ゲームの発展・進化の歴史から「バイオハザード7」が全世界300万本達成レベルまで昇華できた理由をゲームアナリスト平林久和&映像のプロ勝田晃生が解き明かす


国内外で高評価を得て、さらにPlayStation VRにも対応し、登場から約2ヶ月が経過してなおその輝きを失わずにいる「バイオハザード7」について、これまでと何が違うのか?一体どのような点にこだわりが盛り込まれているのか?ということを専門家の視点から分析してみるということで、ゲームアナリストの平林久和氏と、TV番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」などを手がけた勝田晃生氏にいろいろ聞いて、語りまくってもらいました。

CAPCOM:バイオハザード7 レジデント イービル 公式サイト
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CAPCOM:バイオハザード7 レジデント イービル グロテスクバージョン 公式サイト
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平林久和:1962年生まれ。青山学院大学卒。ゲーム産業の黎明期に専門誌の創刊編集者として出版社勤務。1991年に起業。現在に至る。著書、『ゲームの大學(共著)』『ゲームの時事問題』など。デジタルコンテンツ白書編集委員。2012年にゲーム的発想(Gamification)を企業に提供する合同会社ヘルプボタンを小霜和也、戸練直木両名と設立、同社代表を兼任。俯瞰的であること、本質を探ることをポリシーとする。


勝田晃生:1960年生まれ。日本大学芸術学部卒。「アメリカ横断ウルトラクイズ」「なるほど!ザ・ワールド」など数々のテレビ番組のディレクターを経験後、プレイステーションの発売とともにゲームのプロモーションを手がける。いままで500本を超えるゲームのCF・PVを手がける。映像の宮大工であることをポリシーとする。


◆逆転の発想、そして時代の空気

平林久和(以下、平林):
バイオ7をはじめて遊ぶ人にどういう風に伝えたらいいのか。迷うことがあります。ホラー映画ではチェーンソーの映画とヒッチコックの映画があるじゃないですか。つまり、肉体的に怖い映画と心理的に怖い映画。バイオハザード7は、心理的な比重を高めようとしていて原点に回帰していると理屈では説明できるのですが……。

GIGAZINE(以下、G):
ヒットの裏側を探る、という観点からはどのように考えていますか?

平林:
ヒットした作品には必ずその裏側もあって、逆に見えないから何ができる?という考え方もあるわけです。

G:
具体的にはどういうことでしょうか?

平林:
向こうに草原が広がっているとか、向こうにクッパがいるドアがあることをうまく見せるということであればマリオなんですが、この先に何があるか分からない、というものが3Dになったんです。そういうときに、3Dになって「見えないからこそ怖い」がゲームになるということが、初代バイオハザードにはありありと表れていたわけですね。

G:
「見えない」というか、要するに「謎」という意味で見えないということですね。

勝田晃生(以下、勝田):
実際に見えないという意味でもあります。すごいなと思うのは、その当時平林さんと話していたときに、「見えないのをやっているゲームがあるんですよ」と言われた時に、「見えないのをやっているゲームって何?」という話になって、「バイオは見えない部分をうまく利用しているんですよ」と言われました。見えないのは映像の作り手からすると、「見えないのをそのままやったらダメでしょう」という思いがあったんですが、逆に見えないことが恐怖になっているという説明をされたときに、「なるほどね」と思いました。逆転の発想というか。

平林:
今っぽい話にすると、現在、初期の段階にあるVRゲームが次の段階に行く時、初代バイオハザード的な逆転の発想が求められていると思うんです。例えば、ヘッドセットを目隠しとして使う良いゲームが早く出てこないかなと。つまり、何を見せるかではなくて、全員が目を閉じているわけなんだから、目隠しをすることで何ができるんだろう、ということを考える手法はあるはず。みんなが何を見せるかと考えるより、何を見せないかという風に考えた方が良いという逆転の発想ですね。


