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GIGAZINE10周年記念本「未来への暴言」Amazon限定無料ダウンロード可能に、一体どういう仕組み&メリットがあるのか?


とりあえずどうやって無料にしたのかとか、無料配布してどういったメリットがGIGAZINEにあるのかとかそういうのはどうでもいいからとにかく無料でダウンロードしたいぜ!という場合は以下のリンクから無料でダウンロードできます。

GIGAZINE 未来への暴言 | 山崎 恵人, GIGAZINE | ノンフィクション・伝記 | Kindleストア | Amazon


以下、一体どういう仕組みでAmazon上で無料配布が可能になるのかというカラクリの解説、そして一体どういうメリットがあるのか?という説明になります。

最初に、実はGIGAZINE10周年の時に出した記念書籍「未来への暴言」を裁断してスキャンしようとすると、以下のような文言が見える仕掛けを仕込んでいました。

ここに書いてあります


思いっきり広げても見えないギリギリのところで、裁断すると見えるようなイメージで印刷してもらいました。


「電子書籍化予定」


ということで、いろいろ考えた末に、間にどこかの出版社を介在させたりはしないカタチで、自前でAmazonのKindleをプラットフォームとして選択して電子書籍化することにしました。

いわゆる「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」というセルフ出版です。


で、ここからがポイントで、Kindleだけで独占出版することになると「KDP セレクト」というのに登録できるようになり、Amazonから支払われる収益率(ロイヤリティ)が35%から70%にアップします。ただし価格設定に条件が付き、最小希望小売価格は「250円」、最大希望小売価格は「1250円」となります。


さらにKDP セレクトに参加することで読み放題の「Kindle Unlimited」にも登録されるので、「Amazonプライム会員」であればタダで読むことができ、読んでくれた分だけ「KDP セレクト グローバル基金」から収益が分配されます。収益計算方法は「Kindle Edition Normalized Page Count (KENPC v2.0)」と呼ばれているもので、標準の書式設定 (フォント、行の高さ、行間など) に基づいて計算されたページ数から算出されます。本の中の画像、表、グラフなど、テキスト以外の要素もカウントされるとのこと。

加えて、KDP セレクト参加によって「Kindle オーナー ライブラリー」にも登録されるため、「Amazonプライム会員」が1ヶ月に1冊、無料で読むことができる電子書籍にもなっています。実質、「Kindle Unlimited」に参加しているのであればほぼ無意味な気もするのですが、計算方法は上記「Kindle Edition Normalized Page Count (KENPC v2.0)」と同じになります。

そしてKDP セレクト参加特典のラストが今回の無料配布機能「本の無料キャンペーン」です。「Amazonプライム会員」でなくともKindle上で無料で読めるようになっており、Amazon上で販売開始してから90日間で5日間だけ指定し、無料でダウンロードしてもらえるというものです。デメリットとしては、無料なので何冊ダウンロードされても、収益が「ゼロ円」である、ということ。Amazonのヘルプにも「本の無料キャンペーン中は電子書籍が無料で提供されるので、キャンペーンの実施中はロイヤリティを受け取ることができません」と明記されており、一円もゲットできません。


しかし、本当にデメリットのみであれば、「90日間のうち5日間だけ」と制限せず、90日間でも180日間でも好きなだけ無料配布させればよいはず。「5日間だけ」に制限しなければAmazonにとって不利益となる仕組みがあるから、制限されているわけです。しかしAmazonのヘルプページ「本の無料キャンペーン」を隅々まで読んでも、一体どういうメリットがあるのかは書かれていません。

が、Amazon公式の「KDP ニュースレター」というものがあり、この中の2014年12月発行号に、以下のようにメリットが明記されていました。

無料キャンペーンが終わりますと、0 円で購入された電子書籍の価格が通常の価格に戻ります。そのときに、『この商品を買った人はこんな商品も買っています』のところに掲載されるのです。あなたの電子書籍の販売ページをよくご覧ください。『この商品を買った人は、こんな商品を買っています』のところに他の方の電子書籍が掲載されているでしょう。ここに、あなたの電子書籍が掲載されるようにするのです。一冊も売れていない本を買うのは気が引けるものです。お客様が買っている電子書籍、つまり売れている電子書籍だと聞きますと、購入される可能性は増します。


つまり、無料でダウンロードしてくれた人の購入履歴の一部としてカウントされることで、ほかのKindle本の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に掲載されるようになるため、無料ダウンロード期間終了後もコンスタントに購入されるようになる、という仕組みだったのです!


たとえ無名の著者であったとしても、この仕組みであれば、広告費や宣伝費を使わずにAmazon上でアピールすることが可能になるため、「AmazonのKindleでセルフ出版したので友達や知り合いに読んでもらう」際に、ついでなので「本の無料キャンペーン」をオンにしておけば、友達や知り合いの購買履歴の一部になることで、ほかのKindle本の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に掲載されるようになり、ほかのKindle利用者の目にとまりやすくなる、結果的には収益が増えるだろう、ということになるわけです。

既に「KDP セレクト」に参加している場合、以下のように順番に設定すれば「本の無料キャンペーン」を利用できます。

「本棚」から「キャンペーンと広告」をクリック


「価格キャンペーンを実施」エリア内にある「無料キャンペーン」を選び、「無料キャンペーンの実施」をクリック


「開始日」の空欄をクリックし、開始日付をクリックします。


次に「終了日」の空欄をクリックし、終了日付をクリックします。なお、無料キャンペーンの日数は24時間区切りで1日ずつに分けることができるので、90日間の間に最大5回実施することも可能。また、太平洋標準時で開始日付と終了日付は設定されるため、例えば2017年1月1日開始とすると、日本時間では「2017年1月1日17時開始」となって17時間ずれます。夏時間中はさらに1時間繰り上がるので、16時開始です。2017年度はアメリカが3月12日から夏時間に突入しているので、今回のキャンペーンは「4月25日(火)16時開始」です。


最後に「変更を保存」をクリック


待ちます


ページ最下部の「この本のキャンペーンと広告 (開始および終了時間: 太平洋標準時)」に「無料キャンペーン」が表示されれば成功です。


というわけで、今回のGIGAZINEの10周年記念本に限らず、Kindleの無料本はダウンロードするだけで著者の収益アップに貢献できるというなかなかうまく考えられた仕組みなので、以下からサクッと無料期間中にダウンロードしてもらえると助かります。よろしくお願いします。

GIGAZINE 未来への暴言 | 山崎 恵人, GIGAZINE | ノンフィクション・伝記 | Kindleストア | Amazon


2017/04/25 23:08追記
Amazon.co.jpの売れ筋ランキングで1位になりました、ダウンロードしてくれた読者の方々、ありがとうございます!

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in レビュー,   ネットサービス,   ピックアップ, Posted by darkhorse

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