なぜ黒人男性はドラゴンボールが好きなのか?


鳥山明さんによる「ドラゴンボール」の全世界累計発行部数は2億5000万部にもなり、日本だけでなく海外でも高い人気を誇っています。連載が終了してから20年以上が経過しているにもかかわらず、いまだに新作アニメやゲームが登場しているドラゴンボールですが、特に黒人男性から高い人気を集めているそうで、その理由をゲームメディアのKotakuでライターを務めるギタ・ジャクソンさんが調べています。

Why Black Men Love Dragon Ball Z
https://kotaku.com/why-black-men-love-dragon-ball-z-1820481429

日本では1989年から1996年までテレビで放送されていた「ドラゴンボールZ」は今でも若い黒人男子に人気があり、電車の中で話題になっているのをみかけることがあるとのこと。また、ジャクソンさんと同年代の男性はアニメのことはバカにするにも関わらず、超サイヤ人の話題ならノってくるそうです。また、若者の間で人気のラッパー「チャンス・ザ・ラッパー」が2016年に出したアルバムの「Coloring Book」に収録されている「Blessings」という曲では、ドラゴンボールの人気キャラクターである「クリリン」が出てきます。

「Blessings」は以下から視聴できます。

Chance The Rapper - Blessings (feat. Jamila Woods & Byron Cage) - YouTube


また、歌詞を和訳してみたというブログも。

チャンス・ザ・ラッパーの”Blessings”を和訳してみた。 - TaKotarou’s blog
http://takotarou.hatenadiary.com/entry/2017/02/07/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC%E3%81%AE%E2%80%9DBlessings%E2%80%9D%E3%82%92%E5%92%8C%E8%A8%B3%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F

Dying laughing with Krillin saying something 'bout blonde hair
クリリンは何かを言いながら笑って死ぬ


ドラゴンボールZはアメリカでも「多くのアニメファン小さな頃に見て育った番組」とのこと。そこで、ジャクソンさんはドラゴンボールがなぜ黒人の若者にいまだに絶大な人気を誇っているのかを、ファンのひとりとの会話の中で探ったそうです。

Adobeのエンジニアであるマルコム・ジョーンズさんによると、ドラゴンボールはスカーフェイスブレイドなどと、共通点を持っているとのこと。これらの共通点についてジョーンズさんは、「共通しているのは、主人公がいつも負け犬だったということです。負け犬の立場から這い上がる姿に自分を重ねることが多いと思う」と語っています。

また、黒人ラッパー・RZAの著書「The Tao of Wu」には、ドラゴンボールは「黒人の旅を表しており、物語が進むにつれ、それをよりはっきり感じることができるようになります。孫悟空はスーパーパワーを持っているけど、最初はそれをちゃんと理解していません。頭のケガで記憶が失われているからね。そしてある日、悟空は限界を超えてスーパーサイヤ人として目覚める。黒人がドレッドヘアにするみたいにね」と記してあるそうです。

Black Mageの漫画家であるカークランドさんは、「自分はどこから来たのか、自分の家族はどこから来たのかということが、巡り巡ってドラゴンボールにも当てはまるので、黒人は共感できるのだと思います。アメリカで生まれた黒人のうち、自分たちがどこから来たのかわからない人たちは、自分が何者かを自覚したいと考えているものです」と、ドラゴンボールが黒人の若者に共感される理由を推測しています。また、ゲーム開発者のロカシ・エドワーズさんは、「私が思うに、黒人がドラゴンボールが好きなのは番組が必要以上に過剰だから。度を超えた生活が黒人の若者を引きつけるのだと思う」と述べています。

ドラゴンボールでは物語の中で異星人や人造人間、魔人などと戦い、時には死に、よみがえり、パワーアップして強敵と戦いを繰り広げます。

Original - It's Over 9000(Nine thousand) Scene - YouTube


また、ジャクソンさんが話を聞いた黒人男性のひとりは「ドラゴンボールは他のアメリカのアニメとは大きく違ってみえた。僕はその芸術性に大いに魅了されたし、ずっと日本から来たものとは知らなかったんだ」と語っています。その後、ドラゴンボールからアニメ雑誌などを読むようになり、さまざまなアニメに夢中になっていったそうです。

ドラゴンボールはど派手なアクションシーンで若い黒人男性を引きつけているかもしれませんが、多くの黒人男性が悩む「自分の気持ちをどう処理するか」について学ぶ機会も与えてくれているとのこと。エドワーズさんは若い頃に親戚を失ったそうで、「黒人男性にありがちなことなのかもしれないが、私は自分の気持ちをどのように受け入れるべきかわからなかった」とのことですが、そんな時に思い出したのがドラゴンボールだそうです。

ドラゴンボールでは主人公の悟空でさえ死にますが、そんな時、登場人物たちは仲間の死を嘆き、強くなって戻ってきます。奇妙なことかも知れませんが、エドワーズさんにとってはそんなドラゴンボールのキャラクターたちの反応が役立ったそうで、死んだ親戚が戻ってくるとは思わなかったものの、死は生命の一部であり生きている間の良い思い出が否定されるわけではないと理解できたそうです。その後、父親が死んだ際にもドラゴンボールが悲しみを処理する手助けになったそうで、「こういった類いの感情を処理する方法を理解するのに本当に役立ったし、私がより良い人間になる手助けにもなりました。私の父がどこにいても、彼は私を誇りに思ってくれているでしょう」と述べています。

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in 動画,   アニメ, Posted by logu_ii