持ち歩きに便利な台湾の「キャリーミー(CarryME)」という折りたたみ自転車


台湾メーカーの自転車なので、日本より台湾で手に入れる方がお得でした。完成車のGiant、Merida、部品メーカーのTEKTRO、MAXXIS、KMC Chainといった企業もあるように台湾といったら自転車産業の「聖地」。一風変わった折りたたみ自転車の「キャリーミー(CarryME)」も台湾メーカーの自転車だったりします。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。旅は終わってしまったのですが、自転車には未だに興味があります。2人乗りのタンデムだったり、座り乗りのリカンベントだったり、ありとあらゆる自転車で遊ぶのがこれからの夢。だからこそ、キャリーミーも手に入れてしまいました。

◆キャリーミー
自転車好きの方がブログに書いていたりしますが、台湾メーカーの自転車は台湾で安く手に入ります。そんなことを知っていたので、私も2016年7月の台湾訪問の際にキャリーミーという8インチの折りたたみ自転車を購入して帰国しました。一番お手軽な「CARRYME SD」という自転車で、現地友人の紹介もあって6万円台での購入。ダンボールに梱包して、空港では受託手荷物で預けて持って帰りました。

太平洋自行車(繁体中文)
http://www.pacific-cycles.com/TW/CarryMe

おもちゃのようにも見える小さな自転車ですが、私のような大の大人が乗っても何の問題はありません。角材のような独特の一本フレーム。一般的な折りたたみ自転車とは違ってキャリーミーのフレームは折りたたむことができません。


フレームからはハンドルがあるフロントフォーク、サドルのあるシートチューブという2本の軸が伸びています。2本の軸はそれぞれ白のステーによって支えられています。


正面からの図。


背後からの図。


こちらがチェーンリングやチェーンといった駆動系のパーツ。クランクアームは5本でした。


チェーンはコマの間隔が小さな珍しいタイプ。


リアはカセットスプロケットじゃなくてシングルギアになっています。


ボトムブラケットは通常の自転車とは違ってフレーム中央にあります。見れば見るほど不思議になってくるその位置。


フレームで自己主張をする「CarryMe」ステッカー。


ハブ、スポーク、リムが一体となった前輪のホイール。


ホイールの径が短すぎるので、空気を入れるためのバブルも曲がっています。


前輪はキャリパーブレーキになっていました。ロードバイクに実装されているタイプですね。


後輪のホイール。


後輪はドラムブレーキになっていました。ママチャリにも実装されていたりしますが、扱い方がイマイチ掴めません。メンテナンスできるか心配だったりします。


可愛くなるくらいに短いスタンドですが、しっかりと自転車を支えてくれます。


ハンドルはママチャリのような形で曲がっています。折りたたみの小径車ということもあってハンドル幅は狭め。グリップを握ると肩が少し窮屈です。追記:「公式にはハンドルは一直線にセッティングすることになっている」というタレコミをいただきました。チャリダーマンが購入した自転車屋さんのブレーキセッティングでは、このハンドルが自然体だったため疑いもしませんでした。そのため、この写真はあくまで「公式の情報を知らなかったチャリダーマンはこのように使っていた」という参考にとどめてください


ブレーキレバーは台湾のテクトロ製でした。


グリップのエンドキャップには反射板が付いています。


純正のサドルは乗り心地重視の柔らか仕様でした。お尻にも優しいです。


ちなみに、私のキャリーミーの重量は実測で約8.2kgでした。

◆折りたたみ方
このキャリーミーですが折りたたみ、展開がびっくりするほど簡単です。コツを掴めば3分もかかりません。人によってはもっと早くできるでしょう。折りたたみに必要なのは「フロントフォーク」「シートチューブ」「シートポスト」「ペダル」「ハンドル」の4つ。

まずは「フロントフォーク」。フロントホイールの上に黒いつまみがあり……


ここを緩めるとフロントフォークとフレームが分離します。フレームが起き上がっていって、フォークと平行に近い感じで並びます。


ボトムブラケットの下に金具があり、ここにフォークのボトルをはめることによって、折りたたんだ状態でフレームとフォークが固定されます。


続いて「シートチューブ」。サドルの下の金具はシートチューブを支える白いステーを固定しています。


ここを外すとシートチューブをフレーム側に倒すことができます。


3つ目、「シートポスト」。サドルを載せたシートポストはシートクランプのレバーで固定されています。ここは普通の自転車と一緒。折りたたみの際はシートポストをめいっぱい引っ込めます。


4つ目は「ペダル」。何の変哲もないプラスティック製のペダルと思いきや……


押すことで、折りたたむことができます。指を挟まないように気をつけましょう。


5つ目の「ハンドル」は中央のレバーで調整します。緩めるとステムがフォークの中に引っ込み、2つに折りたためます。


これで完成。

全て折りたたんだキャリーミーは、このような状態となります。ゴルフバッグのような形状。メインのフレームを軸に長方形の形で上手くパーツが収まっています。忘れていたのですが、ブラブラしているアウターケーブルも一つにまとめた方が安全です。


世界一周ではドッペルギャンガーの折りたたみ自転車を改造して、島国を中心とした未訪問国を周ったりもしました。このときの自転車は折りたたんだ後は両手にかかえて運んでいました。何度放り投げたいと思ったことでしょう。でも、このキャリーミーなら折りたたんだ後もスムーズに移動することができます。

