レビュー

破壊神となって魔物を育て世界征服を目指すPS VR版「V!勇者のくせになまいきだR」レビュー


勇者のくせになまいきだ。」とは2007年にソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売されたゲームシリーズ。プレイヤーは破壊神となって魔物を管理し、ダンジョンに侵入してくる勇者を倒していき世界征服を目指すという独特のゲーム性から、コアなファンを多く生みました。そんな「勇なま」シリーズから、PSVRでプレイするVR版勇なま「V!勇者のくせになまいきだR」が2017年10月14日に発売されました。シリーズ登場から10年、進化した「勇なま」がどんなものになっているのか、実際にプレイして確かめてみました。

ゲームソフト | V!勇者のくせになまいきだR | プレイステーション
https://www.jp.playstation.com/games/v-yuunama-r-ps4/


◆「V!勇者のくせになまいきだR」はどんなゲーム?
「V!勇者のくせになまいきだR」のゲームの概要は、以下の公式トレーラーから確認できます。

『V!勇者のくせになまいきだR』 E3トレーラー - YouTube


PlayStation®VRのロゴが表示され、トレーラーがスタート。「V!勇者のくせになまいきだR」はPSVR専用タイトルです。


こちらを覗き込むようにする魔王と魔王のムスメ。この部分はゲーム本編の冒頭部分のものと同じです。


画面という隔たりのせいで、プレイヤーが魔王とムスメの世界に入ることができないようです。本編でもこの部分は2Dスクリーンの映像になります。


「そうだ!」と何かを思いついたらしいムスメ。


どうやら、調子の悪い家電のごとくガツンとなぐってなんとかしてみようということみたいです。


「まがりなりにも破壊神さまですしィィィァァァ」と制止する魔王をよそに、ムスメの容赦ない右ストレートがさく裂。


「破壊神さま」と呼ぶ声に目を開けると、プレイヤーはVRの世界に。このようにして次元の壁を越え、「V!勇者のくせになまいきだR」の本編が開始します。


紫色の魔王軍と水色の勇者一行が相対するおしゃれなロゴ。


PS4のコントローラーが「神コン」へと変化します。


神コンを駆使して、魔王・ムスメと共に世界を征服するようです。


「敵はなまいきな勇者たち」。勇者にも多数のバリエーションがあります。


破壊神となったプレイヤーは、基本的には魔王城に攻めてくる勇者に直接手を下すことをしません。神コンから魔物の巣を設置し、魔物たちを食物連鎖の世界の中で繁殖させ……


育み、増やした魔物たちで勇者の拠点、そして城を攻め落とすのです。


神コンでは魔物の巣を設置するほか、勇者の拠点を襲撃させる進軍命令を出したり、唯一の攻撃手段である「魔のいかづち」などの「破壊神スキル」を放つことができるほか……


魔物たちを神コンに吸い込み、別の陣地に移動させることもできます。食料が枯渇しているエリアに餌となる魔物を運んだり、魔王城の近くでたむろしている魔物たちを前線に放り込んだり。


また、魔物を一定数吸い込んでコントローラーをシェイクすると……


魔法陣が生成されます


魔方陣からは、より強力な魔物「デーモン」を呼び出すことができます。動画では「デーモンだ!」と娘が反応しているように、魔法陣の魔物にはムスメが反応してくれるので、いろいろと試してみるのも一興です。


ステージにはさまざまなギミックも。伝説っぽい剣があったり……


砂漠ステージ


(ディレクターが大橋だから)とのことで「みんな大好きビッグブリッジまで!」登場し、難関ステージとして立ちはだかります。


「小さな部屋での大きな世界征服!」とあるように、ゲームを通して魔王城のこの部屋の中から移動しません。魔王城を各ステージに出現させ、箱庭を見下ろして征服を進めていきます。


トレーラーの最後には、勇者が魔王城に攻めてくるシーンがチラっと映っています。この「VRならでは」のゲームオーバーシーンも一見の価値あり。なにより、攻め入ってくる勇者のバリエーションが多すぎて驚愕します。


