宝石商となり美しい宝石を集めて商業帝国を作り上げ栄光と名声を勝ち取る「宝石の煌き」プレイレビュー


商人ギルドの長となって鉱山に投資して自分の船を新世界へ送り出し、さらに優秀な職人を雇って商業帝国を作り上げて富を積み上げていき、莫大な資産を持つ高貴な後援者を得て、栄光と名声を勝ち取るというルネッサンス期の偉大な宝石商たちの物語を極めてシンプルなルールでプレイできるボードゲームが「Splendor 宝石の煌き」です。2014年にSPACE Cowboysというフランスの会社が発表したこの「宝石の煌き」は、トークンを集めて勝利点を稼ぐというシンプルなゲーム構成ながら、高い戦略性を併せ持って世界的に高い評価を得ています。2017年9月には拡張セットの日本語版も発売されたこのボードゲームを手に入れたので、早速GIGAZINE編集部でプレイしてみました。

Splendor/宝石の煌き 日本語版
https://www.hobbyjapan.co.jp/splendor/

こちらが「Splendor 宝石の煌き」の箱。表面のイラストは「宝石の煌き」のアーティストであるパスカル・キドール氏によるもので、宝石細工師が真剣な表情で輝く宝石に細工を施している場面が描かれています。


箱の裏側には、ゲームの世界観と流れが書かれています。このゲームにおいてプレイヤーはルネッサンス期の宝石商となり、ギルドを率いて宝石を買い求めます。その宝石を元手に威信ポイントという名の勝利点を集めていくことになります。英語名の「Splendor」とは「輝き・光輝」を意味し、さらに「華麗・堂々たること」という意味も含んでいます。まさにこのゲームにうってつけの命名。


推奨年齢は10歳以上、プレイ時間は30分、プレイ人数は2~4人となっています。


箱を開けると、中には宝石トークンと発展カード、貴族タイル、そしてルールブックが入っています。


箱から出して並べると箱の大きさの割に中身が少なく、トークンなどが入ったプラスチックケースは結構スカスカだとわかります。箱が大きすぎて持ち運びに不便だと思う人は、もっと小さい箱や袋に入れて持ち運ぶ方が便利になるはず。


こちらがプレイに使用するトークン。赤(ルビー)、白(ダイアモンド)、青(サファイア)、黒(オニキス)、緑(エメラルド)、黄金(金)の6種類があります。赤、白、青、黒、緑の5種類は7枚ずつ、黄金のみ5枚です。


手に持ってみるとずっしりとくる重みがあり、さすが宝石といった高級感。こういう細かい部分がプレイヤーの心をわくわくさせてくれます。プレイヤーはトークンを集め、集めたトークンを支払うことでカードを購入することができます。


カードはレベル1(緑色)、レベル2(黄色)、レベル3(青色)の3種類があり、それぞれ40枚、30枚、20枚。プレイヤーはトークンを支払ってカードを買い集め、新たなカードを購入する助けにしたり威信ポイント(勝利点)を稼いだりして勝ちを目指します。カードは宝石が流通する過程を表していて、レベル1が「採掘」、2が「加工・運搬」、3が「販売」を象徴した絵が描かれています。


貴族タイルは全部で10枚。表面には貴族らしい顔つきの人物が描かれており、左上に勝利点が、左下にコストが書かれているのはカードと同じです。


◆プレイ
今回は4人でプレイします。最初のプレイヤーから時計回りにターンを回していきます。


1番目のプレイヤーは青1枚、黒1枚、赤1枚という組み合わせでトークンを獲得。プレイヤーたちはまずトークンを手に入れて、それを元手にカードを購入することになります。


4番目のプレイヤーは白2枚というチョイス。トークンの取り方には2通り存在し、違う色を合計3枚取るか同じ色を2枚取るかを選択できます。


2ターンが終了した時点では、このような状況に。プレイヤーたちはまだカードを獲得できずに、ひたすらトークンをため続けます。


ここで1番目のプレイヤーがようやくカードを購入。カードの左下に書かれたコスト分のトークンを払い、カードを獲得しました。


場のカードが買われたら即座に山札から補充します。


自分が購入したカードは、別のカードを購入するときに支払うコストの代わりとして数えることができます。例えば画像の状況であれば、プレイヤーは左側の青いカードを購入するとき、本来であれば白トークン1枚、黒トークン2枚のコストが必要になります。ですが、このプレイヤーは先ほど白のボーナス(カード右上に描かれている宝石マークがそのカードのボーナスになります)を持つカードを購入していました。するとこの場合は、ボーナス分の白1枚を減らした黒2枚のトークンでカードを購入することができるというわけ。


また、一度手に入れたカードのボーナスは消えることがなく、後のターンでカードを購入するときにも再び使用可能。このゲームには拡大再生産の側面があるため、プレイヤーは戦略を持ってカードを購入し、自分を有利に導く必要性があります。つまり、トークンの数は全体で40枚、1人が所持できるのは最大10枚と限定されているため、コストの高いカードを狙うにはカードを購入してボーナスを手に入れなければならないというわけ。


