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「Galaxy S8」を発売前にバラバラに分解、気になるバッテリーはどうなっているのか?


修理・分解マニュアルをネットで公開するiFixitが、Samsungスマートフォンのフラッグシップモデル「Galaxy S8」を発売前に分解しました。Galaxy Note 7ではバッテリーの爆発・燃焼問題からリコールに追い込まれましたが、新作Galaxy S8でバッテリーがどう処理されているのかが明らかになっています。

Samsung Galaxy S8 Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Samsung+Galaxy+S8+Teardown/87136

爆発・燃焼が相次いだGalaxy Note 7の失態を挽回するべく登場したGalaxy S8。iFixitは「慎重に分解した」と述べています。

Galaxy S8は2960×1440(570dpi)の5.8インチ有機ELディスプレイを搭載。SoCはQualcommのSnapdragon 835またはSamsungのExynos 8895で、いずれにせよ現行最速のスマートフォンの一つです。


最大256GBのストレージアップに対応するmicroSDカードスロットを搭載し、IP68の防塵防水性能を持ちます。iPhone 7シリーズとは違い、Samsungは一貫してイヤホンジャックをサポートしています。


デュアルピクセルAF対応&4Kムービー撮影が可能な1200万画素リアカメラ。以前のように飛び出してはいません。指紋認証はホームボタンからリアカメラ横に移動しました。


早くから曲面ディスプレイなどのカーブエッジを採用してきたSamsungは、フラッグシップモデルのSシリーズの外観デザインをほぼ完成させています。Galxy S7 edge(左)と比べた印象を、iFixitは「クローンのように同じ外観」と表現してます。


ピックを挿し込んで分解開始。近年のスマートフォンはバックパネルと液晶部分をネジではなく接着剤で固定しているので、熱加えて接着剤を溶かしてからピックを挿し込んでこじ開ける、というのがお決まりの手順です。


専用工具「iSclack」を使ってパカリとバックパネルを持ち上げて、分離します。


開いた状態。バックパネルを開けると切れてしまいかねない「ケーブルトラップ」はない模様。ただし、周囲一体に張り巡らされた接着剤は、分解難度を上げる厄介な存在です。


指紋センサーを下から押した様子。人さし指でとどくかギリギリの場所にある指紋センサーは、右手操作だとカメラと押し間違えそうだとiFixitは述べています。


iPhone 7のように安全のためのロックシステムが搭載されているのかはまだ不明。指紋センサーの交換が可能なのかは、スマートフォンの修理の難易度に大きく関わってきそうです。


S8シリーズでSamsungは、内部ハードウェアを2層に分けるレイアウトをGalaxy Note 7に引き続いて採用しています。スピーカー、アンテナ、NFCモジュールは、画像右のカバータイプの中間フレームに搭載されています。


注目のバッテリー。ちなみに、iFixitは「bomb(爆弾)」とうっかり言い間違えています。


なお、茶目っ気たっぷりなiFixitによると、バッテリーパックの取り外しやすさは向上しているそうです。


Samsungブランドのバッテリーパックは11.55Whの電力量。


端にツールを挿し込んで……


マザーボードを取り外すと冷却用のヒートパイプが見えます。


マザーボードを取り外すと、I/Oコネクタのあるドーターボードにアクセス可能。このドーターボードは大画面モデルGalaxy S8+と共用の部品です。


マザーボードには、SamsungのLPDDR4メモリ「K3UH5H50MM-NGCJ」が一体化したSoC「MSM8998」(Snapdragon 835)、東芝のUFSコントローラー「THGBF7G9L4LBATR」(オレンジ色)、Qualcommのオーディオコーデックチップ「WCD9341」(黄色)、NFCコントローラー「NXP 80T71」を搭載。


裏面には、村田製作所のWi-Fiモジュール「KM6D28040」(赤色)、QualcommのRFトランシーバー「WTR5975」などを搭載しています。


パーツ一式。小さな筐体にパズルのように専用設計された部品が無駄なく詰め込まれているのがよくわかります。


iFixitによるGalaxy S8の分解・修理難易度スコアは「4」(10段階評価で「1」が最も難しい)。修理しやすいポイントとして、多くのコンポーネントがモジュラー式で交換しやすいことを上げていますが、困難となる要素として、バッテリー交換にリアパネルを取り外すのが不可欠で、そのリアパネルやディスプレイ面のガラスに強力な接着剤が使われているため、分解中に割れやすいこと、曲面のディスプレイガラスは割ることなく分解することは非常に難しいことを挙げています。


また、iFixitはGlaxy S8の大画面モデル「Galaxy S8+」についても分解済み。

Samsung Galaxy S8+ Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Samsung+Galaxy+S8%2B+Teardown/87086


Galaxy S8とほぼ同じデザインの兄弟モデルGalaxy S8+も、修理分解難易度の傾向や注意すべきポイントは同じで、修理分解難易度スコアを「4」としています。

・おまけ
なお、注目の「バッテリー」について、iFixitによると6.2インチの大画面モデルGalaxy S8+に使われているバッテリーパックは3.85V・3500mAh(13.48Wh)の表記があり、リコールに追い込まれたGalaxy Note 7と全く同じ。「外観もGalaxy Note 7のものと同じに見える」とiFixitは述べています。


ちなみにGalaxy Note 7のバッテリー問題を検証したSamsungは、「絶縁シートが破損する」ことが原因と結論づけています

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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