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全米でトップシェアのSIMフリースマホ「BLU」がついに日本上陸、7980円の格安スマホの実力とは?


アメリカ・フロリダ州に本拠を構える「BLU(Bold Like Us)」は、全米のSIMフリースマホのシェアNo.1を誇るスマートフォンブランドです。Amazon.comのスマートフォン販売台数トップ10に6機種も送り込むという圧倒的な支持率を誇るBLUが、ついにAmazon.co.jpから日本上陸を果たしました。Amazon.co.jp限定で税込7980円という激安モデル「GRAND M」と、Android 7.0搭載で税込1万2800円の格安モデル「GRAND X LTE」を発売前に手に入れられたので、さっそく全米No.1格安スマホの実力を試してみました。

BLU Products | Bold Like Us
http://bluproducts.com/home/

左が激安モデル「GRAND M」で右が格安モデル「GRAND X LTE」。ブラックを基調にしたパッケージはなかなかクールです。


◆GRAND X LTE
・外観チェック
GRAND X LTEは黒×金という派手なデザイン。


箱を開けると本体が登場。


中にはGRAND X LTE本体、専用保護ケース、SIMスロット解除ピン、Micro-USBケーブルとなっています。


手に取るとずっしり重いGRAND X LTEの重さは164g。ディスプレイは5インチ(1280×720)液晶ディスプレイを搭載し、SoCはMediatek MT6737(ARM Cortex-A53クアッドコア)、メモリは1GB、ストレージは8GB。


上部には近接センサー、500万画素のフロントカメラ、スピーカー、LEDフラッシュを搭載。


下部にはBLUのロゴ。ディスプレイ下の余白は大きめです。


まるでガラスフィルムを貼り付けたかのようなエッジが丸みを帯びたディスプレイ表面が特徴的。本体のエッジは面取り処理がされており、なかなかの高級感です。


右サイドには電源ボタンとSIMカードスロット。


左サイドにボリュームボタン。


天面には何もなし。


底面にマイク、Micro-USBポート、イヤホンジャック。


バックパネルがアルミのフルメタル筐体。


リアカメラは800万画素でオートフォーカスに対応。LEDフラッシュも搭載しています。


右下に大きめのスピーカー。


147.0mm×72.7mm×9.4mmのGRAND X LTEを中央に置き、左にiPhone 6s Plus、右にiPhone 6sを並べてみました。


iPhone 6sに比べるとやや厚めです。


フルメタルボディの筐体は、四方に丸みを帯びたデザインで、1万2800円とは思えないほどの質感です。


付属のTPU製の保護ケースは当然ながらフィット感抜群。


ケースを装着した状態でもボタンが押しやすいところが好印象です。


SIMカードは1枚のマイクロSIMカード、ナノSIMカードに対応。スロット2はSDカードと排他的な仕様ですが、デュアルSIMカードに対応します。


・使ってみた
GRAND X LTEの対応LTEバンドは、FDD-LTE B1/3/6/8/9/19。NTTドコモとSoftBank回線に対応しています。

まずは、ドコモのSIMカードを装着してみました。


モバイル通信をするために、APNを設定します。「設定」アプリをタップ。


「もっと見る」をタップ。


「モバイルネットワーク」をタップ。


「アクセスポイント名」をタップ。


すでに、MVNO各社のAPN設定が保存されていました。これらMVNO回線であれば、SIMカードを挿してAPNを選択するだけでOKです。今回はNTTドコモ(MNO)の回線を使うので、新たにAPN設定を作成します。「+」アイコンをタップ。


適当な「名前」と「APN」には「spmode.ne.jp」と入力して、「設定」アイコンをタップして……


「保存」をタップ。


あとは、保存したAPN名にチェックを入れればOK。


Speedtest.net」で計測すると、下り38Mbps、上り12Mbpsで確かにLTEで通信できていました。


Antutu Benchmark」でベンチマークを測定すると総合スコアは「24509」でした。


RAMが「37」と、1GBメモリが足を引っ張っている模様。


Antutuのベンチスコアが2万点台と、最近のスマートフォンの中ではエントリークラスの数字になりましたが、実際にGRAND X LTEはどれくらいサクサク動くのか、快適性どれくらいなのかは、以下のムービーを見れば確認できます。

