加工食品は本物の食べ物とどこが違うのか?

by Robyn Lee

「加工食品がアメリカ国民にダメージを与え、結果として肥満や2型糖尿病が増加し、アメリカのヘルスケアに関する予算を増加させている」と語るのは、カリフォルニア大学のロバート・ルスティヒ教授。栄養面から見ると加工食品は本物の食べ物とどのように違うのか、ルスティヒ教授が記しています。

Processed Food—An Experiment That Failed | Clinical Pharmacy and Pharmacology | JAMA Pediatrics | The JAMA Network
http://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2598465

11 Ways Processed Food Is Different from Real Food
http://www.livescience.com/57581-processed-food-differences.html

ルスティヒ教授がThe JAMA Networkで発表した社説によると、加工食品とは「製造の過程でフードエンジニアリングされたもの」であり、以下の7つの基準を満たすものとのこと。

・大量生産される
・次から次へと同じ製品が作られている
・どの場所で購入しても製品が一貫している
・特殊な材料を使っている
・主要栄養素が冷凍された状態である
・脂肪ベースのものと水ベースのものを均一にするために乳化剤が使われている
・冷蔵庫や棚で長期間保存できる

上記は一般的な加工食品の定義ですが、製造プロセスの特徴だけでは実際に栄養面で何が本物の食べ物と違うのか、分かりづらいもの。そこで、ルスティヒ教授は加工食品の特徴11個を以下のようにまとめています。

◆01:食物繊維が十分に含まれていない

by with wind

食べ物が腸の中で吸収されていく過程において、食物繊維は重要な役割を果たします。食物繊維には水溶性と不溶性のものがありますが、水溶性の食物繊維はゼラチンのように水分を取り込み腸壁を覆うことでブドウ糖や果糖の吸収速度を遅くします。これにより血糖値の急激な上昇を防ぐとのこと。

血糖値の急上昇が体にどのような影響を与えるのかは、以下の記事を読むとわかります。

なぜ「炭水化物の取りすぎ」が体に悪いのかを分かりやすく解説した「How do carbohydrates impact your health?」 - GIGAZINE


また、吸収速度が遅くなると腸内バクテリアがエサを食べる時間が長くなるので、食べ物がしっかり分解され、人間の体によい影響を与える合成物が出されます

◆02:オメガ3脂肪酸の量が不十分
オメガ3脂肪酸は魚やナッツ類に多く含まれ、体内で抗炎症作用のあるエイコサペンタエン酸ドコサヘキサエン酸に変えられます。

◆03:オメガ6脂肪酸が多すぎる
オメガ6脂肪酸はオメガ3脂肪酸とは異なり、体内で炎症作用のあるアラキドン酸に変わります。オメガ6脂肪酸は必ずしも体にとって害となるわけではなく、諸説ありますが、ルスティヒ教授はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率が1対1になるように摂取することを推奨しています。しかし、アメリカでは両者の摂取比率が1対25になっているのが実情。オメガ6脂肪酸の摂取しすぎは酸化ストレスの原因となり、細胞にダメージを与えてしまいます。

◆04:微量栄養素の含有量が少なすぎる

by Moyan Brenn

ビタミンCやビタミンEといった微量栄養素は抗酸化作用を持ち細胞がダメージを受けることを防ぎますが、加工食品にはほとんど微量栄養素が含まれていません。

◆05:トランス脂肪酸が多すぎる
トランス脂肪酸はオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸といった自然界にある脂肪とは分子構造が異なるため、人間の体が分解して栄養に変えることができません。そのため、最終的には人間の動脈や肝臓に蓄積し、タンパク質の変性やDNAの損傷などの有害作用を引き起こすフリーラジカルを生み出します。

アメリカ食品医薬品局は2018年6月から食品へのトランス脂肪酸の添加を原則禁止とする規制を行いますが、それまでは食品にトランス脂肪酸が含まれたまま。また、日本でもトランス脂肪酸の規制は2017年1月時点で存在しません。

◆06:分枝鎖アミノ酸が多すぎる
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、人の体内で合成できない9種類を必須アミノ酸と言います。必須アミノ酸のうち、側鎖に枝分かれした炭素鎖を持つバリン・ロイシン・イソロイシンなどが分枝鎖アミノ酸です

分枝鎖アミノ酸は筋肉を作り、活動時のエネルギー源となる、人体にとって重要なもの。しかし、摂取しすぎた分枝鎖アミノ酸は肝臓に運ばれ、脂肪として蓄積されることになります。

◆07:乳化剤が多すぎる
乳化剤は油と水分を分離しないようにする役割を持ち、多くの食品で食品を均一にしたり安定させたりするために使われています。しかし、近年の研究では乳化剤が腸内細菌に影響を与えることで腸粘膜がダメージ受けると発表されています。ルスティヒ教授は、乳化剤が人々を腸疾患やアレルギーのリスクにさらしていると述べています。

◆08:硝酸塩が多すぎる

by Joel Cooper

アメリカでは塩漬肉、日本ではチーズ・清酒・食肉製品・鯨肉ベーコンなどに含まれる硝酸塩は、通常摂取する程度では特に人体にとって有害なものではありません。しかし、体内で発がん性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあります。

◆09:塩が多すぎる
これは周知の事実ですが、加工食品は加工食品でない食べ物に比べ、多くの食塩が使われています。食塩の取りすぎは心疾患や高血圧に関係する、とルスティヒ教授。

◆10:エタノールが多すぎる
全ての加工食品に当てはまるわけではありませんが、加工食品にはエタノールやアルコールを含むものも多く存在します。エタノールの過剰摂取は肝臓脂肪の原因となり、酸化ストレスを上昇させ、多くの疾患を引き起こします。

◆11:果糖が多すぎる

by Jeanny

糖の一種である果糖は、肝臓においてエタノールと同じような形で分解されます。そのため、ルスティヒ教授によると「砂糖は子どもにとってのアルコール」と言われることがあるとのこと。今日、アルコールを摂取していない子どもがアルコールによって引き起こされる脂肪肝疾患のような病気になることがありますが、この原因は砂糖の消費にあるとルスティヒ教授は記しています。

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