音ネタの関係で言うと、僕はサウンドノベルが生まれる時からゲームに関わっています。当時はスーパーファミコンがあって、「拡大・縮小・回転」ばかりに注目が集まっていました。しかし、ハード仕様を見てみると、8bit時代と比べて、16bitはサウンドチップが劇的に良くなっているんですよ。16bitになった時のサウンドチップについて、異様に興味を持っていたのが中村光一さんです。「サウンドチップはめちゃくちゃ活かせられるよね」と言って生まれたのがサウンドノベルです。これもスーパーファミコンの逆転の発想から生まれたヒットだと思います。

さまざまなヒット商品には裏側に逆転の発想があるということなんですが、「バイオ7」で「原点回帰」という言葉を見たときに、「確かにそうだな」と思いました。「面倒くさいから昔みたいにしたの?」ということではなく、たった4文字で語り尽くせないものを言い得ていますよね。

勝田:
やっぱり今回のバイオ7を見ていると、平林さんが原点回帰という言葉に対して「4文字では語り尽くせない」というのがすごくうまいなと思ったのは、日本的なものをうまい具合にグローバルに出しているということでした。僕が関わっていた「アメリカ横断ウルトラクイズ」は実は、敗者の美学を中心にしているんですよ。見た人は分かってくれると思うんだけど、昔、平林さんに「勝田さん、あれはゲーム番組ですけど勝者ばかりを追いかけていませんよね」と言われて、「その通りなんですよ」と思いました。

平林:
「罰ゲームは怖くないかーっ!!」が必ず入るんですよ。

勝田:
たぶん欧米では「敗者の美学」ってあまりないと思うんです。それと同様に、欧米のゲームは、来るから撃つのではなくて、能動的に撃ちに行くのが多いじゃないですか。

G:
先に仕掛けて攻撃する感じですね。

勝田:

でも、バイオ7は「こっち来るな!」という感じですよね。敵が向こうから来るけど、来てほしくない。そういうのはリアクションで、待っているわけじゃないですか。そういう文化は向こうの人たちにはないと思っていたんです。でも、話を聞いていると欧米でも評判がいいから、日本的な恐怖の種類が受け入れられてきたのかな、というのはすごく分かりました。だからこそ、日本の方にもバイオ7を遊んでほしいですよね。

平林:
「サバイバルホラー」という名前は初代「バイオハザード」からですよね。この呼び方に善し悪しの議論もありますが、私は本当にサバイバルホラーというのは、本質を突いていて分かりやすい呼び方だと思っています。別の言葉で言うと、僕は「防衛」だと思ったんです。無尽蔵に銃と弾丸があるからバンバン撃てばいいというのはただの「攻撃」ですよね。だけど、弾数が限られていて、どこで使っていけばいいのかを練っていくというのが「防衛」です。そうすると、もし仮に「バイオハザード7」で銃弾が1発、敵が3体という状況が起きると、銃をどこで使いますかというのもサバイバルなんですよ。だけど、最初に映像を見せて、最終的にその人と戦わざるを得ない私、という突きつけ方はすごくきれいな見せ方だと思うんです。

勝田:
演出としてはすごくうまいですよね。

◆実は視野角が重要

平林:
バイオハザード7の中では、視野角というのがとても重要な役割を占めています。

勝田:
映像の技術者からすると、一人称の視野角がすごく考えられているんです。一人称の視野角は一般的に120度以上にしてしまうと気持ち悪くなるんですよ。バイオ7は絶対120度以下に設定されているんです。角度が狭いと不安になるので、その不安をあおっているんですよ。バイオ7は三人称視点から一人称視点になったけど、三人称視点にはレポーターが必要なんですよ。「なるほど!ザ・ワールド」で、「皆さん、こちらを見て下さい!」と言っていたと思うんですが、あれは必ずレポーターとしてテレビの前にいる人たちに向かって言っているわけです。あの人が勝手に何かをしていても、こっちのテレビの前にいる人は何をしているか分からないんですよね。勝手に見ていったとしても、そこまで来ないじゃないですか。だから、「皆さん」と言って、必ず振り向かせてからやっているんです。
※注釈:「バイオハザード7」の視野角は80度に設定されています。

