電撃ショックで相手を制圧するテーザー銃の致死率は思っていたより高かった

By Christopher Paul

アメリカでは、警察などの法執行機関が容疑者を取り押さえる際に用いるために、強い電流で相手に電気ショックを与えるテーザー銃が広く導入されています。拳銃などのように弾丸を発射せず、電気ショックだけで相手の動きを封じる仕組みのために、テーザー銃は基本的に人命に影響を及ぼさないと言われてきましたが、実際には予想以上に相手を死に至らしめているケースが起こっていることが調査によって明らかになっています。

Tasers Are A Deadly Factor In Far More Police Encounters Than Previously Thought, Study Finds
https://www.fastcompany.com/40457106/taser-weapons-police-encounters-largest-study-to-date

この調査はロイターが実施したもので、これまでにテーザー銃の使用後に相手が死亡した例が1000件以上確認されたとのこと。主に2000年台初頭に多く見られたこのような実例ですが、そのなかでもテーザー銃の使用が直接の原因となっている例が153例あり、これはメーカーが主張している24件を大きく上回るものとなっています。

実際にテーザー銃を使用している警察関係者および、テーザー銃を販売しているAxon Enterprise社は、テーザー銃を正しく使用することで人命を救うことができると主張しており、同社の広報担当役員であるスティーブ・タトル氏は「法執行機関が用いることができる、最も安全な執行方法」であると語っています。しかしこれらの主張には、それらを裏付ける正式なデータが存在していないとのこと。

Axonによると、テーザー銃は全米の警察機関の90%で使用されており、1年で300万回使用されているとのこと。同社ではテーザー銃による死亡例を24件と公表しており、うち18件は発射された電極などの激突によるもので、残る6件は電流によって生じた火花に起因する炎によるものであるとしています。またAxonは、電流による心停止などでの死亡例は一件も起こっていないとしています。

By David

しかしロイターは、取材をもとに以下のような事実を公表しています。

・死亡した者のうち10人に9人は非武装の状態であり、4人に1人は精神疾患または神経障害を負っている
・致命的な結果に及んだケースのうち、100件以上は健康で非常事態が生じた際の911番(日本の110番に相当)の電話がきっかけである
・400件以上の死亡例については、事故の詳細についての書類が裁判所に提出されており、さらにその4分の1のケースでは警察が使用したのはテーザー銃のみである
・誤って死亡した442件の事件うち193件では、市当局およびその保険会社が合計で1億7200万ドル(約188億円)を支払っているが、この情報は機密扱いであるため、実際の法的和解金の金額はまず間違いなくそれを上回っていると思われる。

Axonは警察に対し、相手が極度の興奮状態にある時や、奇矯な振る舞いを行っている最中のテーザー銃の使用を警告しています。また近年は、相手が明らかに精神疾患を持っていることがわかる際や、それが疑われる際にもテーザー銃の使用を警告しているとのこと。しかし、実際にどのような場合に使用すべきかの推奨例は示されていないとのことです。また、Axonは明確に精神疾患を持つ相手に対する使用を禁じてはいないとのことです。

By James Provost

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