ハードウェア

初心者でもロボットの形や動きをペーパークラフトのように簡単に作れる「Robogami」


3Dプリンターでパターンを出力し、ペーパークラフトのように組み立てていくことで、低コスト・短時間で作成できるロボット「Robogami」が公開されました。Robogamiはソフトウェアを使って「動き」や「形」を選ぶだけでデザインでき、速度や安定さに特化した形にすることも可能で、専門的な知識がない人でも用途にあわせたロボットを設計・製造できるようになっています。

Interactive robogami: An end-to-end system for design of robots with ground locomotionThe International Journal of Robotics Research - Adriana Schulz, Cynthia Sung, Andrew Spielberg, Wei Zhao, Robin Cheng, Eitan Grinspun, Daniela Rus, Wojciech Matusik, 2017
http://journals.sagepub.com/eprint/Ik4gSdxmRKheYKgR4kVd/full

Robogamiがどういうロボットなのかは以下のムービーを見ればよくわかります。

Robogami: 3D Printing Foldable Robots - YouTube


これが「Robogami」で作ったロボット。左右の足が交互に回転する、独特の動きを見せています。


画像に写っている女性が、Robogamiを開発した1人であるペンシルバニア大学の准教授・Cynthia Sungさん。Robogamiはエンジニアリング・デザインの経験がない人でも簡単にカスタマイズ&作成できるロボットとしてデザインされました。


Robogamiのポイントは2つあり、1つは「簡単に作れる」ということ。


ペーパークラフトを組み立てるように、素材を折っていくことで形が作られます。


そして、もう1つは、コンピューター上でロボットの動きを確認できることです。


Robogamiは組み立て前の素材を3Dプリンターで出力します。強度のある複雑なパーツを出力できるという点で、3Dプリンターによる製造法が選ばれたそうです。


3Dプリンターで出力した2Dのパーツを組み立てることで……


短時間で軽量かつ強い構造のロボットを完成させることが可能なわけです。


「ロボットのデザインには多くの課題が存在します」と語るのはMITの博士課程学生であるAdriana Schulzさん。特に、カジュアルなユーザー向けの組み立て型ロボットをデザインする際には「形のデザイン」「ソフトウェアでコントロールする動き」といったロボットの全側面を同時に満たせるようにする必要があります。


この点、Robogamiのソフトウェアは、カタログにあるパーツを組み合わせていくだけでロボットのデザイン作業が完了します。また、ロボットの動きについても同様にカタログから選択する方法で指定することができます。


上記の方法によって、さまざまなデザイン・動きのロボットが完成するわけです。


もちろん、作られたロボットは全て実際に稼働します。


また、Robogamiのソフトウェアは、ユーザーがロボットの「動き」と「デザイン」の両方を改良できるようにガイドしてくれるとのこと。


左右片側ずつ足を動かすことでロボットの速度を上げたり……


全ての足を同時に動かし、より安定した形にデザインすることもできます。


さらに、組み立て作業をユーザー側で行うようにすることで、コストの低減も図っています。


データベースにはさまざまなロボットのパーツが登録されているので、これらを組み合わせることで自分好みのロボット製作が可能に。


最終的にはユーザーがシステム側を触ってロボットのタスクに合わせた動きを指定できるようにすることを目標にしているそうです。


これができるようになれば、ユーザーが自分で手軽にロボットを作ってタスクを任せられる未来が実現するわけです。「人々の日常のいたることろにあるロボット」となることがRobogamiの目標とのことです。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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