スーツケースのように、フレームの後ろにキャスターが付いています。


折りたたんだ状態だと、このキャスターが地面に接するので移動も苦になりません。おばあちゃんが引っ張っている買い物カートのようなイメージです 。


このキャリミーの折りたたみ方、写真と言葉だけじゃ説明も難しいのでユーチューブでみつけた動画のリンクも載せておきます。

折りたたみ方:Carry Me 編 - YouTube


◆走ってみた
このキャリーミーという自転車を手に入れたのには、ちょっとした海外旅行にも使ってみたいという理由もありました。想定しているのはグアムやハワイ、パラオといった小さな島。世界一周でも太平洋やカリブ海の島国を訪れていますが、やはり自転車があると行動範囲が広がります。自転車の旅って、思わぬところで思わぬ発見があるのが魅力。いつになるか分かりませんが、キャリーミー片手に海外に遊びに行きたいものです。

そんな日の予行演習も兼ねて、今年6月になりますが福岡市の離島・能古島(のこのしま)をキャリーミーで走ってみました。

純正品はそこそこのお値段でしたので、一般車にも使えるタイオガ(TIOGA)のコクーンという輪行袋を入手。


余裕でキャリーミーを収納できました。余った布地はベルトで巻いて固定。


運ぶときはこんな感じ。後ろに見えるのが能古島です。


ちなみに能古島のフェリーは自転車料金を払えば、そのまま自転車を載せる事ができます。ただ、今回は折りたたみ、公共交通機関、組み立て、自転車に乗るという一連の流れを体感したかったので、輪行袋を使いました。

そして到着した能古島。博多湾の真ん中にポツンと浮かぶ有人島です。キャリーミーを組み立てて、島内を軽く一周してみました。


飛び出せ!のこのしマン。島のお野菜なめんなよ!


道脇にバナナが生えていました。海外ではよくある光景です。そのまま、素通りしようとしたら、あら待てここは国内。そう考えると少し変わった光景でした。


バナナって、木じゃなくて実は草(単子葉類)ですし、受粉しなくても果実は育つようですし、花はエイリアンのようにグロテスクですし、いろいろとパワフルな植物です。熱帯で生き抜く力強さがあります。


能古島の名産物はバナナじゃなくて甘夏。島の至るところで、オレンジ色の甘夏畑を目にすることができました。


急斜面での農作業に役立つトロッコ。みかん県として有名な愛媛県でも同じようなものを見たことがあります。


福岡市の地図に描かれる能古島からは想像しづらいですが、能古島は意外と起伏に富んでいます。ちょっとした秘境に迷い込んだ気分に浸れます。


緑の中に入ってしまうことも。


イノシシ注意を促すプレート。


能古島にはアイランドパークという定番の観光スポットがあります。秋に咲き乱れるコスモス畑が有名。この日は、自転車の鍵を忘れていたので、立ち寄ることなく退散。


島の中央には灯台のような形をした展望台があったので、こちらには上ってみました。


海辺の小戸(おど)公園や生(いき)の松原の奥に福岡市西区の市街が広がっています。いつも暮らしている街もこうして眺めると圧巻。


市内の反対側には、志賀島(しかのしま)が見えました。漢委奴国王と刻された金印が出土した島です。砂州によって福岡市内と陸続きになっています。


福岡市の特徴ともいえるこの砂州は「海の中道(うみのなかみち)」と呼ばれています。サンシャインプールや水族館のマリンワールドといったレクリエーション施設が集まっています。


志賀島の西には玄海島が浮かんでいました。


キャリーミーで能古島を走ってみての感想ですが、こんな小さな自転車にも関わらず平地ではママチャリ並みのスピードが出ます。ただ、長い上り坂は踏ん張りが利かないといいますか、すぐにタイヤが止まってしまうので、降りて押してしまうことが多かったです。また下り坂もある程度のスピードを越えると転倒が怖くなってブレーキをかけてしまいます。ダウンヒルでMTBなみのスピードを出すのは無理。ホイールが小さいので、クランクもたくさん回します。短い距離でも足が疲れてしまいました。小回りが利くハンドリングは小径車のメリットでもあります。その反面、ハンドリングは一般車以上の注意を必要とします。ちょっとした段差にも気をつけないといけません。

いろいろと不便もありますが、8インチという超小径車ならではの、軽快な走りは快感でした。私が所有する26インチのMTB(サーリー)や、20インチの折りたたみ(ドッペルギャンガー)とはまた違う魅力がキャリーミーにはあります。

◆所有してみて
日常でキャリーミーを使っていると、このようなメリットデメリットが出てきます。

・メリット
・小径車なので、力をいれなくても走り出すことができます。ストップアンドゴーの多い街中では便利な自転車です。
・コンパクトなので収納スペースもそこまで必要しません。

・デメリット
・ワイヤーロックをくくりつける支柱がないと、駐輪のときに不安になります。何もない場合、前輪ホイールをロックを通しますが、そのまま担いで持っていくこともできるので、気は抜けません。長時間の駐輪はできません。
・ホイールが小さすぎるので、有料の駐輪場を利用できないことがあります。
・一般車に比べるとパーツがあまり流通していません。何か必要なときは通販になりそうです。

このキャリーミーもパーツを入れ替えることでいろいろカスタムできるみたいです。私も旅仕様に変えていくつもりではいます。なかなか癖のある自転車ですが、自転車好きの皆さん、キャリーミーにも乗ってみませんか?

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
Facebookページ https://www.facebook.com/chariderman/
DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/
・チャリダーマンには人生を駆けた自転車世界一周を一冊の本にするという夢があります。興味を持っていただける出版社、編集者の方いましたら、ご連絡いただけると幸いです。)

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