縦長で上下に羽根が1枚ずつしかないドローン「DuoCopter」の画期的な点とは?


わずか2つのモーターと羽根で、通常のクアッドコプターと同レベルの安定性を実現したドローンが「DuoCopter」です。構成部品が少なくなると、全体の重量は軽く、電気消費量も少なくなり、より効率的な飛行が可能になるだけでなく、1台あたりのドローンの開発コストも削減できるなど、さまざまな利点を生み出しています。

DuoCopter, the perfect drone
http://www.research-drone.com/en/DuoCopter.html

実際にDuoCopterが飛行している様子は以下のムービーから見ることができます。

DuoCopter , the perfect drone - new drone technology 2017 - YouTube


地面に置かれている青いドローンがDuoCopter。


プロペラが回り始めると飛行が始まりました。


DuoCopterにはたった2基のエンジンで機体を浮かせるため、革新的なアルゴリズムが使われているとのこと。


2基のエンジンに取り付けられたプロペラは、回転ごとに回転速度が調整されています。


プロペラを真上から見て、左半周を回る時のみ回転数が上がって素早くなり、右半周を回る時は回転数が下がって遅くなります。


この回転力の差によって、左右の揚力の差から前後左右のコントロールが出来るようになるとのこと。


実際にDuoCopterが安定してホバリングしたり


進行方向を変えたりしているところがムービーに収録されています。


クアッドコプターは本体からプロペラ部までにアームがあり、以下の画像でいう赤い部分がプロペラのエアフローを妨げてしまいます。


DuoCopterはプロペラ下がガラッとスペースが空いた設計になるため、エアフローを妨げることなく、クアッドコプターよりも効率的に飛行することが可能。また、回生ブレーキのようにプロペラの回転でバッテリーを充電することも可能になり、フライホイール装着時のように高効率で動作することができるようになっています。


DuoCopterのプロペラは1枚が大きく設計されていますが、クアッドコプターの4基のプロペラを並べたものと同じくらいのサイズになるとのこと。小さなプロペラを4枚回すより、大きなプロペラを2枚回す方が効率的で、騒音も小さくなり、電気の消費量も少なくて済みます。また、モーターも2つで済むため、バッテリーから伸びる配線などを大幅に削減でき、従来のドローンに比べて機械設計を簡素化できるというメリットも生じます。


さらに部品が少なくなることは、故障の可能性も減ることにつながるため、より頑丈なドローンになります。例えばクアッドコプターは落下して衝撃を受けると、プロペラのアームごと折れてしまうことがありますが、プロペラ2枚を上部に配備して、下部に着地アームを取り付ければ、より衝撃に強いドローンとして設計することも可能なようです。


他にも、従来のクアッドコプターに比べてかなりの小型化が可能になるため、人から見つかりにくいドローンを設計したり、構成部品を最小限にとどめた安価なドローンを設計したりすることが考えられます。また、DuoCopterのプロペラを回転させるためのアルゴリズムは、カメラによる撮影の際にプロペラが見えないよう調整することも可能。そのため、これまではプロペラの位置関係から設置不可能だった場所にもカメラを設置できるようになります。

DuoCopterは通常のクアッドコプターのように高速飛行中にダウンフォースを発生させないため、長距離飛行にも適しています。


また、DuoCopterの技術を使えば、飛行機型の機体なら単一のエンジンで安定した飛行を可能にするとのこと。


以下のようにボディに3つの羽根を取り付け、トップに回転するプロペラを設置したエンジンが1つのドローン「モノコプター」の設計もできるようになります。


なお、DuoCopterの開発者であるDirk Brunnerさんは、クアッドコプターを使って「世界最速で100メートル上昇する」というギネス記録保持者でもあり、実際に記録を打ち立てた瞬間を収めたムービーは以下から見ることができます。

Fastest 100 m ascent by a quadcopter - Guinness World Records - YouTube


これが世界最速で上昇するDirk Brunnerさんが開発したドローン。


現場では関係者がドローン発進の様子を見守っています。


ピンクの輪の中に置かれたドローンが飛び立ちます


あっという間に空高く上昇していきます。


ドローンから見た映像


ビル群よりはるか高い上空100メートルまで、世界最速となる3.871秒で到達したということで、ギネス世界記録に認定されました。


ドローンから真下を見ると、いかに高い場所まで上昇しているかがわかります。


あまりに速すぎてドローンの姿が追えないレベルですが、ムービーの後半には2分の1倍速でドローンが上昇する様子も収められています。これだけの技術力を持つ人が今回の縦長で上下に羽根が1枚ずつしかないドローン「DuoCopter」を開発した、というわけです。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log