サイコロを自由にカスタマイズ、運さえも味方につけて戦略に取り込むボードゲーム「ダイスフォージ」開封の儀&実際に遊んでみたレビュー


乱数を発生させる装置として古来より使われてきたサイコロは、すごろくを初めとして多くのボードゲームに用いられます。そのサイコロ自体をカスタマイズ、運さえも戦略に取り込んでしまおうという大胆な発想のボードゲーム「ダイスフォージ」がフランスのゲーム会社であるリベルから発表され、話題となりました。日本語版も2017年5月31日に登場、編集部にも届いたのでいざ開封、遊んでみました。

Dice Forge : les dés sont entre vos mains ! | Libellud
http://www.libellud.com/actualites/dice-forge-les-des-sont-entre-vos-mains

ダイスフォージ | ホビージャパン アナログゲームインデックス
http://hobbyjapan.co.jp/gamelist/diceforge/

パッケージはこんな感じ。「DICE」はサイコロ、「FORGE」は鍛冶・鍛造を意味します。隣に置いたiPhone 6と比べても分かるとおり、かなり大きいです。


海外のボードゲームはゲームデザイナーの名前が添えてあることも多く、このゲームは「十二季節の魔法使い(Seasons)」などで知られるレジス・ボネッセ氏によるデザイン。


裏には内容物をずらりと並べた様子とゲームの設定、大まかな流れが描かれています。パッケージの裏を見るだけでどういった感じのゲームかが大体把握できるというわけ。


暇を持てあました神々が英雄たちにダイス(サイコロ)を与えて闘わせる遊び、という世界観になっています。プレイヤーは英雄として、神々から受け取った2個のダイスをアップグレードしながらトーナメントを戦い抜かねばなりません。


やはり面を付け替えてダイスそのものをカスタマイズするという発想は新しく、自分好みにダイスを組み立てていく様子はまさに「サイコロの鍛造」というタイトル通りです。


この箱もゲームボードの一部として利用します。付け替えるダイスフェイスはなんと108個!


推奨年齢は10歳以上、人数は2人~4人。1プレイは45分ということなので遊ぶときはまとまった時間が必要です。


◆開封の儀
さっそく箱を開けると……。


「よくぞまいった!」と神々からの歓迎が目に飛び込むというのはワクワクする演出。


その下には説明書。説明書にはゲームの収納方法が書かれています。図解を見て、この箱にこれだけの内容物がぎっしり詰め込まれているのか!とびっくり。コマやサイコロ、カードなど内容物の多いゲームは管理にとにかく気を遣うので、収納もしっかり考えられているというのはうれしい限り。


まずは厚紙でできたタイルやプレイヤーボード。その下には幅広のゴムバンドで止められた神殿ボードがあります。


封筒のようなスリーブケースに入っており、ゴムを外して中から取り出します。


ケースにはボードと同じ絵が描かれているのですが、青い部分が全て埋めて描かれています。つまりこのケースを見ればボードのどこに何を置けばいいか一目瞭然というわけ。


ボードの青い部分は少しくぼんでいて、置いたものがしっかりはまる仕組み。


神殿ボードの下にもさらにボードがあり、これは島々ボード。独特な形は内箱の形状にしっかり噛み合うようになっています。


折り畳まれたボードは広げて使用します。


その奥には細かい内容物としてコマやキューブ、そしてダイスとダイスフェイスがありました。


そしてゲーム中に用いるカード。


カードには「太陽」「月」と2種類の属性が決まっており、それによって分けて収納できるように、内箱に属性のマークが刻まれています。


また、カードは島々ボードにつなげるようにして並べるのですが、正しく配置するときちんと絵柄もつながります。並べてピタッと絵柄がつながるのはとても気持ちがいいもの。


ダイスには独特のくぼみがあり、このくぼみにダイスフェイスを組み合わせるとカスタマイズができるという仕様です。


ダイスフェイスをはめるとしっかりはまりますが、逆に外す時は指だと固すぎるので、小さな棒をテコの要領で使わないと外せません。今回はフルーツピックの持ち手を利用しました。


つまようじで外そうとすると折れてしまいましたが……


「毛利元就の教えにならえ」と編集部員が3本で挑戦してみると問題なくダイスフェイスを外せました。


袋を全て開封し、細かい内容物を納めたところ。機能的で、箱はこのまま「神殿」としてゲームの一部として利用できるというわけ。説明書とにらめっこしながら準備するまで30~40分ほどを要したので、入手して初めて遊ぶ時はあらかじめ開封しておくのがベター。


プレイ用に準備した様子がこちら。かなり場所をとるので、遊ぶときは十分な広さのスペースを確保する必要があります。


プレイヤーボードはゴールドや資源、勝利点がカウントできるようになっています。小さなキューブを穴にはめて数えていくシステム。またダイス2個の置き場も用意されており、出目や変更したフェイスを上に向けて手元に置くようになっています。


箱と島々ボードは連結してゲームに用いますが、箱の側面に描かれた神殿の風景と島々ボードの絵はきちんとつながっていました。横から見ると奥行きがしっかり生まれる点には一緒に遊んだ編集部員一同も感心。