◆魔王城でおはよう
トレーラーでわくわくしたところで、ここからは実際にゲームをプレイしていきたいと思います。「V!勇者のくせになまいきだR」はダウンロード版もありますが、今回はパッケージを手に入れてきました。PSVR専用ソフトのため、PS4とPSVRも必須。


起動するとまずトレーラーにあったOPムービー。ムスメの右ストレートを経て、プレイヤー(破壊神)は魔王城で目覚めます。ゲームの導入と魔王城の中のようすは、以下のムービーから確認できます。

「V!勇者のくせになまいきだR」魔王城のようす


目覚めた先は魔王城の最上部。適当なボタンを押してスタートです。


「容赦ない右ストレートをくらってどっか消えてしまわれたんで軽く放心してましたよ」と、破壊神の来訪を魔王が歓迎してくれます。


魔王の紳士的な自己紹介。破壊神たるプレイヤーを召喚したとのことです。


周りを見渡すと暖炉や小物、本棚など、かなりしっかりとした作りになっています。万一、魔王城に勇者の進入を許せば、画像中央の扉を破って突撃されてしまいます。


プレイヤーの右側には、魔物のデザインのイスやクローゼットのようなもの、勇者対策を行っているボードなどが配置されていました。


世界征服の野望を熱く語る魔王と、退屈そうなムスメ。


ムスメがどこかに立ち去ったと思いきや……


プレイヤーの真横に移動してきてくれました。このように、ムスメはときおり隣に並んでくれます。


◆世界征服の冴えたやりかた
最初の3ステージはチュートリアルです。丁寧にひとつひとつ説明してくれるので、「そもそも勇なまシリーズをよく知らない」という人でも気楽にプレイが可能です。チュートリアルのダイジェストをムービーにしてみたので、以下を確認するとゲームのやり方がよくわかるはず。

「V!勇者のくせになまいきだR」チュートリアルをサクッと90秒にまとめたダイジェスト


神コンを構えて、いざ世界征服の第一歩。


神コンからのびるカーソルをステージにあわせて、いざ侵攻開始です。


テーブルがステージに切り替わり、「あんこくの塔」が浮上します。


あんこくの塔を攻撃されて、耐久値が0になるとゲームオーバーです。


コントローラーの十字キーを押すと、手元に魔物の巣が表示されます。


紫に染まった自陣に魔物の巣を設置して、領土を広げていくというわけ。


「ニジリゴケ」は「魔しずく」という植物を活性化させて成長・繁殖します。魔しずくの近くに巣を設置してあげましょう。


コケは成長し、胞子をまきちらし……


どかんと繁殖します。あまりにも繁殖させすぎると、えさとなる魔しずくが枯渇してしまうので注意が必要です。


拠点から勇者が登場。


最初の勇者は簡単に倒すことができますが、時間がたつと強力な勇者が登場します。画像右上に表示される「征服期限まであと7日と7時間」というのは制限時間ではありませんが、この時間を過ぎると非常に強力な勇者が多数登場し、いっきに攻め込まれてしまいます。


魔物が十分に育ち、繁殖したら、破壊神スキル「魔の進軍」を使って、勇者の拠点・城を強襲します。「魔の進軍」を使い城を攻め落とす様子は以下のムービーで確認できます。

「魔の進軍」で城を襲撃@V!勇者のくせになまいきだR


破壊神スキル「魔の進軍」を発動し、攻め込む先の城をポイント。


普段は巣とえさの周りからあまり動いてくれない魔物たちが、破壊神の命の下、一斉に進軍します。


視点を変えて、城への侵攻を見守りましょう。コケを食べる「ガジガジムシ」が成長した「ガジフライ」が城を攻撃。


城を攻め落としたらクリア、リザルトが表示されます。魔物をたくさん増やし、強力に成長させると「軍パワー」が増加し、スコアが高くなります。ランクはAの上のSまであるので、何度も挑戦してハイスコアを目指したいところです。


ステージクリアするとムスメが褒めてくれます。


◆破壊神はSランクを希う
チュートリアルで学んだことを駆使して、評価Sランクを獲得するべく侵攻してみました。チャレンジの様子は以下のムービーから確認できます。VRのプレイ動画ということで画面が揺れるので注意。

