ゲーム

現実のものか妄想の産物か定かではない都市伝説ゲーム「Polybius」

By Nabeel H

アメリカの都市伝説のひとつに、「1981年に稼働していた」架空のアーケードゲーム「Polybius」があります。Polybiusは実在したアーケードゲームなのか、それとも誰かの妄想から発展した架空のゲームなのかが定かになっていないのですが、多くのゲームファンがその存在を信じています。

Read the urban legend about the government’s secret mind-altering arcade game
https://www.avclub.com/read-the-urban-legend-about-the-government-s-secret-min-1819384385

「Polybius」に関するウワサは、2000年頃にゲーム関連コミュニティのCoinop.org上で投稿されたのが始まりと言われています。この投稿によると、Polybiusは1981年にゲームセンターなどで稼働していたアーケードゲームで、家庭用のコンピューターなどでもプレイできるように、ゲーム用のROMイメージも存在したそうです。また、Polybiusには中毒性があり、プレイすることで不眠症や夜間恐怖症を患ったり、幻覚を見るようになった人もいた模様。しかし、Polybiusは登場からわずか1か月で跡形もなく消え去り、ウワサだけが残ることとなり、結果的に多くの人々の心に残ることになったとのこと。2003年にはゲーム雑誌の「GamePro」がPolybiusに関する特集を行い、本当に存在したのかそれともただの都市伝説なのかについて「結論が出ない」と記述し、Yahoo! Gamesはより明確に「Polybiusが存在したという証拠はない」としています。

アーケードゲームPolybiusの筐体写真。なお、「Polybius」という名前は古代ギリシャの歴史家であるポリュビオスから来ています。

By Wikipedia

Polybiusというゲームが実在したのかどうかは結局のところ不明なわけですが、多くの人々が実在したゲームであると認めたがっているものでもあります。ゲーム開発者のRogue Synapse氏は、2007年に同じ「Polybius」という名前のゲームを開発し、アーケードゲーム機の筐体の中にPCを入れて1981年に存在したというPolybiusを再現しました。実際に存在したゲームかも定かではないPolybiusですが、これまでに何度も異なるプロジェクトの中で現代によみがえっており、もはや想像上のゲームとは言えないレベルになっています。

例えば以下のムービーは、独自のアーケードゲームを組み立てることに主眼を置いたフォーラム・BYOACのメンバーが作り出したPolybius&筐体。

Polybius sighting at Zapcon IV - YouTube


ゲーム開発者のSINNESLOSCHENが作成したPolybiusのプレイムービー。

Polybius Gameplay - YouTube


さらに、PlayStation 4(PS4)およびPS VR向けゲームとしても「Polybius」が登場しています。PS4版Polybiusのプレイムービーは以下の通り。

『Polybius』ゲームプレイ - YouTube


Polybiusはプレイすることで不眠症や夜間恐怖症、幻覚を引き起こすとのことですが、同じ1981年に登場したアタリの「TEMPEST(テンペスト)」というゲームの初期版をプレイした人が発作やうつ病、めまいなどを引き起こしたという記録や、1979年に登場したゲーム「アステロイド」を28時間ぶっ続けでプレイした人物が、胃けいれんを起こして倒れたという記録があります。さらに、「アステロイド」が置いてあったポートランドのゲームセンターで違法賭博が行われていたとしてFBIが踏み込んだという記録もあり、これら3つの一見無関係な出来事が融合してPolybiusの都市伝説ができあがったのでは、とポップカルチャー関連のニュースサイトThe A.V. Clubは指摘しています。

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in 動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

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