スタートアップは大きくなるまでに3段階のステップを踏む

by Steven Zwerink

1年に4000万ドル(約43億4000万円)を稼ぎながらも、親友をクビにせざるを得ない状況に陥ったというスタートアップのCEOから助けを請われた起業家スティーブ・ブランク氏が、スタートアップが大企業になるまでの3ステップがどういうものかを明らかにしています。

Why Successful Startups Stumble at 40+ Employees – ThinkGrowth.org
https://thinkgrowth.org/why-successful-startups-stumble-at-40-employees-66312ac70fba

ブランク氏によると、連絡をしてきたのはこれまで8年間音沙汰がなかったという元教え子で、今はあるスタートアップのCEOの職にあるパトリック氏。パトリック氏は2人の共同創業者とともに会社を経営していて、会社には従業員が70人おり、今年度の売上は4000万ドル(約43億4000万円)に上る見込み。次の3四半期で従業員数を倍に増やす予定もあるのですが、一方で、親友をクビにせざるを得なかったという状況も経てきました。

パトリック氏がブランク氏に伝えたのは、できたてのスタートアップが参考にする資料や、大企業の役に立つ資料はたくさんあるのに対して、成長途上のスタートアップの役に立つものは少なく、まるで道路地図を持たずに運転しているかのような気分だということ。

教え子からの助けを求める声に、ブランク氏は、スタートアップは3段階に分けられると説いています。

第1段階は「探索」。このフェイズでの目標は、反復可能で、かつ規模拡大時に対応可能(スケーラブル)なビジネスモデルを探すこと。「自分たちが何を作るのか」と「誰がそれを買うのか」という組み合わせを見つけるために、試行錯誤を繰り返す時期です。そのためには、ごく初期には必要だった創業者の「英雄的努力」がなくてもビジネスが成立する必要があります。会社の大きさでいうと、だいたい社員数は40人までで、資金はシードラウンドやシリーズAで調達します。ただ、この段階で消えていくスタートアップがほとんどです。

第2段階は「構築」。社員数が40人を超えてくると、会社は次のフェイズを目指すことになります。ユーザー数(顧客数)も増えて、キャッシュフローが改善され、マネタイズも回り始めます。ただし、人を多く雇いすぎると、少人数の時はうまくいっていた「do what it takes(必要なことをする)」文化に混乱が生じて、有効性を失ってしまいます。そのため、このフェイズになってくると会社は企業文化のことや育成・製品管理・各種手順(新人マニュアル・販売計画・経費報告書・ブランディングガイドラインなど)を考える必要が出てきます。「構築」フェイズはだいたい社員数が最低でも175人、多いと700人ぐらいになるまで続きます。資金調達はシリーズCやシリーズDになっています。

そして第3段階が「成長」。ここまでくると会社は反復可能なプロセスでどんどん成長していき、IPO(新規上場)や、大企業による買収・吸収など、「換金性」が出てきています。

ブランク氏に助けを求めたパトリック氏の場合は、会社は第1段階と第2段階の間にありました。少なくとも「探索」フェイズの助けとなる情報は大量にあって、パトリック氏も「スタートアップ・マニュアル」と「ビジネスモデル・ジェネレーション」が助けになったとのこと。

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しかし、難しいのは「構築」フェイズから。ブランク氏が与えたアドバイスは、以下の4つでした。

・数はわずかではあるが役立つ資料があるので目を通すこと。たとえば「The Four Steps to the Epiphany」の第6章「Company Building」、ベン・ホロヴィッツの「ハード・シングス(Hard Things)」、ジェフリー・ムーアの「キャズム(Crossing the Chasm)」など。

・アドバイザリーボード(諮問委員会。社外などの外部の有識者によって構成され経営上の助言をする委員会や集まり。会社として正式なものでも、私的な知り合いによる非公式なものでも、どちらでもよい)があるなら、このフェイズを通してCEOを加えること。アドバイザリーボードがないなら、このフェイズで始めること。

・1対1のCEOコーチ(メンターのようなもの、助言してくれる人)をつけるか、CEOピアグループ(似た立場のCEO同士で助言し合うグループ)に加わること。

・アドバイザリーボードのメンバーのうち、その専門知識が「探索」フェイズでなければ活かせないメンバーを入れ替えて、アドバイザリーボードの「更新」を考えること。

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