「南北戦争の剣における聖杯」と言うほど貴重な「失われた剣」が発見される


南北戦争の北軍勝利に黒人兵士たちの力が大きな貢献を果たし、リンカーン大統領の考えさえ変えたのは、ロバート・グールド・ショー大佐の働きが大きいとされています。ショー大佐は第二次ワグナー砦の戦いの最中に胸を打ち抜かれて亡くなりましたが、黒人兵士たちを率いる目印として使用した戦いの象徴である「失われた剣」が長年の時を経て発見されました。

Massachusetts Historical Society: One of America's Great Swords Found
https://www.masshist.org/media/press-releases/articles/shaw-sword-2017-07-12

'Holy Grail of Civil War Swords' Found in Massachusetts Attic
https://www.livescience.com/59933-civil-war-sword-found-in-attic.html

発見された剣は研究図書館であるMassachusetts Historical Societyに寄贈されました。学芸員のアンナ・ベントレー氏は「Massachusetts Historical Societyを退職して1年ですが、この剣は過去44年間に私の机にのったもののうち、もっとも重要な工芸品です」と語っており、館長のデニス・フィオーリ氏も、剣の発見の重要性について述べつつ、剣は「南北戦争の剣における聖杯です」とLive Scienceの取材にこたえています。

これが見つかった剣。


剣柄はこんな感じ。


さびてはいますが、唐草模様が描かれ、剣身の下部には六芒星がはいっています。


剣は、1863年にアメリカ南北戦争に参入した、全黒人部隊の第54マサチューセッツ歩兵連隊大佐ロバート・グールド・ショーの持ち物でした。ショー大佐は北軍初の黒人連隊の隊長であり、元奴隷たちを兵士として鍛えあげて、差別と戦いながらめざましい戦果をあげていった人物です。

by Wikipedia

当初、リンカーン大統領の命令で黒人兵は戦闘に加わることができないとされていましたが、ショー大佐の働きで黒人たちが戦闘に関われるように。次々に戦果をあげ勢いづいた第54連隊は難攻不落とされていた南軍のワグナー砦の戦いに志願します。そして第54連隊を率いたショー大佐は1863年7月18日、ワーグナー砲台に突撃し、命を落としました。ショー大佐は死後、南軍の手によって、侮辱を目的として多くの部下と一緒に集団墓地に埋葬されました。しかし、奴隷解放論者の父親はのちに「息子がそのような方法で埋葬された事を誇りに思っている」と語ったそうです

今回発見された剣は、7月18日のワグナー砦の戦いにおいて、第54連隊を率いる目印として使用されたもの。煙だらけの戦闘のさなか、兵士たちに進路を示すものでした。そして、南北戦争で北軍が勝利するのに黒人兵たちがいかに貢献したのかを象徴するものでもあります。

ショー大佐が胸を撃ち抜かれて死亡したあと、剣は南軍によって没収され、行方がわからなくなっていました。戦後、北軍将軍のチャールズ・ジャクソン・ペイン氏が兵士たちと共にノースカロライナの一軒家の前に立っていると、見知らぬ人が近づいてきて「ショー大佐と一緒に働いた黒人兵士はいるか?」と尋ねました。その人物は、ショー大佐の剣が、近所にある元南軍の将校の家に保管されていると語ったとのこと。ペイン氏が兵士たちをその家に送ったところ、幸いなことに使用人しかおらず、家に入って剣を見つけることができました。そしてペイン氏は手に入れた剣をショー大佐の家族のもとに送ったとのことです。

by Wikipedia

その後、ショー大佐の姉の家系で何世代にもわたって箱に入れて保管されてきた剣は、2013年にMassachusetts Historical Societyに寄贈されました。しかし、その際にわかったのは、寄贈された剣が「ショー大佐の失われた剣」ではなかったということ。ベントレー氏によると、ショー大佐の失われた剣はショー大佐のイニシャルである「RGS」という文字が入ったイギリス式の剣とのことですが、寄贈されたのはイニシャルのないアメリカ式の剣だったのです。

その4年後である2017年、ショー大佐の子孫であるロバート・ショー氏とマリー・ミンタン・ウッド氏は両親の使っていた家を売ろうと整理をしていたときに、屋根裏に放置されていた5本の古い剣を台所のテーブルの上に並べました。その中でも一段と古い、さやのない剣に「RGS」というさびたイニシャルが入っていることにWood氏さんが気づき、長年の時をへて失われた剣が発見されたわけです。

なお、剣は2017年7月18日、ショー大佐が亡くなってぴったり154年後のその日から、Massachusetts Historical Societyで展示されています。

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