ゲームでも同じように三人称で見せると、当然ですがこちらに何も語りかけずに進んでいくことになります。今回は一人称になったことで、自分の分身としてそこに置いているわけなので、今回のバイオハザード7は一人称の視野角をすごくうまく使っていて、「やられたなー」と思いました。


平林:
普通の人間の視野角が120度なので、もし広すぎると違和感がありますよね。見えているもの以上のものが見えてしまっている、人間と違って目が左右に付いている馬になった気分みたいな。そうならないように、視野角を狭く作ってあります。だけど、狭くなったらその一方で情報量が少なくなるので、操作しにくいとか別の不安も出てくるわけですね。

G:
人間は心理的に恐怖を感じると視界が狭くなって、興奮しても視界が狭くなるんですよね。例えばうまいなと思ったのが、人間は見えているモノに焦点を合わせるじゃないですか。そうすると近くのものに焦点を合わせていると、遠くのものには焦点が合いにくい。ゲーム中では自分が手前にある箱の影に隠れながら、焦点は目の前の箱に合っていて、なおかつ視界の遠くのあたりを敵が通り過ぎていくのが「ぼんやり」見えたりする、ということが考えて作られているように感じましたね(例えば下記映像の1分28秒から隠れるシーン)。

『BIOHAZARD 7 resident evil』“ランタン”ゲームプレイ映像 - YouTube


勝田:
それは「焦点深度」という難しい言葉があって、フィルムカメラとかでやるときに、暗くなれば焦点深度が浅くなるんですよ。浅くなるというか、距離が合わなくなるというか。人間の目もそうなんですけど。明るいところでは2メートルから100メートルまでピントが合うものが、暗くなるほど焦点深度が浅くなります。それをうまく利用しているんです。

平林:
僕は宝島社というところでゲーム雑誌を作っていて、そこの創刊編集者として、ファミコンの黎明期から数々のゲームを見てきました。僕はカプコンのファミコンゲームで8bitの「スウィートホーム」を見て驚いたんです。スウィートホームは原型がバイオハザードに似ていて、館から命を奪われないように抜け出していくというゲームなんですが、ファミコンソフトで、かわいいキャラクターがぴょんぴょん跳ねているものが多かった中で、本当に怖いんです。「8bitのゲームなのに怖いものがある」ということについては、自分で企画をしたり記事を書いたりしたこともありましたね。


G:
スウィートホームというと、元になっている映画自体がそんな感じでしたね。

平林:
そうです。つまりこれは後に生まれる「サバイバルホラー」というジャンルの原点なのだろうと思います。スウィートホームと今のバイオ7を両方遊んでいる人は少ないと思うし、2つのつながりについて語ることができる人も少ないと思うので、そういう体験を語ってみました。

G:
スウィートホームの後に、初代バイオハザードが出ていますが、あの時すでに「スウィートホームとつながりがある」と感じたのでしょうか?

平林:
自分でも感じていたし、作っている方たちからも、「実はそこでつながっている」ということも聞いていて、「なるほど、そうだな」と思いました。初代バイオハザードは発売年で言うと1996年なんですが、1996年は「スーパーマリオ64」の発売年でもあるんです。Nintendo64の発売年でもあり、その頃は「3Dゲーム」ということに対して、カプコンも任天堂などの日本の名だたるゲーム会社が、どういうゲームを作るのかということに対してすごく模索した時期でした。

それまでの2Dゲームというのは、先に何があるかが分かりやすいから良いわけなんですが、カメラの範囲でしか分からないことというのは、それこそ360度中の80度とか90度、120度とか、限られた範囲しか見えないわけです。3Dになると、人の視界を奪うという不自由さがあるという議論や、カメラは誰がプログラムしたら良いのか、カメラはどこに置いたらいいのかということに対して、当時は手探りで開発されていました。

