最も健康への影響が少ないエネルギー源はデータだけで見ると「原子力発電」

by Tennessee Valley Authority

我々の生活環境がどう変化しているのかというデータを可視化しているサイト「Our World In Data(OWID)」が、様々なデータをもとに、エネルギー源として最も安全なのは原子力であることを示しています。

It goes completely against what most believe, but out of all major energy sources, nuclear is the safest - Our World In Data
https://ourworldindata.org/what-is-the-safest-form-of-energy/


まず示されているのは、それぞれのエネルギー源を用いて1TWh(テラワット時)の発電(エネルギー生産)を行ったときの、エネルギー生産にまつわる事故や大気汚染での死亡率です。1テラワット時は、アメリカ国民1万2400人の年間エネルギー消費量に相当します。圧倒的に高いのが褐炭で32.72、続いて石炭が24.62となっていて、大気汚染関連での死者数が非常に多くなることがわかっています。一方で、原子力は0.07となっていて、こちらは放射線に曝された影響でのがん関連の死亡であると推測されています。


特定のエネルギー源のみでエネルギー生産を行った場合に影響を受けて亡くなる人の数を予想したグラフがコレ。褐炭のみですべてのエネルギー生産をまかなうと年間死者数は500万人を越えると考えられますが、原子力は1万1766人。


上記2つは短期的な影響によるものでしたが、気候変動など、数十年単位の長期的な視点についてもデータが示されています。下のグラフの横軸はエネルギー1キロワット時を生産するときのCO₂排出量(gCO₂e/kWh)、縦軸はエネルギー1テラワット時を生産するときの短期死亡率を示しています。OWIDではこの2つの相関から、短期的に見たとき健康に悪影響を及ぼすエネルギー源は長期的に見ても健康に悪影響を及ぼし、現代において安全なエネルギー源は将来にわたって安全であると考えられると指摘しています。


しかし、原子力発電については、2011年の東日本大震災の影響による東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響もあって、その安全性に疑問が投げかけられています。以下のグラフは、原子力発電に「強く反対」「やや反対」という意見を述べた人の割合を国別に示したもので、インド(38%)とアメリカ(48%)は半数以下でしたが、イギリス(51%)・日本(58%)・中国(58%)・フランス(67%)では半数を超え、世界平均でも62%と、反対の声が6割以上。


水力、風力といった再生可能エネルギーでのエネルギー生産に力が入れられていますが、まだまだその割合は低い状態です。


「未来の発電技術」としては「核融合」も期待されていますが、実現までの時間やコストが未知数。果たして人類はこの先、どのエネルギー源に注力すべきなのか。使える時間は、思っているよりも短い可能性もあります……。

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