, paste table data here」に貼り付けて、「Import pasted data」をクリックします。


データベース名の入力画面が表示されるので、ここでは「サイトDB」と入力します。色は何色でも問題ありませんが、オレンジ色をクリックし、入力画面の外側をクリックします。これで、ウェブサイト作成チーム用の管理用データベースができました。


次に、「サイトDB」をクリック。


先ほど作成した、「サイトDB」の画面が表示されます。


初期状態では各項目は1行のテキストが入力できるようになっていますが、期限などはテキストで入力したくありません。そこで、「期限」の右側にある「三角」をクリックして、「Customize field type」をクリック。


「Single line text」をクリックして……


フィールドタイプのプルダウンボックス内にある「Date」をクリックします。


次に「Include a time field」をクリック。


「Time format」をクリックして、プルダウンボックスから「24 hour」をクリック後、「Save」をクリックします。


次に「進捗状況」欄は、入力項目を選択して入力できるようにしてみます。「進捗状況」の右側にある「三角」をクリックして、「Customize field type」をクリック。


「Single line text」をクリック。


「Single select」をクリックして……


入力項目追加のフォームが表示されるので、追加する項目を入力したら、「Add an option」をクリックします。


ここでは、「未着手」「作業中」「チェック中」「完了」の4項目を追加し、「Save」をクリック。


次に「対象サイト」には作成するサイトと詳細情報を記入するために、複数行入力可能な長文の入力エリアとします。「対象サイト」の右側にある「三角」をクリック後、「Customize field type」をクリックします。


フィールドタイプから「Long text」をクリックして、「Save」をクリック。


次に、「担当」欄も担当者名を選択して入力できるようにしたいですが、「進捗状況」のように入力項目の選択欄で指定する方法は、担当者名の追加・削除漏れが起きたりすることがあるので、明確に管理したいものです。そこで、担当者一覧もデータベース化して、担当者名をデータベースから引き込めるようにします。左上の「+」ボタンをクリックし、「Import a spreadsheet」をクリック。


Excelから担当用の項目として、「名前」「メールアドレス」をコピーして……


「Import a spreadsheet」画面の「Or, paste table data here」に貼り付けて、「Import pasted data」をクリック。


タブの名前が「Imported table」「Imported table 2」とわかりにくくなっているので、わかりやすい名前に変更します。まず、「Imported Table 2」の右側の「三角」をクリックして、「Rename table」をクリック。


「氏名」と入力して、入力欄の外側をクリックすると、名前の変更が可能です。


同様に「Imported table」の名前も「タスク」に変更しました。


次に「氏名」タブをクリックし、「メールアドレス」の右側の「三角」をクリックし、「Customize field type」をクリックします。


フィールドタイプをクリック後、「Email」をクリックして、「Save」をクリック。これで、「メールアドレス」欄にはメールアドレス以外の入力ができなくなりました。


次に「名前」と「メールアドレス」を管理するデータベースにデータを入力します。「名前」の左下にある「+」をクリックして……


ここでは「GIGAO」「GIGAKO」「GIGAZO」の3名の情報を入力しました。


「タスク」タブをクリックし、「担当」の右側の「三角」をクリック後、「Customize field type」をクリックして……


フィールドタイプを変更しようとしましたが、「氏名」データベースを参照するためのフィールドタイプがありません。


一番左端のフィールドはデータベースでの「主キー」としての扱いとなり、「Airtable」では異なるデータベースの参照が許可されていないようです。


そこで、「担当」の右側の「三角」をクリック後、「Insert right」をクリックします。


フィールド名を「担当者」と入力し、「Field type」をクリックして、「Link to another record」をクリック。


「氏名」をクリックして、「Save」をクリックします。これで、追加した「担当者」フィールドが「氏名」データベースの中身を参照して入力できるようになります。


「担当」フィールドは主キーとして使えるように、「タスク名」という名前に変更します。「担当」の右側の「三角」をクリックして、「Rename field」をクリック。


「タスク名」と入力して、「Save」をクリックします。フィールド名の変更はこれで完了。


次にデータを入力していきます。タスク名の左下の「+」をクリックして……


タスク名に「Topページ」と入力。


担当者は「+」をクリックして……


担当者一覧から「GIGAO」をクリック。


期限はカレンダーから12月19日をクリックして……


時刻を「11:45」と入力。


この要領で、データベースに5行追加しました。


・データベースの表示方法を変える
ただ表をつくるだけではExcelやスプレッドシートと大きく変わりませんが、「Airtable」では視覚的に見せ方(ビュー)を変えることができます。変更方法は、「Grid view」をクリックすると……


