空港に届く2万件の騒音苦情の半数以上はたった10人から寄せられている

by Paul Hudson

空港と騒音問題は切り離せないもので、ロンドン・ヒースロー空港では2017年7月~9月の3カ月間で2万642件もの苦情が寄せられています。しかし、データの内訳を見てみると、苦情を申し立てたのは1190人で、特にその中でも苦情件数の多いトップ10の人たちだけで1万3038件、全体の63.2%を占めていることがわかりました。

Nearly two thirds of Heathrow Airport's 20,000 noise complaints came from 10 people during the third quarter of 2017 | City A.M.
http://www.cityam.com/276080/nearly-two-thirds-heathrows-20000-noise-complaints-came-10


Reports | Noise | Heathrow
http://www.heathrow.com/noise/facts,-stats-and-reports/reports

ヒースロー空港では地域の騒音問題への取り組みを行っており、1四半期(3カ月)ごとの騒音レポートを公式サイト上で公開しています。

2017年7月~9月のデータについては記事作成時点では公開されていないのですが、ビジネスニュースサイト「City A.M.」が先行してデータを入手して報じた内容によると、直近の苦情件数は2017年1月~3月期が2万1547件、4月~6月期が2万1045件、7月~9月期が前述の通り2万642件と、減少傾向にあります。

しかし地区別でみると、件数が最も多いヒースロー空港西側に位置するスラウからの苦情は、4月~6月期が4439件だったのに対して、7月~9月期は6315件と増加していました。

一方で、苦情を申し立てている人の数でいえば空港東側に位置するリッチモンド・アポン・テムズやスラウの南にあるウィンザー・メイデンヘッドの方が多いということもわかっています。

スラウのごく一部の人からの苦情が多い傾向は以前から続いていて、2016年11月には地元紙・スラウエクスプレスで「スラウからヒースロー空港へ騒音の苦情が3944件あったが、苦情を申し立てたのはわずか22人であった」ということが取り上げられています。

Heathrow report shows 3,944 noise complaints in Slough – from just 22 people - Slough Express
https://www.sloughexpress.co.uk/news/slough/106533/heathrow-report-shows-3-944-noise-complaints-in-slough-from-just-22-people.html


ニュースになった数字は2016年7月~9月期のもので、以下の図はヒースロー空港が公開している報告書で同じ時期の苦情の申立件数を地図上に示したもの。「LHR」と書かれた中央の楕円が空港の位置で、そのほかの色つきの円は地域ごとの苦情件数の多さを示しています。最も多いのは空港の西に位置するスラウ(黄色)で3944件、その次が東側のリッチモンド・アポン・テムズ(緑)で3198件。ほか、ウィンザー・メイデンヘッド(青)の3001件、ブラックネル・フォレスト(薄青)の2369件、サリー・ヒース(橙)の2294件、グレーター・ロンドンのその他の地区(茶)の2021件と続きます。


ところが、人数別の図にすると、スラウはわずか22名。多いのはリッチモンド・アポン・テムズで408名、そしてグレーター・ロンドンのその他の地区の405名、ウィンザー・メイデンヘッドの283名と続きます。


2016年7月~9月期の全体苦情件数は2万5200件で、苦情申し立て人数は2128名。このうち1万2312件が、苦情申し立て件数の多いトップ10の人間から寄せられたものでした。見方を変えると、苦情全体の48.86%は、苦情を寄せた人間のうち、わずか0.5%からのものであったということになります。

改めて2017年7月~9月期の数字を並べると、苦情件数が2万642件で、申し立て人数は1190名。申し立て件数トップ10の人からの苦情が1万3038件で、全体の63.2%ということで、1年前に苦情を申し立てていた人はそのまま苦情を言い続けていることが推測できます。

ヒースロー空港の広報担当者は「1970年代に比べれば静かになったものの、騒音が地域社会の懸念のもとであることは理解しています。ヒースロー空港は今後も航空会社や業界各社と連携し、騒音の影響を受ける方の数を削減することに努めます」とコメントしています。

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