十代の子どもたちが親から必要としているのは「愛情」よりもむしろ「体系立て」の体験


子どもが大人に成長する中において親や周囲からの愛情が重要であるのは間違いのないことですが、それと同等に、あるいはそれ以上に子どもが親から与えられるべきことは、ものごとの成り立ちや意味を理論的に説明する「体系立て」の知識や体験であると青年心理学の専門家が指摘しています。

Child psychologist Lisa Damour says kids need rules more than affection from their parents — Quartz
https://qz.com/1039939/child-psychologist-lisa-damour-says-kids-need-rules-more-than-affection-from-their-parents/

そう語るのは、青年期の子ども、特に青年女子の心理を専門に研究を行っているリサ・ダマー氏です。自身もティーンエイジャーの娘を二人持つダマー氏によると、安定力があって幸せな大人に成長するために子どもに必要なのは「愛情」と「体系立て」の2つですが、もし親の立場として両方を与えることが難しい場合には、「体系立て」を教えるべきであるとのこと。

仮に、親から愛情について十分に教わることができないとしても、その愛情は周囲の人や学校の先生、友人の親などから受け取ることができますが、体系立てについては親から教わるしか方法がないとダマー氏は指摘します。

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「子どもに愛情を与えること」の重要性は子育ての専門書でも半ば常識的に挙げられていることであり、ダマー氏の意見は従来の常識と食い違うと捉えられてしまう部分も存在しています。もし子どもが厳格で、ビジネスライクな環境で育てられた場合、幸福度の薄い大人になる可能性はありますが、一方では一人の大人として「機能」するために必要なノウハウを得ることはできているとのこと。つまり、厳しさやルールがあいまいな状況で育った子どもは、大人として必要な資質が不十分な、またはおかしな形で備わった状態で大人になってしまうことが問題であるとしています。

そして、最悪の状況といえるのが「愛情」も「体系立て」も与えられずに育った場合で、この場合は素行不良で問題のある大人になってしまうリスクが高いとダマー氏は指摘。子どもに必要なのはそれらの両方で、ダマー氏は「子どもは愛されたがっています。そして法則を知りたがっています。これを与えるのは親の仕事です」と語っています。

そのために、親もその両方を理解しておく必要があります。子どもは親の背中を見て育つ、といわれるように、親は自分の持っているものしか子どもに与えることができないため。そのため、親は「一貫性」を持つことが重要です。寛容さとつじつまの合わないことが両方存在していることになると、不安定で不安を抱えた心理を生んでしまいます。ダマー氏は「子どもがティーンエイジャーに成長すると、自分で自分の制御がきかない、そして制御がきかない人に取り囲まれていると感じるものです。しかし親が制御のきいていない人であっては欲しくないものです」と語ります。

By Firesam!

しかし、「体系立て」を培うことは容易ではなく、自身の考え方の根幹にも関わることであるので、一朝一夕で実現できるものではありません。そこでダマー氏は、十代の子どもを育てるときに重要な心がけを以下のように挙げています。

・安全に対するルールの骨組みを作る。子どもたちは、それが自分のためであると納得できたときには、よりきちんとルールを守るようになるため。逆に、モラルに訴えかけたり「父さんが言うのだから従いなさい!」と権力を振りかざすような説得は逆効果。

・「謝ること」の効果を見くびらないこと。きちんと謝ることで、青年は自分が尊重されているということを知り、信頼することを知る助けになる。

・成長の中で「ストレス」があることは普通であり、それによってティーンエイジャーは成長し、人間的な「弾力性」を得ることができる。逆に、落ち込む経験がない場合や、常に緊張を強いられて気持ちの休まることがない場合は問題を生む。

・テクノロジーを与えるのは遅ければ遅い方が良く、自分の部屋には持ち込ませないほうが良い。ビデオゲームやSNS、インターネットは彼らの関心を引きつけるが、十代の若者の健康に必要な「睡眠」を妨げるものになるため。とはいえ、いずれはその決まりも解除される時が来るが、それは子どもが13歳の時よりも17歳の時のほうが良い。

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