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「技術的革新について話すだけのヤツはクソだ、黙って手を動かせ」とLinux生みの親のリーナス・トーバルズが語る


Linuxカーネルを開発したリーナス・トーバルズ氏が、Linux Foundationが開催したOpen Source Leadership Summit 2017(OSLS 2017)で行われた対談で、近年のテクノロジー業界についてや、自身の仕事の考え方を語りました。

Talk of tech innovation is bullsh*t. Shut up and get the work done – says Linus Torvalds • The Register
http://www.theregister.co.uk/2017/02/15/think_different_shut_up_and_work_harder_says_linus_torvalds/


OSLS 2017でリーナス・トーバルズ氏は、Linux Foundationで取締役を務めるジム・ゼムリン氏と対談を行いました。オープンソースのLinuxカーネルの発明者/優しい終身の独裁者としてだけでなく、バージョン管理システムのgitの開発者としても知られるトーバルズ氏は、仕事に対する考え方や、Linuxカーネルの開発をどのようにして管理してきたかについて話しました。

トーバルズ氏は近年のIT業界について「イノベーションのことばかり語られる業界はくだらないものです。誰でもイノベーションを起こすことができます。口だけの『Think Different』は無意味です。語る暇があれば仕事に取りかかるべきでしょう」と話しています。また、トーバルズ氏は「成功したプロジェクトは『99%の努力』と『1%のイノベーション』でできています」と説明。トーバルズ氏はこのような考え方で仕事を行ってきたわけですが、コンピューター業界に計り知れない影響を与えたLinuxの成功を見れば、トーバルズ氏のアプローチが結果を生み出していることは明白です。

ゼムリン氏はLinuxカーネルについてPCの時代で最も成功した「協力的テクノロジー」のプロジェクトであると説明しています。ゼムリン氏によると、2005年からLinuxカーネルのコントリビューター(開発者)は合計1万3500人以上にのぼり、毎日約1万行のコードが追加され、8000行のコードが削除され、1500行~1800行のコードに変更が加えられているとのこと。ずっと同じ開発ペースではないものの、複数のコントリビューターによるLinuxカーネルの開発は25年以上にわたって継続されています。

By waferboard

Linuxカーネルの開発プロジェクトはそれぞれが独立して並行開発できるよう構築されています。トーバルズ氏は「私たちが25年間やってきて、常に存在する問題は他人の足を引っ張る人々のことです。開発の歴史を通じて私がやってきたのはコードとコードの流れを整理し、私たちのメンテナンスシップを整理することです。メンテナンスシップの整理とは、一部のコードに納得できない人に対して、基本的には去ってもらうことです」と話しています。

トーバルズ氏はLinuxカーネルが複数の開発者が並行して開発を行う「社会的プロジェクト」として進行することで、はっきりと正解と間違いがわかるとしています。トーバルズ氏は20年前から個人的にLinuxカーネルを見直すことはしておらず、開発者のソーシャルネットワークを信頼しているとのことです。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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