取材

PCケースの中で初音ミクが歌って踊る、話題の自作PCを実際に見に行ってみました


PCには、家電量販店や専門店で購入できる完成品以外にも、パーツを別々に購入して自分で組み立てるという「自作PC」があります。パーツの組み合わせは無限大であり、PCの自作そのものを趣味とする人もいるほど。そして自作PCの世界には、ただスペックを追い求めるだけではなく、装飾にも工夫を凝らした「MOD PC」というスタイルがあります。その中で、以下のツイートが話題になりました。

これがPCのサイドパネルだなんて。
信じられる?#自作erオフ会 pic.twitter.com/S0kE1lm9sM

— Wキーから指が離れない@大阪赤選手 (@ippupu_ava)


このPCは自作PC愛好家のオフ会で組み立てられたもので、透過液晶の部分を含めて大部分を設計・製作したのはN'sさん。また水冷パイプの配管などは自作PC初心者の手で組み立てた、コラボ作品であるとのこと。

ジャンカーなN'sのアトリエ - Yahoo!ブログ
https://blogs.yahoo.co.jp/ns_noguchi

そんな初音ミクの透過液晶PCが2017年10月29日まで大阪・日本橋にあるPC専門店「PCワンズ」で展示されるということで、実際に見てきました。


PCワンズに到着。


昼間は少し見づらかったので、夕方暗くなってから再訪。店頭のラックに置かれたPCが話題のMOD PCです。保護のためか、分厚いビニールでラックごと覆われています。


PC内がちょっとしたライブ会場のようになっています。通りがかる外国人の観光客も驚きの声をあげながらスマホを取り出し撮影していました。


PCの手前には説明書きのPOP。初音ミクの透過液晶PCは、大阪では10月29日(日)までの展示となっていて、11月1日から12日までは東京のオリオスペック、11月15日から26日まではツクモ名古屋1号店で展示されます。


「単純に透過するだけではなく、正面から見ると3Dホログラムのように立体的に見えるように工夫されている」とのことで、実際に正面から見ると、まるで本当にそこに初音ミクが存在していて、目の前で歌って踊ってくれているように錯覚してしまいます。踊る様子は以下の動画で確認できます。

まるで3Dのような初音ミクがPCケース内で踊る「MOD PC」 - YouTube


床への映り込みや影が、光源の角度を計算した上で描写されるよう設定されているので、PC内の白く照らされた部分に重ねると立体的に見えるというわけ。またケース内もステージに見えるように計算されたデザイン。斜めから見るとあくまでもサイドの24インチ液晶パネルに映ったものであるということがよく分かります。


冷却液が通る水冷パイプには参加者の名前が記されていて、みんなで協力して組み立てたPCであることが伝わります。


PC内部の右側は初音ミクが踊るスペースになっていますが、左側はマザーボードなどのPCパーツ。また透明な冷却液を送るポンプや大量のチューブが設置されています。


初音ミクの足下には、このMOD PCを組み立てたイベント名が刻まれていました。


PCワンズの店内に入ると、ここにもスチームパンク風の装飾が施された自作PCが展示されていました。今回のイベントで組み立てられたPCではありませんが、これも透過液晶を利用しています。


PCケースの上部には小型のプラズマボールが2基。


側面には額縁が備え付けられていて、その中に17インチの透過液晶が仕込まれています。ただ透過液晶を組み込むだけではなく、ちゃんとコンセプトにも落とし込んだデザインになっているのには感心。


こちらの透過液晶では立体のように見える工夫はなされていませんが、PCケース側面の額縁のなかで初音ミクが踊る様子はかなりの迫力。以下の動画で参照できます。

PCワンズのスチームパンク風自作PCの透過液晶で初音ミクが踊る様子 - YouTube


透過液晶なのでPCの内部がのぞき込めるのですが、よく見ると優雅にティータイムを過ごす艦これの金剛の姿が。PCの中にフィギュアなんて入れて大丈夫なのか?と驚いてしまいましたが、空気の通り道を考えなければならない空冷式と違い、パイプ内を流れる冷却液で冷やす水冷式だからこそ可能な装飾。


HDDトレイや水冷ポンプの周りにはレースや花があしらわれて、MOD PCの自由さに改めて驚かされます。


PCワンズの店員によると、透過液晶のパーツはジャンクモニターなどの液晶部分からバックライトを外して流用しているとのこと。これほどのものが自作できるのか!と考えると思わずMOD PCに挑戦したくなりますが、透過液晶の取り扱いや水冷パイプの配管などは単に知識だけを持っているだけでは難しく、やはりある程度の経験と失敗の積み重ねを覚悟する必要があるようです。

さて、今度はツクモなんば店へ。この2台のPCも、先ほどの店頭展示されていた透過液晶PCと同じオフ会イベントで自作されたもの。チームグリーン・チームレッドと二組に分かれて、それぞれのコンセプトでPCを組み立てたとのこと。


チームグリーンによって構成されたPCはIntel/NVIDIAをコンセプトに構成されています。


ケースは緑のマーブル模様がとてもキレイに塗装されています。またPC側面にはでかでかと「NVIDIA GeForce GTX」のロゴマーク。このロゴマークそのものが二重構造になっていて、冷却液のリザーバー(貯水装置)かつ冷却水の水路になっています。まさかロゴマークそのものを水冷パイプにするとは……。


もちろんグラフィックボードは「NVIDIA GeForce GTX 1080」。


LEDテープがロゴマークを明るく照らしています。


「NVIDIA GeForce GTX」のロゴマークの向こう側には、CPUを冷却する水冷ヘッド。「intel」のロゴが光っています。


ロゴマークの下には小型液晶モニターが2つ設置。


こちらはチームレッドの自作PC。AMDとRADEONをコンセプトにしているとのこと。ケースはオレンジ色に塗装されています。


PC前面にはでかでかとAMDのロゴがありました。よく見ると二重になっていてリザーバーとして機能しています。中では黄緑の冷却液がまるで滝のようにどぼどぼと流れ落ちています。


この滝のようなリザーバーの構造は、twitterで大まかなデザイン・設計が公開されています。

今回のAMDチームのリザーバは、こんな感じに大まかなデザインを設計してから、それぞれの部品図に落とし込んでます。現物とちょいちょい違う箇所がありますが、そのあたりはご愛嬌で#自作erオフ会 pic.twitter.com/Y8lNM7OkZc

— KAYA (@kaya1105c)


黄緑の冷却液がPC内に張り巡らされた水冷パイプの中を巡ってRadeon RX Vega 64のリファレンスモデルを冷却する水冷ヘッドに繋がっています。


パイプをたどっていくとCPUの冷却ヘッドにもつながっています。AMDのCPU「Ryzen」のロゴが水冷パイプの奥で光っていました。


そしてPCの片隅ではこっそりとAMDのロゴが照らされていました

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in 取材,   ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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