「AIこそがGoogleの未来」、Googleのサンダー・ピチャイCEOがインタビューで「AIファースト」へ舵を切る理由を語る


Googleを率いるサンダー・ピチャイCEOが、The Vergeのインタビューで「AIこそがGoogleの未来だ」と、AI技術を重要視していることを明らかにしています。検索サービスやAndroidから「AIファースト」へと変貌を遂げるGoogleの方向性についてピチャイCEOは語っています。

Sundar Pichai says the future of Google is AI. But can he fix the algorithm? - The Verge
https://www.theverge.com/2017/10/4/16405174/ceo-sundar-pichai-interview-google-ai-artificial-intelligence-interface

2015年にAlphabet設立にともなって子会社となったGoogleのCEOに就任したサンダー・ピチャイ氏は、今やGoogleの目標は「AIファースト」であり、「AIこそGoogleの未来」というように方針が変わってきていることを明らかにしています。

AIが最重要技術であるとはいえ、AIの活用に関しては問題が山積した状態です。例えば、フェイクニュースの問題は、検索サービスやニュース記事サービスを提供するGoogleにとって解決すべき喫緊の課題で、AIを活用することで誤った情報を排除して質の高いものだけを選別する試みが行われています。

「フェイクニュース問題をどう解決するのか?」という質問についても投げかけられたThe Vergeによるインタビューは、偶然にもラスベガスで銃の乱射事件が起こる直前に行われました。残念なことに、この乱射事件においても意図的に間違った情報を拡散させるフェイクニュースを遮断することにGoogleは失敗したことが明らかになっています。

しかし、ピチャイCEOはインタビューにおいて「時間が経つにつれて、これらの問題をよりうまく解決できるようになると考えています。端的に言って、私たちには大きな責任があると感じています」と答えています。


AIに対する並々ならない執念のようなものをインタビュアーはピチャイCEOに対して感じたとのこと。一般的な企業のトップは、AIについて関心を寄せているとしても、それは「流行語」としてとらえたものです。しかし、ピチャイCEOは、AIをGoogleのあらゆる製品に統合するのはもちろん、それ以上に製品自体がAIに触発されているもの、言い換えればAIなしには成立し得ないような製品作りを心がけているようだとThe Vergeはとらえています。

2017年10月4日にGoogleからさまざまな新製品が発表されましたが、AIが何を撮るべきかを判断して自発的に撮影するカメラ「Google Clips」は、まさにそんなピチャイCEOの考えを体現した製品と言えます。

AIが家族やペットのシャッターチャンスを判断して自動で写真を撮るカメラ「Google Clips」 - GIGAZINE


Google Clipsに関して技術的に取り上げるべき点は、撮影データがローカル(端末内)に置かれるということ。つまり、クラウドにデータを送信しないという点です。Googleも含めた多くのAIサービスが、クラウドでのデータ処理を前提としているのに対して、Google ClipsなどのGoogle製品の多くがローカルでAI処理をやり始めています。「クラウドとローカルそれぞれのAI処理を組み合わせるハイブリッドアプローチに決定的な意味があります。Googleは両方のアプローチに投資しています。コンテキスト(状況・脈絡のこと)に応じて、取り扱うデータの種類に応じて、両方のアプローチを使い分けることに意味があるのです」とピチャイCEOは述べています。

ソフトウェアを作りサービスを提供する企業だったGoogleは、スマートフォンやノートPC、AIスピーカーなどのハードウェア製品を作って売る企業に変化しました。そのGoogleにとってAIは不可欠の存在だとのこと。「ハードウェアとAIを一緒に考えることができなければコンピューティングの未来を広げていくのは本当に難しい」とピチャイCEOは述べており、AIは一つの機能というよりは、根本的に各端末の機能を変える存在に位置づけられています。

すでにGoogleマップの駐車場検索機能などにAIの技術が活用されていますが、オンラインサービスだけでなく日常的に利用している端末にAI技術を落とし込みたいとGoogleは考えています。そして、その日常的に利用する端末の代表は「スマートフォン」であり、ユーザーインターフェースはAIが変えるだろうとピチャイCEOは考えています。「(スマートフォンの操作に不可欠な)マルチタッチは大きな進歩でした。しかし、Googleは会話というより感覚的な方法で、デバイスと相互作用するようになると考えています。声や視覚を利用することは私たちにとって重要なものです」とピチャイCEOは答えています。


また、AIが変えるインターフェースの例として「プライバシー」の問題があるとピチャイCEOは述べています。検索サービスを提供し、あらゆるデータをクラウドにためこみ、ユーザーの音声データも収集するGoogleに対して、「一体どれだけユーザーのことを知っているのか?」という疑念は大きく、プライバシー設定が不明だというユーザーの声は根強くあります。このプライバシー問題をもAIは解決できるとピチャイCEOは考えています。「AIがコンテキストをよりよく理解できるようになることは、ユーザーにとってセンシティブな問題が何かを理解できるということです。友達とレストランを探すための情報と健康に関わる情報とは、まったく異なる取り扱いをするはずです」と述べています。

Googleが手がけるハードウェア製品は、確実に増えておりハードウェア分野への展開に意欲的なのは間違いないところですが、検索サービスなどのオンラインビジネスに比べるとまだまだ規模が小さいもので、Googleの財務に大きな影響を与えるようになるのがいつになるのかは見通せません。しかし、ハードウェアとAIを統合して新たなサービスを生み出そうとする企業はGoogleなどごく一部の巨大な企業に限られることから、GoogleがAIをどう発展させていくのかは今後もますます注目を集め続けていきそうです。

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