気候変動でコーヒーはまずくなる


地球温暖化などの気候変動による自然環境に与える深刻な影響が地球規模で問題となっています。これまで、水位上昇で水没する島があるなどの被害について語られてきた気候変動問題ですが、「コーヒーがまずくなる」という、ごく身近な日常生活に与える悪影響が指摘されてます。

Climate change will make your coffee cost more and taste worse | Popular Science
http://www.popsci.com/climate-change-will-make-your-coffee-cost-more-and-taste-worse

20世紀以降の地球温暖化のペースは速く、このままの温暖化傾向が続けば、地球レベルでの気温上昇やそれにともなう異常気象が起こるなど、大きな被害が出かねないと指摘されています。インドでは熱波で気温が50度を超えたり、南国のツバルで海水面の上昇によって島全体が水没してしまう可能が出たりするなど、深刻な被害が生じると警告されていますが、「どこか遠くの国のこと」と地球温暖化の影響を人ごとに思う人も多いのが現実です。しかし、身近な嗜好品のコーヒーの味が気候変動によって大きく変わる、端的に言って「まずくなる」ことが予想されており、日常生活への明確な支障が現れると指摘されています。

コーヒー豆の生産は、年平均で20度で雨期があるなどの条件を満たす場所でのみ可能であり、赤道を中心に南北に広がる「コーヒーベルト」と呼ばれる範囲の高地で行われています。特に、昼夜の温度差が大きい山間部では味のよい良質なコーヒー豆が生産できるため、キリマンジャロやジャワなどコーヒーの名産地は一部に限られています。


しかし、コーヒーの原産地と言われ世界屈指のコーヒー産地であるエチオピアでは、現在コーヒーが作られている土地の半分以上が近い将来、気温の上昇によってコーヒー栽培が不可能になるという研究報告(PDFファイル)が出されています。この研究によると、エチオピアだけでなく、ブラジル、インドネシア、コロンビアなどのコーヒーの生産量は、2050年までに半減するという予測が出されています。

気温上昇が続きコーヒーの生産に適さなくなると、コーヒー農園は高地に移動することを余儀なくされます。それにはコーヒーを生産する農家が移住に対応できるように経済的な支援は不可欠です。さらに、遺伝子改変技術によってより高熱に強いコーヒー豆に品種改良を行うという方法も検討されています。しかし、技術的な難しさだけでなく遺伝子組換え食品に対する根強い不信感を払拭する必要があり、うまくいくかどうかは不透明です。

もっとも、コーヒーにはワインと同様に「テロワール」と呼ばれる生育に適した土壌があると言われており、単に気温が同じというだけで育つわけではありません。もちろん、同じ気候条件であっても土壌の豊かさは異なるので、同じ品質のコーヒー豆が取れるわけではありません。そのため、現在高品質で高価なコーヒー豆は、気候変動の行方次第で生産量が激減し、コーヒー価格は高騰すると予想されています。


2014年にブラジルで起こった干ばつが原因でコーヒー価格は倍増しました。しかし、気候変動ではすべてのコーヒー生産地で干ばつが起こるようなものであり、価格上昇は2014年どころの騒ぎではなさそうです。近い将来、おいしいコーヒーが飲めない、という事態が発生することで、地球環境の変化を否応なく痛感させられる可能性がありそうです。

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