Grid表示以外に、「Form」「Calendar」「Gallery」「Kanban」の表示ができます。


「Form」はデータベースに登録するための入力フォームが表示できます。


「Calendar」はデータベースに登録した内容をカレンダー表示します。


「Gallery」はデータベースに登録した内容をカードにして一覧表示するものです。ここで右下の「+」をクリックすると……


カードを追加する形で、データベースに情報を登録することができます。


「Kanban」はカードをカテゴリ分けして表示します。「作業中」のお問い合わせページを「チェック中」にドラッグすると……


カテゴリを移動することもできます。


・ウェブサイトへの埋め込み

「Airtable」で作成したデータベースをサイトに埋め込みことができます。表示しているビューの右上にある「SHARE」をクリック。


一番下の「Shared view links」をクリックして……


ここでは「Kanban」のビューを埋め込むこととします。「Kanban」のembedマークをクリック。


表示される埋め込みコードをコピーして、他のウェブサイトやチーム共有ページに貼り付けることができます。


ちなみに、他のウェブサイトに埋め込んだ画面は自動更新されないようで、データベースの変更をしても画面が反映されないことがあります。埋め込みを行う時は、一定間隔で自動更新するような対処を個別に行う必要があります。

◆テンプレート
「Airtable」ではデータベース作成が主体となりますが、データベース設計の経験がなかったり、大きなデータベースを今すぐに使いたい人向けに、すぐに使うことができるテンプレートがいくつも用意されています。以下にその一部を紹介します。

・製品カタログ用テンプレート


・会議計画用テンプレート


・デバッグ用テンプレート


◆価格
「Airtable」は無料でも基本機能を全て使うことができます。作成できるデータベースの個数に制限はありませんが、1データベースあたり1200行までの登録制限があり、容量も2GBまで利用可能です。また2週間分のデータベースのスナップショットを保存することができ、万一の事態が起きても、14日前までのデータなら戻せます。月額10ドル(約1140円)の「Plus」プランでは1データベースあたりの登録可能な行数が5000行、5GBの容量まで使用可能で、6か月分のスナップショットが保存可能。月額20ドル(約2270円)の「Pro」プランは登録可能な行数が5万行、容量20GB、1年分のスナップショットを保存でき、作ったデータベースから「Airtable」のロゴを外すこともできます。他には企業向けの「Enterprise」プランも用意されています。


◆アプリで使う
「Airtable」は「macOS」「Windows」「iOS」「Android」のアプリでも利用可能です。ここでは「iOS版」と「Windows アプリ版」で使ってみます。

・Windowsアプリ版
https://airtable.com/downloadsより「Windows」をクリックして、アプリをダウンロード。


ダウンロードしたファイルを右クリックして、「開く」をクリック。


「Airtable」に登録したメールアドレスを「Email」、パスワードを「Password」に入力し、「Sign in」をクリック。なお、Windowsアプリ版では利用できないような機能はなく、ウェブ版と同じ要領で「Airtable」が利用できました。


・iOSアプリ版
iOS端末で以下のURLにアクセス。

Airtableを App Store で
https://itunes.apple.com/JP/app/id914172636


入手をタップ。


インストールをタップして……


「開く」をタップ


「Get Started」をタップします。


Airtableの登録画面が表示されます。ここでは既に登録済みのアカウントを使用するので、「Sign in」をタップ。


「Airtable」に登録したメールアドレスを「Email」、パスワードを「Password」に入力し、「Sign in」をクリックして、ログインが可能です。


ログイン後の操作はデータベースを表示したり……


登録したりと基本機能は利用できますが……


「Calendar」や「Kanban」など異なるビューを表示しようとすると、「対応していない」と表示されます。


また、データベースを作るときに、ウェブ版で使用できていた、スプレッドシートなどからフィールドをコピー&ペーストする機能もなく、ゼロから手動でデータベースを作るか、テンプレートを使う方法のみしか対応していないようでした。今後のアップデートでの対応に期待です。

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in レビュー,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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