火星への有人探査ミッションでは「セックス」の問題は避けて通ることができない


宇宙空間でのセックスは危険をともなう行為であることが知られています。しかし、将来、人類が火星に移住する計画を実現する上で、宇宙でのセックスは、決して避けることができない重要な問題だといいます。なぜ、宇宙でのセックスが難しいが克服しなければいけない課題なのかをムービー「Space Sex is Serious Business」が解説しています。

Space Sex is Serious Business - YouTube


火星への旅行を考えるときに、気になるのは「宇宙で住めるか?」です。


わずか数人でたった数日間訪れるだけの対象である月に対して、火星へのミッションは最低でも21カ月必要な長丁場だからです。


21カ月あれば、人間は日常生活におけるありとあらゆることをすることになります。


そこで問題となってくるのが「宇宙空間でのセックス」というわけです。


1992年に実行されたスペースシャトルのミッションで宇宙に行ったジャン・デービスとマーク・リーの2人の宇宙飛行士は、実は極秘に結婚していました。


こっそり結婚していた二人は、世界で初めて宇宙ミッションを共にした夫婦になりました。後にも先にも夫婦で宇宙に行ったのはこの二人だけ。


そこで気になるのが、「二人は宇宙でセックスをしたのか?」という問題。


NASAの見解は「NO」。NASAによると、いまだかつて宇宙でセックスをした男女はいないそうです。


ではなぜか?


宇宙でのミッションは職業的な性質を帯びるものです。


宇宙飛行士にはミッションを成功させるためにプロフェッショナルであるべきという職業理念があります。


もし、宇宙に滞在する同僚がセックスをするならば、気まずくなり平静を保てなくなるため、ほとんどの宇宙飛行士がセックスを避けたがるからというのが理由です。


しかし、火星へのミッションとなると、「宇宙とセックス」に対する概念はこれまでとは一変します。


これまで「職場」であった宇宙空間は……


長期ミッションの火星探査においては、「生活の場」に変わるからです。


これは、セックスすることもある場所であり、子どもを産み、育てる場所にさえなり得ます。


宇宙でのセックスは避けては通れない問題となります。


2000年に、ポルノ映画の会社が宇宙空間に似た、ほとんど重力のないマイクログラビティ環境でポルノを撮影しようと企画しました。


しかし実現せず。人類はマイクログラビティ環境でのセックスさえ実現していないと言えます。


ちなみに、2015年にも宇宙ポルノを実現するべくクラウドファンディングが行われましたが、資金調達に失敗しています。

史上初の「宇宙ポルノ」制作に向けたクラウドファンディングが大詰め、はたして出資金は集まるのか? - GIGAZINE


人間の代わりに200マイル(約320キロメートル)上空の宇宙空間に連れて行かれたさまざまな動物による生殖実験も行われています。


ショウジョウバエや……


寄生バチ


メダカ


ネズミなどが宇宙空間で実験に使われてきました。


1960年代後半にNASAは「生物衛星プログラム」を開始しました。宇宙空間での放射線や無重力状態が生物に及ぼす影響を調べるのが目的です。


そこで分かったことは、「宇宙空間でのセックス(交尾)は非常に難しいものだということ」


寄生バチのオスはメスに出会うことさえ難しい状態でした。


また、遺伝子に受けるダメージによって宇宙空間での生殖が難しいことも分かってきました。


宇宙空間でのほ乳類の繁殖はいまだに成功していません。


人間に話を戻すと、宇宙空間での生殖にはどんな問題があるでしょうか。


無重力環境が男性の勃起に与える影響について分かっていることは少ないのが現状。


とはいえ、これは宇宙空間でのセックスに関する研究がほとんど行われていないのが原因です。


男性に比べると、女性の研究はさらに乏しいのが現実です。


これまで宇宙空間に行った宇宙飛行士は500人以上いますが……


女性飛行士はわずかに全体の11%にとどまっています。


女性飛行士が少ない状況が今後も続くなら、ただでさえ研究が乏しい「宇宙でのセックス」の研究は、難しくならざるを得ません。


セックスについて話すことは楽しいものですが……


同時に、話すのが難しいことでもあります。


しかし、生命の誕生は人間の基礎にある重要な事柄です。


人類が火星に移り住むことができるのかを考える上で、宇宙でのセックスは避けて通ることができない問題なのです。

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