顔認証技術の性能アップで運転免許証の写真から犯罪者の逮捕率が急激に向上


ニューヨーク州が2016年に導入した新型顔認証技術によって、個人情報を盗み出した犯罪者4000人以上が逮捕されるという目覚ましい成果を上げています。

Governor Cuomo Announces Major Facial Recognition Technology Milestone with 21,000 Fraud Cases Investigated | Governor Andrew M. Cuomo
https://www.governor.ny.gov/news/governor-cuomo-announces-major-facial-recognition-technology-milestone-21000-fraud-cases

ニューヨーク州の自動車局(DMV)は、免許失効中の運転など犯罪行為を摘発するべく、2010年から運転免許証の顔写真と登録データベースとを照合する顔認証技術を導入してきました。アメリカでは州ごとに運転免許が発行されることから、ある州で免許停止や免許取消の処分を受けた者が、別の写真を使って別の州で運転免許を取得するというケースがあとをたたないとのこと。また、他人の顔写真を利用して虚偽のIDカードを作成して詐欺を行う犯罪者も多く、これらの犯罪者を摘発するために、DMVの保有する運転免許証の顔写真データベースが捜査活動に活用されているというわけです。


このDMVの顔認証技術について、2016年1月に測定ポイント数が64個から128個に倍増するという大規模なアップデートが実施されました。画像はオーバーレイして色を反転させてモノクロ化することっで傷などの顔の特徴を識別可能で、ヘアスタイルの変化やメガネの有無さらには老化による顔の変化にも対応可能だとのこと。この大型アップデートによって、犯罪検挙率が急上昇し、2016年1月から2017年7月31日までに2万1000件の潜在的な犯罪ケースが発見され、4000人以上を逮捕・検挙するという目覚ましい成果を上げたそうです。

2017年6月以降でも30人以上が犯罪行為を摘発されており、最近の例として、顧客の個人情報を盗んで運転免許を取得しようとして失敗した家具運送業者が、別の州に移動してその顧客の名前で運転免許を取得してレンタカーを借り、さらに顧客の銀行口座から5万ドル(約550万円)を引き出した事件や、自分の身分証と盗んだ身分証を使って社会保障給付を二重に受給した詐欺事件などがあるとのこと。交通安全管理研究機構(ITSMR)によると、顔認証技術によって複数の免許を持つことを見破られた者は、全体の半数が元の免許を停止・取消しされたときに2つめの免許を取得しており、全体の24%が自分の正当な免許を持っていなかったことがわかっています。


ニューヨーク州では「1人1ライセンス」という簡単明解な原則を掲げており、「顔認識技術を使うことで、詐欺、ID窃盗などの犯罪者を警察に引き渡し、また、有効な免許を持たない危険なドライバーをニューヨークの道路から閉め出して安全性を高めることができる」とアンドリュー・クオモ知事は述べています。

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