OpenAI開発の人工知能がゲームDota 2の1対1バトルで人間の世界チャンピオンに勝利


人工知能(AI)が人間と争って勝つという例は、チェス、囲碁、ポーカーなどのゲームでは一般的になりつつあります。AIの安全な開発を目指して設立されたOpenAIの作ったAIが、チェスや囲碁よりも複雑な状況下での適切な判断力を求められるPCゲームでの直接対戦で、人間のチャンピオンに勝つという快挙を成し遂げました。

Dota 2
https://blog.openai.com/dota-2/

OpenAIのAIが、人間のチャンピオンDanil"Dendi"Ishutinを破る様子は、以下のムービーの12分15秒以降で確認できます。

The International 2017 - Main Event Day 5 - YouTube


人間のチャンピオンを打ち破った快挙に、OpenAIの設立者の一人であるイーロン・マスク氏は、「チェスや囲碁よりもはるかに複雑なeSportsで人間を破った」と、ツイートしています。


OpenAIが、どのようにして人間のチャンピオンを打ち破るAIを作り出したのかは、以下のムービーで説明されています。

OpenAI + Dota 2 - YouTube


OpenAIの開発者のグレッグ・ブロックマン氏は、「OpenAIの目的は、安全なAIを開発することです」と述べ、AIの急速な進化によってAI脅威論が持ち上がる中で、安全にAI技術を開発するために、さまざまな取り組みを行っているとのこと。対戦型ゲームで人間に勝つAIの開発も、その一環で行われています。


OpenAIはオンラインゲームの「Dota 2」を題材に、人間のチャンピオンを打ち負かすAIの開発を行ってきました。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)と呼ばれるゲームのDota 2は、多くのタスクを状況に応じて適切に行うことが求められる複雑なゲームで、AI技術をさらに発展させるための新しい技術開発にはもってこいのゲームと言えます。


今回の対戦ジャンルは「1v1」と呼ばれる1対1の対戦。1v1では相手の攻撃や防御などを予測して、相手の裏をかく攻撃方法を探し出して実行することが求められます。1v1は、攻撃の手数を争うという反射神経が問われるゲームではなく、むしろ頭脳戦という性格を帯びるゲームで、頭脳戦で人間のチャンピオンに勝つことが今回のAI開発の目的です。


人間に勝つために開発されたAIは、完全な自己学習型で技術を高めたとのこと。模倣学習やツリー検索などを使わずに、AI自身がゲームをプレイしていく中で、自分のプレイスタイルを研究して階段を1段ずつ上っていくかのように徐々にスキルを高めていくというプロセスが採用されたそうです。


OpenAIのAIが2週間の自己学習を経て、ゲーム能力を披露することになったのは、会場に2万人のDotaファンを集めたDota 2の世界大会「The International 2017


総額2400万ドル(約26億円)というゲーム大会史上最高額の賞金が賭けられたThe International 2017に先だって、OpenAIは開発したAIを数人のトッププロと対戦させており、人間のチャンピオンと戦える手応えを得ていたとのこと。


「多くのプロプレイヤーが、トレーニングでAIボットと戦い続けることを希望した」とブロックマン氏は明かしています。


Artour"Arteezy"Babaev氏もその一人。AIとの対戦をムービーで見直したときに学ぶことは多く、スキルアップのためにAIとの対戦が極めて有用だと述べています。


人間との1対1のバトルを制したOpenAIは、次なる目標として5対5のチーム戦で人間のチームにAIを加えることを掲げています。


AIの急激な進化が将来的に人類に与える危険性を指摘するマスク氏は、あらためて、「『規制』を好む人はいませんが、自動車・飛行機・食品・薬物など公衆に危険を及ぼすものは規制されています。AIも規制されるべきものです」とツイートしています。

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