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外骨格タイプのパワードスーツをロッキード・マーティンが米軍兵士用に開発中


ロッキード・マーティンが戦場の兵士をパワーアップさせる外骨格タイプのパワードスーツ「K-SRD」を発表しました。近代戦争でも重要な歩兵の戦力を大幅に向上させる狙いです。

New Lockheed Martin Exoskeleton Helps Soldiers Carry Heavy Gear - May 16, 2017
http://news.lockheedmartin.com/2017-05-16-New-Lockheed-Martin-Exoskeleton-Helps-Soldiers-Carry-Heavy-Gear

FORTIS Knee-Stress Relief Device
http://breakingdefense.com/2017/05/k-srd-exoskeleton-gives-overburdened-troops-a-leg-up-literally/

ロッキード・マーティンはすでに「Fortis」と呼ばれる作業員向けの外骨格タイプのパワードスーツを開発済み。Fortisは支持フレームで作業員をサポートして、膝の屈伸運動の負荷を軽減したりするパワードスーツです。


以下のムービーでは、作業の負荷を減らす目的で開発されたパワードスーツを実際に使用する様子が確認できます。

Lockheed Martin's "Fortis" Exoskeleton in Action - YouTube


ロッキード・マーティンは、新たに戦場の兵士向けのパワードスーツ「Knee Stress Release Device(K-SRD)」を発表しました。ペンタンゴン(アメリカ国防総省)は、アメリカの軍事的優位性を保つための戦略「third offset strategy(第3の相殺戦略)」を実行しており、K-SRDはその一環のプログラム。ロボット工学や人工知能を使って兵士の能力を高めることを目標に開発されています。

戦場の兵士は銃や重い荷物を背負う必要があります。物資の運搬をするためのロボットも開発されていますが、階段を上り下りしたり斜面を下ったりといった場面で対応できないため、人間の歩兵が担う役割は重要です。このため、歩兵の労力を軽減する目的でK-SRDは開発されています。


K-SRDはパワードスーツFortisの基本技術をベースに、膝のアクチュエーターやオンボードコンピューターを搭載します。コンピューター制御によって兵士の膝の屈伸運動を検出して、運動に合わせてアシストするとのこと。ひざまずいたりしゃがんだり、重い荷物を持ち上げ得たりロープを引っ張ったりと、兵士に要求される過酷な任務の負担を軽減し、移動距離を伸ばすことが目的です。


実験では185ポンド(約84キログラム)のウェイトを抱えた状態で屈伸する運動では、一般の兵士が平均20回~25回が限界であるのに対して、K-SRDを装着すると50回以上に伸ばすことに成功しています。近い将来、兵士がパワードスーツを着用して任務に当たるのが当たり前になる日がくるのかもしれません。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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