勝田:
そのカメラの話ですが、3Dの時代に僕が最初に授業したのは、3Dのカメラの置き方でした。

平林:
勝田さんはそのころ、ゲーム会社の方たちにレクチャーなさってましたよね。

勝田:
はい。3Dのカメラの置き方とか、どうやったら見せられるか、という授業を行っていました。今平林さんが言ったように、視界が今までと違って平面(=2D・二次元という意味での平面)ではないわけじゃないですか。今で言うFPSとかは一人称ですけど、その当時はバトルのシーンでカメラをたくさん置くわけですよ。「こうやって置いたらダメでしょう」というのはすごくやりました。

平林:
「スーパーマリオ64」の最後のクレジットに、初めて「カメラプログラマー」というクレジットが出てきましたね。

G:
カメラプログラマー?

平林:
カメラのことだけを考えてプログラムをした人なんです。カメラというのは、人体の動きに対してどのようなつながりを持っていればいいのか、そのカメラはズームするのかしないのか、振るのか振らないのかということを制御する専門のプログラマーがいました。カメラをゲームにどう取り入れるのか、もっと言うと、ゲームでどうやって作るのかということに対して、みんながすごく迷っていた時期でした。僕はそのときに何を見せるかということについて、最高傑作はスーパーマリオ64だと言って、当時僕は独立して評論活動もしていたので、べた褒めしていました。

◆「カラーバー」と「音」

勝田:
話がズレてしまうかもしれませんが、体験版にもあった「VTRを動かせる」というのはすごいですよね。ビデオテープの中でカメラマンになっているやつ。僕は商売だからかもしれませんが、「反則だろう」と思いました(笑) だってVTRの中でキャラクターを操作するんですよ!?ゲームの世界でも映像の世界でも、今までになかったんじゃないでしょうか。


G:
過去の回想で、というのはあっても記録されたビデオテープで、というのは見たことがないですね。

勝田:
そうそう。すごく新しいなというのと、ビデオテープを見ていて……というのが、また新しい恐怖の形だなと感じました。今家庭にビデオテープはないのか、ごめん(笑) もし家庭でビデオテープ見ながらそれが動いたら、すごく怖いなと思ったんですよ。

G:
確かにその感覚は分かります。

勝田:
僕はこれまで映像を編集するために、何百時間、何千時間とカラーバーを見てきているんですよ。それがバイオ7を見て初めてカラーバーが怖いという感覚になり、それがまた操作までできるという(笑)

平林:
ゾンビとか血とかナイフではなかったとしても、ただの効果音だったりカラーバーだったり、どうでも良いものが怖く見えてきてしまうというのが作り手のすごい工夫だと思うし、受け手が「あれ怖かったよね、カラーバーなのに!」と言って終わった後の楽しみだったりとかもありますね。

勝田:
映像を作る側からすると、今回は音が本当に怖いですよね。やっぱり、普通の音なんだけど、すごく怖く作ってあるんですよ。同じ音でも時計がカチカチ……、ゴーンゴーン……と鳴るところのエコー成分とかがすごく考えてあります。あとは足音。バイオと言えば足音なんですが、今回は足音を聞くだけでもいいゲームだと思っています。

平林:
見るのが怖かったら「聞きバイオ」でもどうぞ、ということですね(下記ムービー冒頭から時計のカチコチ音、ゴーンゴーンという音のシーンあり)。

『BIOHAZARD 7 resident evil』TAPE-4 “レジデント イービル” - YouTube


G:
素人目、というか、素人耳で聞いていると、先ほどのエコー成分と言われてもつかみづらいのですが、どの辺りが「これは力が入っているな」という部分なのでしょうか?