◆プレイ
まずは神々から英雄たちに祝福が与えられます。プレイヤー手番の最初に全員がダイスを2つずつ振り、ゴールドや資源を得ます。


次に手番プレイヤーはゴールドを消費してダイスをカスタマイズするか……


もしくは資源を消費してカードを引くかのどちらか2種類から行動を選べます。


ゲームは以上を繰り返し。時計回りに手番を回していき、最終的に勝利点を一番多く積み上げた人が勝ちというシンプルなもの。


ダイスを転がして得たゴールドを消費して、プレイ中にどんどんダイスをカスタマイズしていきます。ダイスフェイスにはゴールドを稼げるものや資源を稼ぐもの、また勝利点を直接入手できるものなど色んな種類が用意されています。


たとえばこの青勇者は一方のダイスに勝利点の目を多く配置。さらに出目を3倍にするダイスフェイスをもう片方に入れることで爆発力に期待したカスタムです。


こちらも勝利点重視で組み込んでいますが、一方のダイスにゴールド6の目を組み込むことで、ゴールド稼ぎも狙おうという欲張りスタイル。しかし彼は運命の神に見放されていたのか、「6の目出ろ!出ろ!」との祈りむなしく1回しか出ませんでした。


黒勇者は他人のダイスの目をコピーできるというトリッキーな目を組み込んだダイスをカスタマイズ。相手の運を利用して自分を有利にしていくもの。


太陽の欠片・月の欠片と呼ばれる資源を消費することでカードを入手、その効果を発動できます。例えば以下の鹿が描かれたカードは追加でもう1回ダイスをひとつ振れる「銀月の雌鹿」。枚数は限られているので奪い合いになります。


ゲーム中では、引いたカードは裏を向けて手元に並べます。裏向けで重ねても絵柄がちゃんとつながるようになっているという芸の細かさ。またほとんどのカードの表面には勝利点が設定されているのですが、裏を向けることで現在誰が優勢なのかをはっきりと分からないようにしているという利点もあります。


「ミノタウロス」は数少ない妨害効果を持つカードです。序盤では誰も入手しようとしませんでしたが……


最終手番で緑勇者が効果を発動、見事逆転勝利を飾るという熱い展開も。


カードには、シンプルな効果をもつ入門者用カードと、もう少し複雑な効果を持つカードがあります。ゲームに慣れてきたら入門者用カードの一部を取り替えるのもアリ。入門者用か否かはカードの裏にあるマークを見れば判断可能。


また真ん中のカードのように、効果はないものの大きな勝利点に直接つながるカードもあります。このカードをどれだけ引いているかが勝利を左右する場面もありました。


◆感想
プレイした編集部員からは「ダイスを組み立てるのが最高に楽しい」「いろんな戦略がとれて幅広いから奥が深くて何度遊んでも新鮮」「いろんなやり方を試してプレイしたい」とかなりの高評価。ダイスを振るという運の要素を戦略に組み込みつつも、ダイスのカスタマイズは自分で選べるという点でバランスのとれたゲームです。大まかな流れもシンプルで、複雑な計算式も必要ありません。


3人~4人プレイはパーティゲームとしてかなり盛り上がった一方で、2人プレイでは黙々と自分のやり方を追求する展開となりました。3人や4人では自分の行動が他人に大きく影響を与える場面も多かったのですが、2人だとそれが少なくなります。どういった戦略・行動をとるのが最適解かを徹底的に研究したい人は2人プレイもアリ。


ただし、全体的に説明書の文章が少々わかりにくく、読解に時間がかかってしまう場面が多々ありました。初プレイの場合は説明書やカード効果一覧表をコピーして全員に配布し、分からないことがあったらその都度他プレイヤーと確認しながら行動するなどの配慮が必要です。


分かりにくかった点のひとつであるダイスの初期状態はこちら。ダイスには白と灰色の2種類があり、色の違いは少し判断しづらいですが、色自体はゲームの進行に影響はありません。


次に、全員でダイスを振る「神々の祝福」は各プレイヤーの手番前に行うということ。例えば4人プレイであれば1巡につき4回も祝福を受ける機会があるというわけ。編集部でのプレイでは最初、1巡につき1回の祝福と勘違いしていたため、「思ったよりサイコロを振らない……」と首をかしげながらプレイしてたことも。


また各カード効果はカードに図示されてはいるものの、細かい条件やルールがあるので当然カード効果一覧表を隅から隅まで読み込む必要があります。


「ダイスフォージ」を実際に遊んでみて分かったのは、説明書に分かりづらい部分があったり準備に少し手間取ってしまうため、ボードゲームに慣れていない人だとゲームを楽しめる段階に進むまでかなり時間がかかってしまうということ。しかし、ダイスのカスタマイズという新体験はボードゲームの初心者も上級者も同じように盛り上がることができる、なにより魅力的なシステムです。導入までの時間はかかっても、それ以上の価値が十分にあると感じさせられるゲームでした。

なお「ダイスフォージ」の定価は税込6048円、以下のAmazon.co.jpからも入手可能です。

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in レビュー,  ゲーム, Posted by log1i_yk