「V!勇者のくせになまいきだR」でSランク獲得に挑戦


砂漠ステージでの挑戦。チュートリアルで登場した、コケ族・ムシ族は成長と繁殖が遅いので、はじめは魔しずくを栄養源として繁殖する「エレメント」族と、エレメントをえさにする「リリス」族を設置してみました。リリス族は打たれ弱い代わりに遠距離攻撃が可能で、また空を飛んでいるためステージギミックの影響を受けにくい、かわいくて優秀な魔物です。


リリスが繁殖してきたら、増えすぎないうちに吸い込んで……


魔方陣を生成。トレーラーに登場した「デーモン」を召還するには吸い込んだ魔物の「軍パワー」が50必要ですが、今回生成したのは軍パワー70の魔方陣。


設置した魔方陣からは、「ガーゴイ」が登場。耐久は低めですが攻撃力が高く、遠距離攻撃もしてくれる優秀な合成魔獣です。積極的に攻めすぎて、勇者に囲まれ倒れてしまうのが玉にきず。


魔物の巣を設置するための「カリス魔」が足りなくなったら、「魔の進軍」を使用して拠点に攻め込み、拠点の勇者を倒して「カリス魔」を獲得します。


「ガーゴイ」をさらに合成させ、より強力な「ハーピー」を召喚。このように、どんどん合成をして強力な魔物をそろえることがハイスコアへの近道です。


十分に魔物がそろったら、城への進軍を始めましょう。


「カリス魔」が残っていてもボーナススコアがもらえますが、魔物の数が多い方がポイントが高いと考えて、ラストスパートで巣を大量に設置。


城を攻め落とし、無事Sランクを獲得しました。強力な合成魔獣をどんどん召還するのがコツ。難易度があがると強力な魔物も倒されてしまうことが増えるため高ランク獲得は難しいですが、自らの良策を生み出し、挑んでみることが楽しいゲームです。


◆ムスメ(かわいい)
ステージをクリアしマップ画面に戻ると、ムスメがこちらをチラチラと気にしているときがあります。ムスメをじっくり見返してあげると、いくつかの会話イベントが発生。会話イベントをひとつだけムービーに納めてみたので、ぜひムスメの魅力に酔いしれてみてください。

「V!勇者のくせになまいきだR」ムスメ会話イベント


こちらにチラッと目を向けては……


ぷいっと目を背けるムスメ。しっかりと顔を向けて見つめ返すと、会話イベントが始まります。


ムスメが「なかなか調子いいじゃないか」と褒めてくれました。


近くでうきうきと動かれると、なんだか体がぞわぞわします。これはクロスモーダル現象というそうで、VRによる映像と遠近感のある音声だけで、体温や触覚を錯覚してしまう現象のことだとか。


「イベント的にはこんなものかな」と「勇なま」らしいメタ発言も飛び出します。


「V!勇者のくせになまいきだR」はパッケージ版が税抜4900円、ダウンロード版が5292円です。魔物を繁殖させる「待ち」の時間があることや、食物連鎖の中で魔物たちのえさを管理する忙しさなど、「バリバリアクションしたい!」という人にはもどかしい部分もあるかもしれませんが、魔物を使役し育て、侵攻させる快感はかなりのもの。自ら戦略を考え、難しいステージを突破したときには興奮もひとしお。魔王城には時計が存在しないため、熱中しすぎて何時間もプレイしてしまうことに注意が必要なほど、深みにはまれるVRゲームとなっていました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
2017年以降も続々登場予定のPS4/PSVR新作タイトル盛りだくさんの「2017 PlayStation Press Conference in Japan」まとめ - GIGAZINE

満を持して登場した「PlayStationVR(PS VR)」のセットアップ&VRゲームはこんな感じ - GIGAZINE

「PS VR版ガンコン」でリアル過ぎるシューティングを味わえる「Farpoint」体験レビュー - GIGAZINE

PS VRで猛スピードで疾走しながらリズムアクションを極める新感覚の音ゲー×レーシングゲーム「THUMPER」レビュー - GIGAZINE

in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article here.