格安スマホBLU「GRAND X LTE」の操作感は?ドコモSIMでネットブラウジングしてみた - YouTube


設定の変更やアプリの切り替えでは問題ないサクサク具合。ただし、画像の読み込みやYouTubeの埋め込みムービーサムネイルの表示は処理が追いつかず、もたつく様子が確認できました。ただし、YouTubeの再生自体は止まることなく行えるので、ストレスが大きくたまるということもなく、「普通に使える」という印象でした。

やはりGRAND X LTEの大きなメリットはOSにAndroid 7.0 Nougatを搭載するという点。セキュリティ更新の点でも有利です。


ちなみに、Gmail、YouTube、Chrome、GoogleフォトなどGoogleの各種アプリがプリインストールされており、仮想キーボードもGoogle日本語入力がデフォルトになっているので、すぐに使える状態になっていました。


デュアルSIMスロットを搭載するということで、2枚のSIMカードによる同時待ち受け(デュアルシム・デュアルスタンバイ:DSDS)に対応しているのか確認するために、NTTドコモとSoftBankのSIMカードを装着してみました。


SIMカードを装着すると、データ通信に使用するSIMカードの選択画面が現れます。


ただし、モバイル通信用のカードを選択すると、もう一方のアンテナピクトが消え通信できない状態になりました。アンテナピクトが消えたSIMカードではモバイル通信だけでなく着信・発信ができない状態になり、結果としてはSIMカードが1枚と変わらない状態です。


GRAND X LTEは、4G/3G通信とGSM(2G)でのDSDS対応なのかもしれません。いずれにせよ、日本国内のSIMカードを使って同時待ち受けすることはできない仕様のようです。


リアカメラの画質をiPhone 6s(右)と比較してみました。


HDR機能をOFFにした状態で撮影した写真を拡大した画像。左がGRAND X LTE、右がiPhone 6s。明るさ、彩度、解像感、ノイズの少なさなどあらゆる点でiPhone 6sの圧勝ですが、価格が6分の1のGRAND X LTEは大健闘していると見るべき。


なお、彩度はHDR機能をONにするとかなり接近しました。


GRAND X LTEは、LTEによる高速通信に対応しており、通信速度も十分速く、特別もたつくこともなく快適にネットサーフィンが可能です。画面はHD画質(1280×720)とやや物足りない感じがしますが、5インチサイズではそれほどアラは見えず、大きな欠点にはなりません。しかし、ストレージ容量が8GBという点が大きな弱点。システムや基本アプリ分をのぞけば、4GB弱しか空き容量がないので、実際の利用ではmicroSDカードでのストレージ増強が必須と言えるかもしれません。まる1日触ってみて唯一不満に感じたのはバッテリー消費が早く、充電にやや時間がかかるという点くらいでした。


◆GRAND M
続いて激安スマートフォン「GRAND M」。なんと7980円。


7980円の激安スマートフォンとはいえ、黒地にメタリックな銀色文字で、高級感すら感じさせます。


中身はGRAND M本体、専用の保護ケース、簡易説明書×3、Micro-USBケーブル、SIMスロット解除ピンでした。


GRAND Mも5インチサイズのスマートフォンで、重さはGRAND X LTEよりもやや重い171g。


GRAND Mは144.9mm×72.1mm×9.4mm。GRAND X LTE(右)と並べてみると、ほとんど同じ大きさ。


SoCはMediatek MT6580(ARM Cortex-A7クアッドコア)、512MBメモリ、8GBストレージを搭載し、OSはAndroid 6.0 Marshmallow。なお、4G/LTEには対応せず、3G通信のみ。3G(W-CDMA)の対応バンドは B1/5/6/8/19と、NTTドコモ・SoftBankの回線をつかめます。


