自己修復ポリマーで自分で傷を直せるロボットが登場する可能性


人間などの動物と違って壊れた機械が自動的に治るということはありません。そのため、ロボット技術が進んでも、壊れた場合にどうやって直すかは重要な問題です。そんな中、ベルギーの研究者が、ナイフや針で傷ついても熱を加えるだけで簡単に元通りになる「自己修復機能」のあるロボット素材を研究しています。

Self-healing soft pneumatic robots | Science Robotics
http://robotics.sciencemag.org/content/2/9/eaan4268.full

Self-healing jelly bot regenerates when stabbed – just add heat | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2144245-self-healing-jelly-bot-regenerates-when-stabbed-just-add-heat/

ベルギーのブリュッセル自由大学の研究者が、自己治癒力を持つロボットハンドを試作しました。どうやって自己修復するのかは、以下のムービーを見ればわかります。

Jelly robot can heal itself - YouTube


ポリマーでできたロボットハンド。


指の先端にナイフをブスりと挿し込みました。


しかし、この自己修復型ロボットハンドは自己修復機能を持つという特長があるとのこと。


ナイフを入れられたポリマーの断面を拡大すると、ポリマーが断裂していることがわかります。


しかし、約80℃の熱を加えられるとディールス・アルダー反応でポリマーの分子が絡み合うように一体化し、ふたたび元通り修復されていきます。


ロボットは人間と違って壊れると部品交換が必要……というのが常識でしたが、熱を加えるだけで簡単に傷が元通りになるポリマー素材を使えば、部品交換をすることなくロボットを修復できる可能性があります。


さらに、ロボット自身が必要に応じて傷を治す、というような運用も考えられるそうです。


ブリュッセル自由大学の研究チームは自己修復ポリマーを使って、ロボットハンド型だけでなく、ツメのような4つのアームで物をつまみ上げるタイプや筋肉のように膨張・収縮するタイプのロボットパーツを試作しています。


ロボットハンドなど、柔軟性のある素材を使うことは「物をつかむ」という動作では非常に有利です。しかし、人間のように傷が回復することのないロボットでは、ソフトな素材は耐久性の面で問題があり、金属やプラスチックなどの固い素材が採用されてきました。傷を簡単に修復できる自己修復ポリマーであれば、柔らかい部品を使ってロボットを作り出すことができるので、ブリュッセル自由大学の研究チームの生み出したDiels-Alderポリマーはロボット工学でのメリットが大きそうです。

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