平林:
虫も怖いですね。虫とか別にいなくてもいいじゃないですか(笑) 僕は虫を見た瞬間、たぶん作っている人たちは「不愉快な音って何?」というものをコレクションしているんじゃないかと思いました。絶叫とか悲鳴とかチェーンソーの音とかじゃなくても、先ほどの時計の音もそうですが、細かいところまでたくさん入っているような感じで、その中でも序盤でいきなり作り手からの宣戦布告だ、と感じたのが虫の音でした。

勝田:
あと、水の音ですね。水はやっぱり怖いじゃないですか。溺れた経験がない人でも、水は怖いものというイメージがどこかにあると思うんですけど、その水の音をうまく使っている感じました。怖い怖いばかり言ってますが、怖いと言っていて遊ばないのはもったいないと思います。

◆「側にいてよ」という誘引力

勝田:
平林さんと遊ぶのはどうかと思うけど、誰かと遊ぶなら女の子と遊ぶのが良いですよね(笑)

平林:
1996年の原点の頃はPlayStationの登場によって、当時使われた言葉で「ヤングアダルト」という恥ずかしい言葉がありました(笑) 大学生とか社会人の若い人たちのことですね、そういうヤングアダルト層へPlayStationが広まったと言われていました。バイオハザードを家で遊ぶというのは、大人だからこそできることという価値があったと思います。そういう人たちはよくカップルでバイオを遊ぶというバズもあったし、当時のメディアでそれを扱う機会は多かったんですよ。カプコンがプロモーションしていなくても、そういう風に周りで騒いでいましたね。

僕はバイオ7をどういう人に遊んでほしいかというと、本当にベタなんですが、直球で言うと、「おうちデート」が好きな人に遊んでほしいなというのはあります。

勝田:
なるほど、おうちデートね。今の人は違うんじゃないですか?

平林:
娘、息子たちがデートをしないまでも、「お父さん、バイオ7を一緒に遊ぶから側にいて」と言われると、お父さんはみんな喜ぶという話なんです。そういうことなので、デートなのか親子なのかは置いておいて、バイオ7にはそういう誘引力があるんですよ。誰かと一緒に、遊ばなくていいから見ていて、というような。

変な話、これすると何が起きるとか分かっていても、側にいる人が驚くリアクションを見たいとかありますよね。あるいは、見たいけど遊びたくないとか。改まって「おうちデートでバイオハザード」とか「親子で楽しむバイオハザード」みたいなスローガンを作るとダサいじゃないですか。だけど、実際に遊ぶと「側にいてよ」という誘引力がすごく高いと思います。


◆「アクション」と「リアクション」

勝田:
全然話が変わるんですが、この頃YouTubeとかに単なるプレイ動画が上がっているじゃないですか。実況動画はその人の感想だから良いと思うんだけど、アクションがあってリアクションが返ってくるというのが、僕がゲームを遊んだときの感動なので、「プレイ動画を見てゲームを遊んだ気になってほしくない」というのがありますね。「もっとゲームを遊んでよ」と思います。

平林:
ゲームは遊ぶべきであって見るべきではないと思うのですが、一方でそれを見て興味を持つ人もいます。というわけで僕はプレイ動画を全否定しません。ただし、ゲームで遊ぶと「ある(実存)」を感じるんですが、YouTubeで見ても「ある」は感じなくて、「見た」経験でしかない。動画は8割、9割の情報を得られるかもしれないけど、最終的な「ある」を感じられないと思いますね。

勝田:
僕は単に「遊んだ方がもっと面白いよ」と思うんですけどね。

G:
なるほど、それが分かりやすいですね。別の取材の話ですが、映画・アニメ・ドラマは主観的な没入感を得させるためにメチャクチャ苦労するのに、ゲームはコントローラーを持って操作するだけで、一発で没入感を得られると聞きました。プレイ動画をアップロードする人がいる理由として、ゲームのレベルが上がっているので、映画みたいに第三者の目線から見ているのに、最初から没入感を得られてしまうから成り立っているんじゃないかとは言っていましたね。ある種、ゲーム会社はズルいという話もありました。