やがて、初めて勝利点が書かれているカードを獲得したプレイヤーがあらわれました。他のプレイヤーを一歩リードします。


ここで、1番目のプレイヤーは場のカードを1枚確保して1枚の黄金トークンを取るというアクション。この確保というアクションは、購入とは違ってカードが自分のものになるわけではありません。あくまでも確保して他のプレイヤーが手出しできないようにするのみ。確保するカードは場に表向きになっているカードか、山札の1番上のカードから選ぶことができます。山札の1番上のカードは確保する前に見ることはできず、確保した後に確保したプレイヤーだけが見ることが可能。黄金トークンはトランプで言うジョーカーと同じでオールマイティー、つまり全色の宝石トークン1枚の代わりになります。


このプレイヤーは次のターン、黄金トークンを使用して確保したカードを購入しました。どうやら緑色のトークンが足りなかったため、黄金トークンが欲しかったようです。


やがてゲームも中盤にさしかかります。3番目のプレイヤーはこのターン、赤ボーナスのカードを購入し……


貴族タイルをゲットしました。この貴族タイルは左上に勝利点が書いてあるのはカードと同様ですが、入手方法が違います。左下のマークは貴族タイルの入手条件となっており、画像の貴族タイルでは黒ボーナスが3枚、緑ボーナスが3枚、赤ボーナスが3枚となっています。ここに描かれているボーナス分のカードを持っていれば、ターンの終了時に自動的に貴族タイルを獲得するというわけ。つまり、3番目のプレイヤーはアクションとして赤ボーナスのカードを購入し、その時点で貴族タイルの入手条件を満たしたためターン終了時に貴族タイルをゲットしたということです。このターンだけで7点も勝利点を上積みしたとあって、他のプレイヤーからはため息が聞こえます。


試合終盤、3番目のプレイヤーがカードを確保します。このカードを手に入れればさらなる貴族タイルをゲットすることになるため、3番目のプレイヤーは勝利条件となる15点を上回ります。誰か1人でも15点を上回ったプレイヤーが出た時点で、最初のプレイヤーを起点としたラウンドの残りプレイヤーがアクションを起こしてゲームは終了となります。このため、周囲のプレイヤーの状況を見て誰かが15点を超えそうであれば、ゲームがそろそろ終了しそうだということがわかります。


他のプレイヤーも負けじと点数を最大限伸ばそうとしますが・・・・・・


最終的に18点まで点数を伸ばした3番目のプレイヤーが勝利。貴族タイルを2枚も獲得したことが、勝利の決め手となりました。


プレイの後には、各プレイヤーが商業帝国を作り上げようとした名残だけが机の上に残ります。慣れてきたところでもう1戦。各自が前回の反省を元に、新たな作戦を考えながらプレイします。


今度はお目当てのレベル3カードを次々に確保するプレイヤーが現れたり・・・・・・


同色のトークンを集め、高得点のカードを狙うプレイヤーも出現。


スタート時に選ばれた貴族タイルの獲得条件をもとに、コストの低い札ばかりを狙って徹底的に貴族タイルを獲得しようとするプレイヤーもいました。


終盤になって他のプレイヤーが15点に達しそうと感じたら、たとえ自分にとって必要で無いカードでも先回りして購入することが必要になります。


トップを走るプレイヤーは「上がりを阻止されている」と敏感に感じとり、あらかじめカードを確保しておくという手段にでます。しかも今回は手持ちのコストが足りないにもかかわらず、同時に獲得できる黄金トークンを使うことでカードを購入できるという頭脳プレイ。


他のプレイヤーたちも追い上げますが、一歩届かず。カードでの獲得点数は7点にとどまっていますが、貴族タイルでの獲得点数が9点という結果になりました。貴族タイル狙いの戦略がうまくはまったようです。


このゲームの肝心なところは、相手の持っている宝石トークンやカードがすべて開示されている点。相手の手持ちトークンと手札を見れば、「次はあのカードを取りに来るのでは?」「あの貴族の訪問を受けたがっているのでは?」という思惑が透けて見えます。これにより、妨害目的で相手が欲しそうなカードを先回りして確保したり、相手と戦術がかぶっていると感じたら自分の戦術を変更したり、相手が残りどれくらいで15点に達するのか計算するといったプレイが可能になり、思考の幅がぐっと広がります。


ゲームが終わった後に「こういう戦略が実は有効なのでは?」「あのプレイヤーの戦略がよかったから、次はまねしてみよう」とあれこれ考えが膨らむのもまた一興。最もプレイ回数の多い編集部員が「これは貴族獲得に目が行きがちだけれど、レベル2、レベル3の高得点カードを同色でそろえていくのが15点への最短ルート」と述べたため、さらに議論は紛糾しました。聞くところによると、レベル2の同色のみで購入可能なカードがポイントになるとのこと。


実際に「宝石の煌き」をプレイしてみると、単純なルールでゲームボード初心者でも問題なくプレイできると感じました。さらに初心者に優しくありつつも互いの思惑を読み合って自分の利益を追求するという、ボードゲームに慣れた人でも楽しめる高度な戦略性があるゲームとなっています。今回は通常版のみのレビューとなりましたが、編集部では「宝石の煌き:都市」という拡張版も入手しているので、こちらの拡張版レビューも後日掲載する予定です。

なお、記事執筆時点では税込み4245円となっており、以下のAmazonページからも購入可能です。

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in レビュー,  ゲーム, Posted by log1h_ik