上部にLEDフラッシュ、スピーカー、320万画素フロントカメラを搭載。


GRAND X LTEと同じく、下ベゼルの幅が広めです。


右サイドに電源ボタンとボリュームボタン。


左サイドはSIMカードスロットのみ。


GRAND Mは天面にMicro-USBポートとイヤホンジャックを搭載します。


底面にはスピーカーとマイク。


GRAND Mもアルミ筐体。


7900円とは信じがたい質感です。


SIMカードはデュアルタイプで、ナノSIMカード・マイクロSIMカードに対応。microSDカードスロットも兼ねています。


付属の保護ケースもやはりフィット感良好でした。


GRAND MもGRAND X LTEも、ディスプレイ周りの太い黒縁が特徴。少しでもベゼル幅を狭く見せようというアイデアです。


使ってみてすぐに感じるのがドット感。GRAND Mは5インチ大画面にもかかわらずディスプレイ解像度は854×480ピクセル。GIGAZINEの記事のサムネイルもドットが強調されて表示されます。


GRAND X LTE(右)と比べると、違いは明らか。HD解像度のGRAND X LTEに不自然なところはありません。やはり5インチサイズのディスプレイではHD解像度は最低限必要だと感じます。


なお、GRAND M(左)とGRAND X LTE(右)のディスプレイの映りは明らかに違い、輝度、鮮やかさでGRAND X LTEがはるかに上だと感じました。


参考までにAntutuベンチマークを計測。GRAND X LTE(左)が「24509」だったのに対して、GRAND M(中央)は「18384」と惨敗。ちなみに現行スマートフォン最高スペックの「Xiaomi Mi 6」(右)は「169273」と、いかんともしがたい性能差となっています。


7980円の激安スマートフォン「GRAND M」はどれくらいの動きを見せるのかは、以下のムービーで確認できます。

7980円だが3G通信&512MBメモリの激安スマホ「BLU GRAND M」でGIGAZINE記事を閲覧&YouTubeムービーを視聴できるのか? - YouTube


さすがに512MBメモリにお世辞にも高性能とは言えないSoCのため、各種操作にももたつく場面が見られました。GIGAZINE記事のように画像満載のページを閲覧するのは一苦労。ただし、意外にもYouTubeムービーはノンストップで再生できました。なお、まる1日使ってみると、固まってしまったり、アプリの更新が延々と終わらないなどの不具合に出くわしました。メモリが512MBでAndroid 6.0を動かすには、さすがに無理がありそうです。

◆まとめ
全米シェアNo.1という触れ込みのBLUスマートフォンですが、1万2800円という低価格設定の「GRAND X LTE」からは、その理由がよくわかりました。決して高性能ではないものの、手が出しやすい手ごろな価格にもかかわらず、十分実用に耐える端末で、ガラケーから初めてスマートフォンに買い換える人や、iPhoneをメインで使っていてAndroid端末も試してみたい、という様な人にはおススメできるコストパフォーマンスの高いスマートフォンとなっています。

他方で、7980円の「GRAND M」は、もはやその価格で出せるAndroid 6.0端末という1点だけで意味があるという存在。いまだに3GのみでLTEが使えない&メモリが512MBという4~5年前のスペックのため実用性には欠けますが、iPhoneやGalaxy Sシリーズの10分の1未満の価格の端末で一体どんなことができるのか?という興味本位で手を出すにはもってこい。素人お断り、玄人&マニア御用達の端末だと言えそうです。


GRAND X LTEはAmazon.co.jpで2017年6月30日に税込1万2800円で発売予定。楽天モバイル・OCN・mineo・IIJ・LINEモバイルなどのMVNO各社からの取り扱いも予定されています。GRAND MはAmazon.co.jp限定で、2017年6月16日に税込7980円で発売予定です。

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Amazon.co.jpでは、BLUE日本上陸キャンペーンとして、IIJmioとOCNモバイルONEの格安SIMカードとセットでGRAND X LTEが税込9800円、GRAND Mが税込4980円になるキャンペーンを、2017年6月9日から6月30日の期間限定で行う予定です。

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