勝田:
僕のような作り手からすると「ズルい」とは思わないんだけど、やっぱり映像はそういうリアクションとか、イマジナリーラインとか、そういうのをすごく考えながら作っているわけですよ。だから、バイオ7はVRでやってもすごいと思うけど、普通にやってもすごいから、それは自分がアクションを起こしたときのリアクションを楽しんでほしいというか、インタラクションですよね。だからビデオを動かせるのが僕はすごいと思ったんです。

◆「言うは易く行うは難し」を本当に実現してカタチに

勝田:
この前平林さんとその話をしていたときに、「怖い」という人にバイオ7を勧めるには、「どうしても怖い人はバイオハザード7をやりながら落語の出囃子(おはやし)を聴けば良いんですよ!」という話になりました。

G:
えっ?出囃子?

G:
確かにゲームの映像にコミカルな音をかぶせると印象が変わりますね。

平林:
出囃子じゃなくてもいいんだけど、怖いから本当にできないという人には、音を聴かせないでやるというのはありかと思います。

勝田:
そこまでしても1回やったら面白いよ、ということを言いたいんでしょう?でもやっぱり音がすごいから、音はちゃんと聞きましょうよ(笑)

G:
まぁ、怖いというのも感動だと思うんですけどね。感情が動いているわけなので。

勝田:
「なるほどね」と今思いました。映像の作り手からすると、「ストーリーも楽しんでほしい」ということですね。一人称視点で動いているのに、これだけ演出力が盛り込まれている。一人称ゲームでもドラマ性があってストーリーがしっかりしていて、これを映画で一人称でやれと言われたら、怖くてできないですよ。同じことばかりやっていても、視聴者が飽きてしまうわけじゃないですか。毎回カエルが出てきたり、虫が出てきたり、扉を開ける度に人が出てきたら飽きますよね。怖さ抜きに面白い部分があって、ストーリーが進むにつれてアクションとリアクションがうまい具合に構成されているから、ぜひストーリーを楽しんでほしいなと思います。


平林:
あと、今はホラーどころか3Dゲームを遊ばない人が多いんです。ニンテンドークラシックミニがすごく売れたじゃないですか。あれって、レトロゲームが好きというより、十字キーが好きだと僕は思っているんです。3DになるとZ軸の動きが入るから、カメラを右スティックで動かして操作するのは、実は人によっては難しいということに我々は気付くべきです。という点で、バイオハザード7は、すごくよく出来た3Dゲームだと思いました。主人公ができることや移動できる範囲が分かりやすい。PlayStation 4を購入して、どんな3Dゲームを遊ぼうか迷っている人がいたら、絶対にバイオ7を薦めますね。「分かりやすいバイオハザード」という言い方は今までしてこなかったんですが、それもあるかもと思いました。

G:
要するに、バイオハザード7は多方面から高く評価されているわけですが、ただ単純にホラー一辺倒だったらこんなに高い評価になるわけがありません。それでもいろいろな人が評価しているのは、「怖いよ」ではなくて、「面白いよ」ということで、何を持って面白いのかという理由は、お2人の話が全てだと思います。国内外で評価が高く、「なかなかやるじゃん」ということで原点回帰の話から始まって、音の話やストーリーの話、全てが混然一体となっています。それを作り上げるのは非常に難しいはずですが、今回はそれをちゃんと実現してしまったという話ですね。

平林:
そうですね。仮に、「ホラーゲームの頂点はこれで決まりだ」と言おうと思えば言えるんですけど、「怖い」ではなく「面白い」という見方をしてほしいんです。

G:
なるほど、確かにその通りですね。本日はゲームの発展・進化の歴史からバイオハザード7に至るまで、もろもろの貴重なお話をありがとうございました!

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